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真樹VS女子  作者: 東洋連合
番外Episode 真樹達の春
283/333

第278話 頑張って!

こんばんわ。

遅い時間の投稿、失礼します!

 21世紀枠でのセンバツ高校野球出場を決めた、真樹達大谷津学院野球部。開幕の日が近づく中、真樹達はバスで甲子園へと出発。無事に到着し、ホテルにチェックイン後、トーナメントの組み合わせを決める抽選会に出席して、初戦の相手も長野の強豪校である湯田中高校に決まった。そして、開幕前日。真樹達は入場行進のリハーサルを行っていた。


「こんなに早くまた甲子園の土を踏むことが出来るとはな。」

 大谷津学院の出番が来る前、待機中の真樹はそう呟いた。共学化したばかりで創部も今年七年目。前年夏に初出場して、その後次の年の春にまた出場するのは、少人数で強豪校のような設備も無い学校にしては、大健闘していると言っていいだろう。すると、隣にいた武司が話しかけてきた。

「そうだな。我ながらすげーよな。今年は物投げこまれないといいな。」

「ああ。頭おかしい女共が湧いてこないことを祈ろう。」

 真樹は前年の暴徒化した女性客たちの事を思い出していた。後ろにいた後輩の本郷丈もそのことを思いだし、少し怒り気味に話した。

「ホント酷かったですよね!先輩は何も悪くないのに!あんな奴らのこと忘れて、今年も大暴れしましょう!俺も打ちます!」

 熱くそう語った丈に対し、同じく後輩部員の千葉、幕張、登戸達がからかいの言葉を掛ける。

「彼女に応援してもらえるから、やる気が人一倍違うな!」

「畜生、羨ましすぎるぞ!」

「活躍して、宮下を喜ばしてやれよ!」

 丈は同級生でチアリーディング部の宮下郁美と付き合っている。千葉達に言われて、丈は顔を赤くしながら言った。

「そ、そんなんじゃねぇ。とにかく今年は優勝したいだけだ!」

 そんな風に話していると、係員が声を掛けてくる。

「次、大谷津学院さん。お願いします!」

 真樹達の入場行進のリハーサルの番になり、大谷津学院野球部は足を揃えてグラウンドに入って行った。


 予行演習終了後。球場の外では顧問の関屋が集合を掛けていた。

「みんな。今日はお疲れ様。俺達の試合は2日目の第二試合だから、それまでゆっくり休んで体調を整えてくれ。湯田中は強い。だが、去年は絶対勝てないと思ってた格上相手に2回も勝ったんだ!自信持っていけ!」

「「「「はい!!!!」」」」

 関屋の言葉に真樹達野球部一同は元気よく返事した。号令が終わった後、沙崙が真樹に話しかけてくる。

「真樹。今回もホームラン、期待してるわ!」

「ああ。去年のは出来過ぎだと思ったが、今年も狙わせてもらおう。」

「フフフ。帰国前に真樹のホームランが見たいのよ。私!」

 そう言って微笑んだ沙崙に対し、伸治も力強く言った。

「よし。真樹がホームランなら、俺は沙崙に完封を見せたいな!名マネージャーへの恩返しだ!」

「勿論、伸治にもめっちゃ期待してるわ。頼んだわよ!」

 3年が引退し、エースナンバーである1を背負った伸治はそう決心した。沙崙もそんな伸治ににっこり微笑んだ。部員たちがそう話していると…。

「おーい、真樹ー!みんなー!」

 聞き覚えがある声がしたので真樹が振り向くと、そこには慶がいた。よく見ると、大神率いる吹奏楽部と、宮下達チアリーディング部も一緒である。

「オニィか!よく来たな。」

「そりゃ、来るよ。また甲子園でプレーする真樹達が見れるなんて、僕は嬉しくてたまらないよ!」

「大神たちと一緒だったんだな。」

「うん。ホテルは違うんだけどさっきそこで会って、みんなで顔見せに来たんだ!あ、杜夫は多分あと1時間後くらいに新大阪着くと思う。美緒は、莉緒ちゃんと一緒に今日の夜に到着みたいだよ。」

 そう言った慶。すると、大神と津田が口を開いた。

「皆さん。頑張ってください!またアルプススタンドで演奏できるなんて光栄です。」

「私たちも、全力で演奏して、野球部にパワーを与えたいと思っています!よろしくお願いします!」

 一方その裏で、チア部の方はもじもじしている宮下に他の仲間が何やら話している。

「ほら、郁美。あんたもなんか言いな。」

「せっかく彼氏を甲子園で応援できるんだから。」

「ファイト、郁美。」

 仲間たちに背中を押され、宮下は顔を少し赤らめながら一歩前に出て言った。

「み、皆さん!私達も、またここで応援できて光栄です!全力で応援しますんで、優勝目指して頑張ってください!」

 少し声が裏返りながら激励の言葉を掛けた宮下。そして、その直後にもう一人大谷津学院の所に来るものがいた。

「おーい、みんな!久しぶり!」

 全員が声の方向を振り向くと、カメラを持ったスーツ姿の男性がいた。勿論、真樹はその人物を知っており…。

「飯田さん。お久しぶりです。」

「久しぶり、湯川君。元気そうで何よりだよ。」

 彼はオリエント通信所属のジャーナリストの飯田である。沙崙が苛めにあっていた時、真樹が彼に事件の事をリークしたおかげで、八広茉莉奈たちに成敗できたのだ。それ以来、飯田は沙崙に関する記事を何度か書いている。飯田は沙崙の方を向いて言った。

「陳さん、久しぶり。」

「こちらこそお久しぶりです!来てくれてありがとうございます!」

「いやいや。陳さんがもうすぐ帰国って時に、大谷津学院が選抜出るなんて聞いたら来ないわけにはいかないよ。会社からも行ってこいって言われたしね。」

「飯田さんの取材なら喜んで受けますよ!バンバン、書いてください!」

「うん。陳さんも、湯川君たちも是非頑張って!応援してるからね!」

 飯田はそう言って大谷津学院野球部を激励した。たくさんの人に温かく見守られながら、大谷津学院は優勝目指して前に進んでいく。

こんばんわ。

丁度今、選抜高校野球真っ只中だったので、タイムリーな内容が書けて良かったです。

次回もお楽しみに!

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― 新着の感想 ―
21世紀枠での出場か…。果たして勝敗はどうなるのか…色々と気になります!今度は邪魔が入らない事を祈りますね♪
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