第231話 1月、始まりと終わり。
こんばんわ。
遅くなりましたが、今月初投稿です。
大野花子に引っ掻き回されながらも、真樹の機転で見事に彼女を撃退することが出来た。その後、新年も無事に迎え、3学期の最初の週を終えた真樹は、夕方自宅でテレビを見ていた。
「さあ、ダイノイドも今日で最終回か。楽しみだな。」
そう言いながらテレビをつける真樹。彼の言う通り、この日はテレビアニメ『機動恐竜ダイノイド』の最終回である。
「智子さんも1年間頑張ったもんな。今じゃすっかり人気声優だけど。」
真樹は以前、野球部の先輩である稲毛秀太の姉で声優の稲毛智子を助けたことがある。真樹の計らいで、アニメ監督の大門龍三郎に智子を紹介したことで、彼女はダイノイドに出演することが出来たのだ。そんなダイノイドは放送後に男女問わず幅広い世代からの人気を獲得し、社会現象ともいえるほどの指示を受けた。多くのファンに惜しまれながらも、この日最終回を迎える。オープニングテーマが流れ、CMを挟んで本編が始まった。因みに最終回のタイトルは、『ダイノイドよ、永遠に!』である。
地球侵略を企む凶悪な軍団、ヘルズメテオと長らく戦ってきたダイノイドと京太郎たち。しかし、前回のラストに出てきたヘルズメテオの首領、ダークコスモスにダイノイドたちは大苦戦を強いられていた。
『ワーッハッハッハ。そんなものか、恐竜共!これで、地球は私の物だ!』
大笑いするダークコスモスに、京太郎少年が叫ぶ。
「みんな、負けちゃだめだよ!合体だ!」
そう言ってダイノイド達は傷だらけになりながらも立ち上がった。
「そうだ、俺たちは…こんなところで負けてはいけない!」
と言ったのはティラノサウルスの力を持つ赤いボディーのティラノイド。
「ヘルズメテオ…お前たちは…絶対に僕たちが倒す!」
青いボディーでスピノサウルスの力を持つスピノイドもそう言いながら立ち上がった。
「ウウォーッス!自分も負けないっス!お前をぶっ倒すっス!」
暑苦しい叫びをあげたのは、黄色いボディでイグアノドンの力を持つイグアノイドだ。
「私も…負けない!あんたなんかに、大事な地球を絶対渡さないわ!」
そう力強く言ったのは、緑色のボディーでデリジノサウルスの力を持つデリジノイド。因みに、智子が演じているのはこのキャラである。
「僕だって、僕だって大好きな地球、そして大好きな人たちを守りたいんだ!」
そう叫んだのは紫色のボディーでプテラノドンの力を持つプテラノイド。このキャラは、第20話から加入した追加キャラである。
『お前たちがいくら悪足掻きしても、この私を倒すのは不可能だ!死ね、ダイノイド!』
ダークコスモスはダイノイド達に攻撃を仕掛けようとしたが、5体のダイノイドは諦めない。
「「「「「五体合体、ハイパーゴッドザウラー!」」」」」
5体のダイノイド達はそう叫ぶと、体を変形させて1体の巨大ロボットの合体した。因みに、最初は4体で合体するゴッドザウラーだったが、プテラノイドが加入後は飛行能力を得たハイパーゴッドザウラーとして戦っている。無論、合体に一人増えた分、戦闘力も大幅に向上している。
『フン、今更そんな攻撃通用するか。死ねぇぇ!』
ダークコスモスはハイパーゴッドザウラーに攻撃を仕掛ける。しかし、京太郎がダイノイド達に叫んだ。
「みんな、今だよ!最強の必殺技を使うんだ!」
彼の叫びがハイパーゴッドザウラーに届く。
「「「「「究極必殺技、アルティメットダイナソーアターック!!!!!」」」」
ハイパーゴッドザウラーはそう叫ぶと、全身が光り輝き、両腕、胸、両足から物凄い威力のビームを放つ。そして、ダークコスモスのビームを弾き飛ばし、相手は一瞬で光に包まれてしまった。
「ぐわぁぁぁぁ、地、地球が欲しかったぁー!」
ダークコスモスはそう叫ぶと、一瞬で跡形もなく燃えて消えてしまった。
「やったぁ!みんなの勝利だ!」
京太郎がそう叫ぶと、ダイノイド達も嬉しそうだった。
「ああ、俺たちの勝利だ。」
「長かったですね…。」
「ウウォーッス!ハッピーエンドっす!」
「諦めなくてよかったわ。正義が勝つのよ!」
「本当に、みんなを信じてよかった!」
そうして、平和を取り戻したダイノイド達は福井にある基地へ戻って行った。その後、戦いを終えたダイノイド達は、恐竜公園に配属され、地域の人たちと交流を続け、地球はすっかり平和になって物語を終えたのだった。
「終わっちゃった。寂しいけど面白かったな。」
エンディングテーマが流れ、新番組の告知を見た後に真樹は感慨深そうにそう言った。因みに、本来ダイノイドの最終回は12月末の予定だったが、年末年始の緊急特番を優先させた結果、年明けまで延期されてしまった。しかし、それでも無事に最終回を迎えられたので文句を言うファンはいないと思われる。
「智子さん含め、他のダイノイドの声優さんもみんな今売れてるからな。」
真樹の言う通り、ダイノイドの声優たちはあまり売れてない無名の者ばかりだったが、この作品での活躍が評価されて、現在は全員が他作品に引っ張りだこになっている状態である。
「新年になったし、俺も頑張らないとな。」
真樹はテレビを消して立ち上がり、今年も頑張ろうと決意したのだった。
こんばんわ。
今回は前哨戦みたいな物なので、以前のエピソードで書いた劇中劇を登場させました。
次回から、本格的に物語が動くので、よろしくお願いします。




