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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode18 真樹と裕也、最終決戦?!
315/333

第315話 ボロが出るぜ!

こんばんは。

今月最後の投稿です。

 湯川真樹は大和田裕也…いや、彼の両親が君臨する大和田グループそのものを破壊しようという、かなり大胆な作戦を実行しようとしていた。1年生の頃から確執のある二人だが、日ごろ一方的に絡まれていることにうんざりしていることに加え、理事長との癒着や自身の家の窓ガラスを割られた上に放火までされた事によって、真樹の怒りは頂点に達した。そして、点滴の裕也諸共、色々問題だらけの大和田コンツェルンを滅ぼしてしまおうと考えたのだった。彼はネットを通じて大和田コンツェルンに恨みを持っている人を集め、ジャーナリストの飯田や弁護士の岩本の協力もあって大和田コンツェルンの闇を暴くことに成功。庭に仕掛けた監視カメラの映像のおかげもあって、まずは大和田家の執事である山本友紀夫を逮捕することに成功した。そして、テレビ業界内で好き勝手していた裕也の母である大和田美千代も、被害に遭った局の関係者の告発もあって、あっさり逮捕された。真樹の反撃が今、じわじわと大和田家を蝕んでいったのだった。


-夕方 千葉県船橋市内-

「ふぅ…いいトレーニングになった。ありがとね、美緒。遅くまでトレーニング付き合ってくれて。」

「いいのよ。私と慶の中じゃない。こっちも地区予選近いからむしろ誘ってくれて助かったわ!」

 そう話しているのは、真樹の同級生で陸上部の鬼越慶と、同じくバレーボール部の菅野美緒だった。慶は普段は真樹とよく自主トレをしているが、今回真樹の都合が悪かったので美緒を誘った。そして、午後からランニングやウエートトレーニングを夢中でしているうちにもう夕方になっていた。因みに、真樹が都合が悪いのは勿論朝から被害者の会の決起集会をしていたからなのだが、慶も美緒もそのことは知らない。

「じゃあ僕、そろそろ帰るね。」

「待って慶。私の家すぐそこだから、少し上がってお茶でも飲んでいかない?」

「ありがたいけど、こんな時間に来られたら家族が迷惑じゃない?」

「大丈夫よ。今日はお父さんとお母さん夜まで帰ってこないし、莉緒も慶に逢えたら喜ぶと思うし。」

「そう言うことなら…。ありがとう。」

 こうして二人はジャージ姿のまま菅野家に向かった。美緒がドアを開けるとインフルエンサーのリオリオこと実妹の菅野莉緒がいた。

「お姉ちゃん、お帰り!あ、慶さんもいらっしゃい!」

「ただいま、莉緒。」

「お邪魔します!莉緒ちゃんも久しぶり!」

 こうして、3人でリビングに集まって簡単なお茶会をすることにした。そして、莉緒がテレビを点けるとニュース速報が流れていたのだが、その内容を見て3人は目を丸くした。

『先日の坂田工業社長殺人事件及び、千葉県佐倉市の住宅の窓ガラスを割って火を点けたとして、東京都中央区内にて大和田コンツェルンの関係者が逮捕されました。逮捕されたのは大和田コンツェルンの会長宅の執事を務めていた山本友紀夫容疑者(60)です。山本容疑者は先日静岡県内で坂田工業の坂田次郎社長を殺害したことが警察の捜査で明らかになりました。さらに、その後千葉県佐倉市の住宅の窓ガラスを割って放火したことも監視豆らの映像によって明らかになりました。調べに対し山本容疑者は容疑を認めているとの事です。更に、複数のテレビ関係者に対し、恐喝や名誉棄損を働いたとして、元女優で大和田家夫人の大和田美千代容疑者も名古屋市内で逮捕されました。大和田グループの関係者が連続で逮捕されたことにを受け、警察では更なる捜査を続けるとの事です。』

