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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode13 食い尽くされる?冬休み
226/333

第221話 仕返しの下拵え

こんにちわ。

今年ももうすぐ終わりですね。

 大谷津学院は今、終業式前のテスト休み期間中だが大波乱が起きている。1年の大野花子が様々なところに現れて、食べ物を食い尽くすということをやらかしていたからだ。はじめは宮下や大神と言った1年女子たちが被害者だったが、先日は登戸の誕生日会をぶち壊し、2年である美緒や沙倫まで被害に遭ってしまった。それを聞いた真樹は今、大野に一泡吹かせる準備をしているのだった。


「着いたぞ。来たのは久々だな。」

 時刻は午前11:00。真樹はそう言って電車を降りた。彼が来たのは上野駅であった。更に真樹に続いて二人降りてくる。

「やっぱり冬休み期間だから混んでるね。」

「仕方ないわよ。とりあえず、早くいきましょう。」

 慶と沙倫である。二人とも以前大野に昼食を強奪されたことがあった。二人は改札を出ると、少し歩き目的地へ向かった。

「ここなら何でもある。探し放題だ。」

 真樹は微笑みながらそう言った。彼らがやってきたのは上野のと言ったらまず皆が思い浮かぶであろう場所、アメ横商店街である。

「おお、賑わってる!美味しそうなものもいっぱいあるし!」

「台湾の夜市みたいね!好きよ、こういう雰囲気!」

 慶と沙倫は以前大野の被害に遭ったばかりだが、今はすっかり観光客気分だ。真樹達は年末で混雑する商店街の中に入り、買い込みをすることにした。

「え~っと、まずは…。あったあった、あれを買うぞ!」

 真樹は海外雑貨屋を見つけると、何かを見つけてそれを買った。

「よーし、次!」

 真樹はそう言って再び慶と沙倫を連れて歩き出す。1時間以上かけて10店ほど回ったのだが、買ったものの量は当然だがかなりの数になった。

「はぁ~。疲れた。真樹、僕お腹減ったよぉ!」

 袋をいっぱい持った慶が真樹にそう泣きついた。真樹はそんな慶に対し、真顔で返す。

「わ、分かったよオニィ。カレーでも食いに行くか。」

 真樹はそう言って二人と一緒にカレー屋に入り、昼食をとることにした。そして、全員分のカレーが運ばれてきたのだが、以前被害に遭った慶と沙倫は大野がいないか警戒するようにあたりを見回した。

「安心しろ。大野がいないのはもう確認済みだ。食おうぜ。」

 真樹がそう言うと、二人は安心した様子でカレーを食べはじめた。食べるのが大好きな慶は満面の笑みを浮かべながらカレーを食す。

「美味しい!横取りされずに食べきれるなんて幸せだ!」

 慶は嬉しそうにそう言った。そして、沙倫の方は真樹に疑問を投げかける。

「でもさ、本当にこの作戦上手くいくの?大野さんが誘いに乗ってこない可能性もあるんじゃない?」

 そんな彼女の問いに、真樹は冷静に返した。

「大丈夫だ。何せ、誘いに乗せるよう手配はしておいたからな。」

 そう言いながら真樹も自分のカレーを食べ、食べ終えた後は3人で大荷物を抱えて千葉に帰っていったのだった。


 一方その頃、大神は休み期間中の吹奏楽部の練習に参加していた。午前の個人練習が終わった後、昼休憩をはさんで全体練習がある。お昼時、彼女は一緒に甲子園に行った津田達と机を囲んで昼食をとっていた。そんな時、一人が大神に聞いた。

「そういえば、愛。登戸君の誕生日会どうだった?」

 その言葉に大神は表情を曇らせ、愚痴をこぼし始めた。

「最悪よ。せっかくみんなで準備したのに、大野さんが勝手に上がり込んでケーキをホールごと強奪したのよ!あり得ないわ!その後、湯川先輩の家でやり直せたからよかったけど。」

 それを聞いた津田達は全員ドン引いている。

「何なの、大野さん?!」

「最低。」

「この前は菅野先輩と陳先輩も被害に遭ったみたいよ。」

「お仕置きね。」

 文句を言う吹奏楽部1年達。しかし、大野は表情を真顔に戻していった。

「大丈夫よ。これから大野さんに仕返しするから。」

「どうやって?」

 津田が聞くと大神はスマホを取り出した。

「大野さんの性質を逆手に取らせてもらうわ。」

 そう言うと大野はスマホに何かを入力し始めたのだった。

こんにちわ。

今年の投稿は来週で最後になります。

よろしくお願いいたします。

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