第313話 大和田コンツェルンへの不満
こんにちは。
少し間隔があいてしまいましたが、久々に投稿致します!
真樹の家の窓ガラスを割り、壁に火をつけたのが大和田家の執事、山本友紀夫であることが監視カメラの解析機能により判明した。そして、真樹はこっそり作ったアンチサイトで大和田家から被害を受けた人たちを集め、全員で大和田コンツェルンに反撃することを決めた。そして、今。ジャーナリストの飯田と弁護士の岩本の協力も得て、成田市内のコミュニティーホールで大和田家被害者の会の決起集会を開催したのだった。
「えー、どなたか他に被害を受けた方、お話を聞いてもよろしいですか?」
「はい!」
真樹がマイク越しに質問すると、一人の少女が手を挙げた。眼鏡をかけた細身の少女で年齢は真樹と同い年位の様だった。
「私、大和田君とは中学校一緒だったんですけど、常にかわいい女の子いっぱい連れていて、タイプじゃない女の子には酷い苛めを行っておりました。私の友達にも不登校に追い込まれた子もいます。私も悪口言われたり、暴力もいっぱい受けました。でも、先生もみんな大和田君の味方で好き放題やっても見逃されているのに腹が立ちました。」
真樹は少女の話を聞くと、真顔で答えた。
「ありがとうございます。えー、アイツは相変わらずですね。留学生言苛めたり、僕もスクーターで轢かれそうになったり、最近は金に物言わせて審判買収して、サッカーの試合の反則プレーを見逃してもらっています。やっぱりクズですね。」
真樹は最近の裕也の横暴っぷりを話し、会場がざわつく。すると、次は飯田が立ち上がって言った。
「皆さん、初めまして。オリエント通信の飯田です。私も国内外における大和田グループの動きを調べましたが、皆さんの言われた通りに強引な買収、詐欺同然の会員費の搾取、更に社内でもパワハラ等様々なコンプライアンス違反が聞かれましたが、多方面への影響が大きく、見逃されているのが現状です。」
その次に岩本が立ち上がった。
「初めまして、弁護士の岩本です。私も大和田グループの事を色々調べましたが、最近の坂田工業の社長が死亡し、大和田コンツェルンが会社を買収して社長が開発していた特許を丸ごと移管した点について不自然な点がいくつか見られました。更に、警察の捜査によって社長が不審な車に無理矢理乗せられるのを目撃した人もおりました。恐らく社長は大和田コンツェルンに殺害された可能性が高いです。それに、今までに上がっている数々の強引な政策や社内のコンプライアンス違反は全て犯罪行為として訴えられてもおかしくありません。」
岩本は既に坂田工業社長の死亡事件に関して、静岡県警と連携して裏を取っていた。そして、何とか事件の手がかりを掴んでいたのだった。そして、真樹も口を開く。
「えー、先日僕の家の窓ガラスが割られ、更にその翌日に火を点けられる事件がありました。設置した監視カメラを調べた結果、どちらも同じ人物でした。解析機能で調べた結果、その人物はこちらです。」
真樹がそう言うと、後ろにあるスクリーンに白髪交じりに壮年の男性が映し出される。真樹はそのまま説明を続ける。
「この男は山本友紀夫。大和田家の執事です。大和田会長の右腕として働いていますが、裏ではどんな汚い手も辞さない最低な男です。まずはこいつを崩しましょう。そして、大和田コンツェルンを完膚なきまでに叩きのめすには皆さんの協力が必要です。どうか、お願いいたします!」
真樹の言葉を聞いた後、会場の人たちは歓声を上げた。
「勿論だ!親父の敵!」
「大和田家の横暴を許すな!」
「大和田コンツェルンは一般庶民の敵だー!」
被害者たちの結束はかなり高まった。そして、飯田と岩本が真樹に話しかける。
「湯川君。僕もジャーナリスト魂を掛けて、大和田家の全貌を暴いてみせるよ。」
「こんな法律違反の塊の様なものを弁護士として見逃すわけにはいかない。僕も最後まで協力するよ、湯川君。」
2人にそう言われ、真樹は頭を下げながら礼を言った。
「ありがとうございます!まずは、あの山本とかいう執事をとっちめる所からですね!」
真樹達の反撃が今始まったのだった。
それからしばらくして…。
「さてさて…。早く銀座に行って夕飯の食材を仕入れなければ…。」
山本は黒塗りの高級外車を運転し、千葉から銀座に向かっていた。その途中、車の前に数人のスーツ姿の男性が現れた。
「そこの車、止まってください。」
そう言われて山本は車を止めた。窓を開けると数人の男性が山本を取り囲むように立った。
「山本友紀夫さんですね?」
「そうですけど、何か?」
「警察です。よし、解析しろ。」
「了解!」
男たちは刑事だった。そして、そのうち二人の刑事がタブレットを見ながら何やら作業している。
「警部。完全に一致しました。間違いありません。」
「よし、分かった!」
「あの…。私これからご主人様たちの夕飯の食材を揃えなければならないのですが。早く銀座に行かせてもらえませんか?」
山物は何が起こっているか分からず、少し困ったような反応をしていた。しかし、刑事は険しい顔で断る。
「残念ながら、それはできません。山本さん、あなた以前静岡で男性を崖から突き落としましたよね?それに、以前千葉で窓ガラスを割った挙句、火をつけたことももう調べがついています。」
「そ、そんなのは言いがかりです。私がそんなことするわけがないでしょう!」
「言い訳は無駄です!これ、山本さん、あなたですよね?」
「…!」
刑事は山本にタブレットの映像を見せた。そこには真樹に家に火をつけた時の映像と、たった今解析機能を使って調べた山本の生体データが完全に一致した証明が映し出されていた。
「弁明するなら署でしてください。あなたを殺人、住居不法侵入、器物損壊、放火の容疑で逮捕します!」
「は、離せ!何かの間違いだ!私は誇り高き大和田家に仕える者!逮捕されるような人間ではない!」
山本の抵抗虚しく、彼はあっさり逮捕されてしまった。こうして、大和田コンツェルンは徐々に真樹によって崩されようとしていたのだった。
こんにちは!
実は、もともと昨日の夜に投稿しようと思っておりましたが、忘れてしまい今日になりました。
ごめんなさい。
次回もお楽しみに!




