第238話 いったい誰なの?
こんばんわ!
久々に投稿します!
事は、昼過ぎの千葉県八千代市内で起こった。大谷津学院バレー部の菅野美緒が試合の帰り途中に書店に向かおうとした時、立石のアパートに差し掛かった時に、ガラスが割れるような音と共に怪しい黒尽くめの人物と遭遇。不審に思った美緒はその人物を問い詰めようとした際、相手が舌打ちしながら美緒に催涙スプレーを噴射。スプレーの直撃を受けた美緒は激痛に悶え、結果黒尽くめの人物を取り逃がしてしまった。
「ゲホっ、ゲホッ…。眼が痛いよぉ…!」
その場に蹲り、視界が完全に遮られてどうすることもできない美緒。そんな時…。
「あれは…菅野さん?」
使用で出かけていた立石が丁度帰宅してきた。そして、その場で苦しむ美緒を見て慌てて駆け寄る。
「え、ちょっと菅野さん?!どうしたのよ?何があったの…?」
「せ、先生?あ、怪しい人物が、先生の家から出てきたので、注意しようと思ったんですけど…。」
「何ですって?!せ、説明は後でいいから、警察呼ばなくっちゃ!」
立石は苦しむ美緒を介抱しながら、警察に通報した。ここ数日、嫌がらせを受けた立石だったが、初めて第三者が被害を受けてしまったのだった。
-30分後 八千代警察署-
「ごめんね、菅野さん。私の問題にあなたまで巻き込んでしまって…。」
「だ、大丈夫です先生!目ももう見えますし、痛みも引きました。」
立石が通報してすぐに警察が到着し、部屋の調査が始まった。その間、立石と美緒は事情聴取の為に警察署に来ていた。その時に医療班によって美緒の目が治療され、ようやく回復してきたのだった。
「なんで…どうして菅野さんまで巻き込むのよ!私に恨みがあるなら、私だけにぶつければいいのに!」
「先生、気にしないでください!悪いのは犯人です!それにしても許さない!あいつのせいで発売日に声優マンスリー買えなかったじゃない!もう怒った!次会ったら細切れにしてやるわ!」
物騒なことを交えながら愚痴を言った美緒。その時、男性刑事がやって来た。
「立石さん、菅野さん。お待たせしました。こちらへどうぞ。」
男性刑事は立石と美緒を空き部屋まで連れて行った。そして、椅子に座らせた後に重い表情で説明が始まる。
「先ほど、鑑識班の調査が終わり、報告も上がりました。それによると、立石さんのベランダの窓が割られ、部屋の壁にスプレーでの汚損、家具などの一部が破損しておりましたが通帳などの貴重品には一切手が付けられておりませんでした。」
刑事の話を聞いて立石は暗い表情でただ頷くことしかできず。どうしたらいいか分からなくなっていた。その後、刑事は美緒に質問する。
「菅野さんだっけ。君は犯人らしき人物を見たらしいけど、覚えている限りの事を教えてくれないかな?」
刑事に言われて美緒は真顔で答えた。
「そうですね…。全身黒尽くめで、帽子をかぶってマスクをしていました。後は…声の感じから多分20代
位の女性だと思います。「立石の犬がっ」って言われました。身長は150㎝くらいで、細身。ごめんなさい。これ位しかわかりません。」
美緒の返答に、男性刑事は頷きながら言った。
「そうか。ありがとう。それをもとにこちらでも本格的に捜査します。お疲れさまでした。気を付けてお帰り下さい。」
こうして、取り調べを終えた立石と美緒の二人は警察署を後にした。その時、美緒が立石に問う。
「先生。相手の言葉から、多分犯人は先生の事知っていると思うんですけど、本当に心当たりがないんですよね。」
「勿論よ。誰だかわかんなくて困ってるのよ。」
「そうですか。でも、私も許しません。私に催涙スプレーかけて、雑誌買いに行くの邪魔した罪は重いわよ!」
「ありがとう。でも、あとは先生で何とかするからもう怒らないで。」
立石は美緒を宥めながら、彼女を勝田台駅まで送り届けたのだった。
-翌日 午前7:00-
「ん、何だよこんな朝から?」
ここは真樹の自宅。練習も試合もなかった為、真樹は寝ていたが突如携帯電話の着信音に叩き起こされた。寝起きでスマホの画面を見ると、着信の相手は慶だった。
「オニィか…。朝から元気だな。」
そう言って真樹は電話に出た。
「もしもし真樹?」
「オニィ、おはよ。何だよ、朝の自主トレならも少し時間をくれ。」
「それどころじゃないんだよ、大変なことが起こったんだよ!」
「何慌ててんだ?」
真樹学部を傾げながら聞くと、切羽詰まった様子で慶が答える。
「昨日、立石先生の家にまた嫌がらせがあったんだって。それで、それを目撃した美緒が犯人から催涙スプレーを掛けられらしいよ!」
「な、何だって?」
突然の事に真樹も一気に目が覚めるくらい驚いていた。そして、この騒動はみるみる大きくなっていくのだった。
こんばんわ。
何とか時間を見つけて投稿できました。
6月初投稿です。
次回もよろしくお願いします。




