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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode14 立石美咲の受難
248/333

第243話 とりあえず、試合しよう

こんばんわ。

最近暑すぎて、食欲無いです。

-14:00 東京都葛飾区 新小岩高校-

「先生、お呼びですか?」

「あー、田中。ちょっとお前に頼みたいことがあってな。」

 新小岩高校の職員室にて、中年の男性教師が田中と言う男子生徒を呼び出していた。そして、男性教師は続ける。

「今週の土曜日に練習試合することになった。」

「あー、そうなんですね。相手はどこですか?」

「千葉の大谷津学院だ。」

「去年甲子園出た所ですね。」

「うちも向こうも選抜出場条件は満たしている。今のうちに実戦積んだ方がいいだろ。」

「でも、なんで俺に…?」

「悪い。今日は職員会議で練習遅れるから、練習前にみんなに伝えてほしくてな。あ、試合の場所はうちの専用グラウンドだ。」

「分かりました。伝えときます。」

 田中という生徒は野球部員で、教師は監督だった。真樹の希望通り大谷津学院と練習試合することになり、そのことを引き継いでいたのだが…。

「大谷津学院?美咲のいる所よね…?」

 二人の会話を後ろで聞いていた伊藤が、小さい声でそう呟いたのだった。


-土曜日 10:00 新小岩高校野球部専用グラウンド-

「なぁ、真樹。新小岩と試合して、立石先生の襲撃犯を捕まえる手立てが何でできるんだよ?」

「それは試合が終わったあとだ。先に試合に集中しよう。」

 武司とキャッチボールをしながら真樹はそう言った。練習試合は予定通り組まれ、お互いの部員がそれぞれ試合の準備をしている。

「美緒から、犯人の顔を見た先生のお友達は、この新小岩に勤めてるって聞いたわ。」

「まぁ、それはいいとして、その先生が今日来てるとも限らんだろ。」

 沙崙と伸治がそう言った。それでも真樹は冷静に返す。

「来てなくても、試合終わって相手の誰かから話を聞くことくらいはできるだろ。それはいいとして…。」

 真樹は三塁側のベンチの方を見て言った。

「なぜ来ている?」

「私も被害者よ。有力な情報が得られるなら知る権利はあるわ。」

 観覧席に座る美緒がそう答えた。そして、隣には慶もいる。

「ごめんね。止めたんだけど、行くって聞かなくて。」

 慶が苦笑いしながらそう謝ってきた。美緒は野球部が新小岩高校と試合すると聞き、真樹が伊藤が巻き込まれた経緯を探っていることに気付き、わざわざここまで来ていたのだった。そして、慶は一度美緒を止めたものの、説得できず結局付いてきたのだった。

「まぁ、いいや。もうすぐ試合始まるぞ。」

 真樹がそう言った通り、準備を終えた両部員が一度整列した。そして、関屋と新小岩の監督がオーダー交換をしながら話している。

「いやぁ、うちみたいな少人数の新設野球部の試合をまさか引き受けてくれるなんて。ありがとうございます。」

「いえいえ。そちらは去年甲子園も出て、関東大会も好調じゃないですか。うちもそろそろ試合したかったので助かりました。」

 そう話しながらオーダー交換を終え、守りに着く新小岩ナイン。そして、先攻の大谷津学院は1番打者である武司が打席に入った。

「よっしゃ打つぞー!」

 気合一杯の武司の声が響き渡る。そして、審判が試合開始を告げる。

「プレイボール!」


-2時間後-

「くそぉ、負けた。」

 試合が終わり、伸治が悔しそうな表情でマウンドから帰ってきた。残念ながら大谷津学院は2-5で負けてしまった。伸治は関東こそしたもののホームランを1本打たれるなど5失点。打線も新小岩の強力投手陣から2点を奪うのが精一杯で、この日はあまりいい所が無かった。余談だが、新小岩高校は春夏合わせて7回甲子園に出場しており、地区大会ではほぼ毎回ベスト4以上に残っている強豪である。

「まぁ、気に病むな。うちが選抜選ばれたら、またいいピッチングすればいいだけじゃないか。」

 関屋はそう伸治を慰めた。真樹は何も言ってないが、やはり少し悔しい顔をしている。

「礼!」

「「有難うございました。」」

 両部員が整列、挨拶を済ませ、ベンチに戻ってきた時。

「ねぇ、真樹。その立石先生の友達の先生に話聞くって言ってたけど、どうするの?」

 試合を見ていた慶がそう尋ねてきた。それに美緒も続く。

「そうよ。私はそれが一番知りたかったんだからね。じゃなきゃここまで来た意味ないじゃない。」

 沙崙は少し難しい顔をしながら真樹に言った。

「とりあえず、誰かに聞いた方がいいんじゃない。誰かしら、その先生の事知っているかもよ。」

 それに対し、真樹は渋い顔をしながら頷いた。

「そうだな。ちょっと聞いてくるわ。」

 そうして真樹は相手ベンチの所に向かおうとした時…。

「あ、あの…。」

 横から女性の声でそう聞こえたことに真樹達は気づく。そこには一人の女性が立っていた。

「大谷津学院の方たちですよね。私、ここの英語教師、伊藤葵です。そちらで働いてる立石美咲とは大学の同級生だったんです。」

 伊藤がどこからか現れ、大谷津学院の面々にそう話しかけた。真樹は少しほっとしたような表情で言う。

「来てくれると思いました。少しお話を聞きたくって。」

 こうして、立石を救うべく色々な者が動き出していくのだった。

こんばんわ。

作業がなかなか捗らなくて申し訳ありません。

とりあえず、体調には気を付けます。

次回もお楽しみに!

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― 新着の感想 ―
[一言] どうやらここで伊藤葵という教師と出会うのか。果たして彼女からどのような事実が語られるのか……。次回も楽しみに待っております!
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