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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode16 盗んだのは誰だ?
270/333

第265話 それぞれの成果

明けましておめでとうございます。

今年最初の投稿です。

-16:00 山梨県甲府市 中央本線甲府駅-

「あ~、疲れた。でも勝てて良かったわ!」

 山梨でのバレーボールの大会を終えた美緒は、バレー部のメンバーたちと共に甲府駅へ向かい、これから特急列車に乗って帰る予定だ。改札に入りホームで待っていると、乗る予定の列車が入線してきた。ドアが開くと、乗る前に顧問がメンバーたちに言う。

「みんな、優勝お疲れ様!よく頑張ったわ!今日は帰ってゆっくり休んで頂戴!」

 顧問はそれだけ言うと、メンバーを列車に乗せ、最後に自分が乗り込む。美緒は窓側の座席に着席し、安心した様に一息ついた。

「本当に色々あったわね。」

 彼女は先日、幼馴染である子安愛理率いる非行少女メンバーに誘拐され、危うくセメントで足を固められてプールで溺死させられる所だった。そこで、真樹達が実妹である莉緒と協力し、無事に命拾いすることが出来たのだった。因みに、主犯である子安愛理は高校に通っていたものの碌に授業にも出ずに犯罪行為ばかりしており、教師も両親も手に負えない状態だった。結局今回の事件によって退学処分になり、釈放される見込みも未だに立っていない。取り巻きの3人にも同様の処分が下された。そんなことを思っていると、電車の発車時間になった。

「特急かいじ、新宿行き、間もなく発車致しまーす!」

 特急は美緒たちを乗せて甲府駅を発車した。甲府を出てしばらくした所で美緒のスマホにメッセージが届いた。

「ん、2通も来た。誰かしら?」

 美緒がメッセージあるを開くと…!

「美緒、ニュース速報見たよ!優勝おめでとう!大変だったけど、お見事だよ!」

 1通は慶からだった。そして、もう1通は…。

「美緒~おめでとう!今帰る所かな!お祝いに小籠包食べよう!」

 沙崙からも来ていた。2人分読み終えた所でもう1通メッセージが来た。

「お姉ちゃん、おめでとう!ネット速報でずっと見てたよ!お父さんとお母さんがお寿司取ってくれるって!あ、もし次の動画出る時また教えてね!」

 妹の莉緒である。相変わらずのマイペースっぷりだが、彼女が視聴者に情報提供を募ったお陰で、美緒は助かったのである。メッセージを見た美緒は…。

「莉緒ったら…。じゃあ、遠慮なく出させてもらおうかしら。取り敢えず、お寿司楽しみ!」

 美緒は微笑みながら全員に返信し、自宅へと向かったのだった。


 別の日。グラウンドにて。

「今日はお前達に話さなきゃいけないことがある。いいニュースと悪いニュース、どっちを先に聞きたい?」

 そう言ったのは大谷津学院の数学教師で、野球部顧問の関屋である。関屋は練習前に真樹達部員を集合させ、そう言った。真樹達が悩んでいると、1年生の本郷丈が口を開く。

「じゃ、じゃあ…悪い方から。」

 丈がそう言うと、関屋は重い口を開く。

「春の選抜だが…うちは本出場には選ばれなかった。」

 それを聞いて一瞬空気が凍り付く。伸治と武司は残念そうに言った。

「ええっ?マジかよぉ~!」

「関東大会ベスト8まで行けたから、ワンチャンあると思ったのに。」

 他の部員達も残念そうに肩を落とした。しかし、関屋は話を続ける。

「待て。その後いいニュースもあると言っただろ?本出場は出来なかったが…21世紀枠で出場すると、さっき連絡が入った。3月に甲子園行けるぞ!」

 それを聞いた部員たちは一瞬静まり返る。そして、甲子園に行けるとわかり、一気に喜びを爆発させった。

「「「「「よ、よっしゃー!!!!!」」」」」

 まるでサヨナラホームランを打った後の様に、部員たちはもみくちゃになって喜びを分かち合う。そして、マネージャーの沙崙も涙を流して喜んだ。

「や、やったわぁ!真樹、また甲子園行けるぅ!」

「ああ。当然だ。俺たちはそれだけ頑張って来たと自信を持って言える。」

「夏は色々あったわよね…。あれは酷い、許さないわ!」

「あれだけ逮捕されて、もうあんな馬鹿なことするやつはいないだろ。」

 真樹達は前年の夏に甲子園に出場したが、真樹が甲子園のアイドル投手、京都の洛陽高校エースの三条知明からサヨナラホームランを打ったことがきっかけで、三条ファンの女性たちの怒りが爆発。真樹は空き缶やゴミなどを大量に投げつけられ、試合が中断するほどだった。