 そのニュースを見た瞬間、慶と美緒はポカーンとしていた。そして、莉緒はテレビの内容に関して二人に言及した。

「あれ?大和田グループってお姉ちゃんと慶さんの同級生の裕也さんの所だよね?執事と…お母さんかな?逮捕とかヤバくない?」

 そう聞かれた慶と美緒は少し間を置いて、はっと何かに気が付いた。

「真樹が今日都合悪い理由が分かった。このために動いていたんだね。家を放火されたことに対して、本気で仕返しするつもりだよ。」

「確かに、こんな大財閥相手に容赦なく立ち向かえるのは湯川君しかいないわね。まあ、正直。大和田君が家に鼻掛けていたのは気に入らなかったし、最近の大和田グループの動向を見ると1ミリも同情はできないけど。」

 そんな二人に対し、莉緒は驚きつつも不思議そうな表情で呟いた。

「お姉ちゃんの誘拐事件もそうだったし、今回もまた凄いわね。本当に湯川さんって何者なんだろう?」

 その疑問に関しては、慶と美緒も一番知りたい所であった。


 翌日の夜。

「奥様、大変申し訳ございません!この私の完璧な手口がバレるとは…。」

「もう、何やってんのよ!でも、私には向かう裏切り者がいたのはちょっと予想外だったわ。社会的に消したつもりだったのに。」

 ここは千葉県内にある刑務所。銀座で捕まった山本が収監された次の日、美千代も午後に名古屋から千葉まで移送されたのだった。2人は向かい側の牢屋でそう話していたが、そんな時に看守が現れた。

「山本友紀夫、大和田美千代。面会だ。」

 そう言って二人そろって看守に連れられて面会室に入った。すると、少年が出迎えていた。

「どうも。うちに火を点けた執事さんに、パワハラ三昧のお母さん。大谷津学院3年の湯川真樹です!裕也君がいつもお世話になってます!」

 面会の相手は真樹だった。真樹は皮肉っぽく小馬鹿にしたような口調で山本と美千代に挨拶した。当然二人は怒って真樹に詰め寄る。

「坊ちゃんからは話を聞いていましたが、こんな野蛮で非常識な奴だったとは!坊ちゃんの楽しい学園生活の為にも、今すぐ殺してやりたい!」

「あなたね。うちの裕也をいつも不愉快にするのは!あなたみたいなのが同じ学校にいて、裕也が可哀想。やっぱり親無し貧乏人に碌な奴はいないわ!この前大谷津学院が身売りされなかったら、とっくに退学にできたのに!」

 好き放題真樹に暴言を吐く山本と美千代。しかし、真樹は全く動じずに言い返す。

「何度でも言え、外道共。だが、そんな風に見下している親無し貧乏人に嵌められたのはどこのどいつかな?」

「な、何だと?」

「ま、まさか口止めしていた情報が漏れたのも…?」

 真樹の態度に動揺し始めた二人。真樹は更に畳みかける。

「駄目だよー、貧乏人だからって監視カメラ警戒しなくっちゃ。それに、弁当のシイタケ1つでムキになるとかダッさ!幼稚園児以下じゃん!それにあんたら、大和田グループはやり過ぎたせいで随分敵を作っちまったみたいだな?!」

「そ、そんな…。全部バレていたのか?」

「みすぼらしい貧乏人風情が…!」

 愕然とする二人に対し、真樹は止めの一言を言い放った。

「安心しろよ。大和田家の糞オヤジと、ナルシスト糞イケメンももうすぐお前らと一緒にしてやるからな。お前らには金はあるかもしれんが、俺は頭と頼もしい仲間を持っている。貧乏人舐めんなよ!」

 真樹はそれだけ言うと刑務所を後にした。大和田コンツェルンの崩壊のカウントダウンは、真樹の手によってもはや止められなくなっていたのだった。

こんばんは。

次回は9月上旬位に投稿したいと思います。

本エピソードも9月中に終わらせるつもりです。

次回もお楽しみに!

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