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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode14 立石美咲の受難
242/333

第237話 怪しい奴、見つけた!

こんばんわ。

最近また熱くなりましたね。

 真樹の担任教師、立石美咲が連日何者かによって嫌がらせを受け始めて数日が経った。警察も本格的に捜査しているものの、いまだに犯人の見当がつかないまま数日が経過した。当然ながら、同僚の教職員や真樹達生徒も心配しているが、進展がないまま時間だけが過ぎていく。


 この日、野球部の練習にて…。

「あの~湯川先輩。」

 真樹に声を掛けてきたのは後輩の千葉だった。現在、ポジション別の守備練習を行っており、二人とも順番を待っている所だった。

「どうした千葉?」

「立石先生、先輩のクラスの担任ですよね?大丈夫ですか?あの事件のせいか、最近顔が死んでるんですけど…。」

 当然1年生達も立石の事件は知っており、彼女の異変には気づいていた。千葉の質問に真樹も難しい顔で答える。

「平静を装っている様だけど、あれはやばいな。下手すりゃノイローゼになりかねん。」

 真樹がそう答えた後、投球練習を終えた伸治が近づいてきた。

「今日の授業もやばっかったぜ。やつれて幽霊みたいになってたし。」

 伸治も立石の事が心配だった。立石は普段は厳しいが、生徒思いの一面があるので慕う学生も少なくはない。

「どうにかならないもんかね。このままじゃ、学校どころじゃないぞ。」

 真樹の言葉に沙倫も心配そうに言った。

「早く犯人捕まってほしいわ。でも一体どこの誰が…?」

「それが分れば苦労しないんだけどな。」

 沙倫の言葉に真樹が申告の表情で答える。真樹はスッキリしない気分のままだったが、順番が回ってきた守備練習に顔色一つ変えることなく付いた。


 その夜。立石の自宅にて。

「あ~、今日も疲れた。」 

 スーツのまま立石はベッドに倒れこんだ。日ごろの仕事プラス、謎の人物からの嫌がらせのせいで、身も心もすっかり疲れ切っている。

「なんで私、ここまで恨まれてるの?いったい誰なの?」

 そう不満げに呟く立石。そんな立石に一本の電話が鳴った。

「誰…?葵じゃん。」

 大学の同期で先日飲みに行った新小岩高校の英語教師、伊藤葵からの電話だった。勿論すぐに出る。

「もしもし?」

「美咲?!ニュース見たわよ!大丈夫?」

 葵は心配そうに立石に言った。彼女の声を聴いた立石は涙を流しながら話し始める。

「私…私…何でこんなことになってるか分からないの!警察も動いているけど、もうどうしたらいいか…。ううっ…!」

 泣き出す立石に葵は必死に慰めの言葉を送る。

「大丈夫!美咲は何も悪くない!悪いのは犯人よ!」

 葵も立石を心配しつつ、嫌がらせの犯人に怒り心頭だった。そして、慰めの言葉を加える。

「何かあったら、いつでも相談して!もしよかったら、私も美咲の家に泊まって護衛するから!」

「大丈夫。できる限りこっちで何とかするから。心配してくれてありがとう。」

 そう言って立石は電話を切った。そして、ため息交じりに呟く。

「葵にまで心配かけて…何やってんだろ、私…。」

 悲しみの感情の中、疲れ切った立石はシャワーも浴びずそのまま寝落ちしてしまった。


-土曜日 千葉県八千代市内-

「私、ちょっと用あるからここで失礼するわ。」

 そう言ったのは美緒だ。美緒はこの日、バレー部の強化試合で八千代市の勝田台南高校を対戦していた。

 試合に勝利後、現地解散だったが美緒は所用で一人別行動をとっていた。

「フフフ…今日は声優マンスリーの発売日!しかも私の推しがメイン記事!すぐに買わなきゃ!」

 美緒は自身が好きなアニメ、ハイスピードスパイクの主演声優が今月の記事のメインになることを知っており、いち早く最寄りの書店に向かって雑誌の購入を熱望していた。そんな時、彼女はあることに気付く。

「そういえば、この辺って確か立石先生の家の近くだよね。」

 そう、立石は八千代市の勝田台在住で現在美緒が歩いている所のすぐ近くに住んでいる。そして、美緒は事件の事を思い出しながら歩いていた。そして、丁度立石の住んでいるアパートの付近に差し掛かったその時だった。パリーン!

「!!! 何、今の?」

 ガラスが割れるような音に美緒は一瞬驚いた。そして、そこから黒尽くめの人物が出てくるのに出くわした。美緒はすかさずその人物に声を掛ける。

「ちょっと、そこの人。ここ、うちの先生の家なんだけど、何か用でもあるの?」

 そう言った瞬間、怪しい人物は舌打ち交じりに言った。

「ちっ、立石の犬が!!!」

 親しい人物はその瞬間、美緒の顔に何かを吹きかけた。

「きゃあっ!眼が痛いっ!」

 黒尽くめの人物は、美緒の顔面に催涙スプレーを噴射した。美緒が激痛に悶えている隙に、怪しい黒尽くめの人物はあっという間に逃亡した。

「待ちなさい!こんな事、許されないんだかから!」

  美緒の言葉も怪しい人物には届かず、そのまま逃亡されてしまったのだった。

 

こんばんわ。

今回は投稿できましたが、次の投稿の予定は未定です。

それでも、ご愛読いただけたら、幸いです。

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