「それに、今度は優勝したいしな。」

「だね。勝ち進めば三条君ともまた勝負できるし。」

「そうなることを心から祈ろう。」

 部員たちが喜びに浸っていると、関屋が手を叩きながら言う。

「はいはい!喜ぶのはいいが、決まった以上本気で練習しよう。今日も気合入れていくぞ!」

「「「「「はいっ!!!!!」」」」」

 真樹達は元気よく返事をし、野球部は練習を始めた。


 さらに別の日…。

「おりゃぁ!どきやがれ!」

 ここは都内の高校のサッカー部のグラウンド。ここで、一段と威勢のいい声が響き渡っていた。

「きゃあ、裕也君がボールを取った!」

「行けー、裕也君!」

「そのままゴールよ!」

 そう、大谷津学院で人気No.1のイケメン男子。大和田裕也だ。裕也はサッカー部の練習試合で都内の高校を訪れていたのだが、相手からのボールを奪うと、そのままゴールに突き進む。相手チームのディフェンダーが待ち構えても、いとも簡単にすり抜けていった。

「何っ!」

「お前、ディフェンダー失格だな!下手くそ!」

 相手校のディフェンダーに対し、舌を出しながら盛大に煽り散らかしても、裕也はボールを維持し続けた。そして、ゴールが近づくと、一気に勝負をかけた。

「俺様の得点だ!」

 そう叫びながら裕也はあっさりとゴールを決めた。嬉しくてガッツポーズを決めた裕也は嬉しそうに言った。

「ハーッハハハ!バーカ!俺様に勝とうなんざ、10億年早えーんだよ!」

 その後も裕也はゴールを決め続け、大谷津学院サッカー部は7-0で相手校を圧倒した。

「あー楽勝、楽勝。こんな雑魚。準備運動にもなんねーわ。」

 そう言いながらベンチに引き上げ、帰り支度をする裕也に、わざわざ都内まで駆けつけたファンの女子が駆け寄ってきた。

「裕也君。お疲れ様!」

「すっごくかっこよかった!」

「今度の試合も頑張って!」

 女子たちにそう言われ、悠早嬉しそうに笑いながら言った。

「ありがとう!次の大会じゃ、もっとかっこよく決めて、俺様の名を全国に知らしめてやるぜ!」

 そう高らかに宣言した裕也は、ご機嫌な様子で女子たちと一緒に帰って行った。


 また別の日。気合が入っているのは、運動部だけではない。

「よし。選定はこんなもんか。ちょっと解像度上げた方がいいか?」

 ここは写真部の部室。部室の中では杜夫がパソコンをつかい、次のコンクールに使う写真の選定及び編集をしていた。すると、ドアが開き女子生徒が一人入ってきた。

「早いわね。公津君。」

「おはようございます、木下先輩。」

 眼鏡におさげ、真面目な優等生を絵に描いたような少女だった。彼女は木下希美(きおろしのぞみ)といい、3年生で前写真部の部長である。さらに、もう一人が入ってきた。

「おはようございまーす!あ、公津先輩に木下先輩まで!」

 短髪に細身の少年。彼は小林健太(こばやしけんた)といって、写真部の1年。つまり杜夫の後輩だ。

「もうすぐ本番近いから、今のうちに確認作業したくってね。」

 木下はそう言って自身のデジカメを取り出した。その言葉に杜夫と小林は笑顔で言う。

「あ、そうか!いよいよその時期ですよね!」

「先輩なら大丈夫です!頑張ってください。」

 二人は木下にそう激励の言葉を掛けた。しかし、これから悲劇が怒ることなど、皆知る由もなかった。

こんにちわ。

正月ボケなのか、アイディアに関してはすごく悩みました。

今回も上手く書けるよう頑張りますんで、よろしくお願いします。

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