第207話 真樹の撒き餌作戦?
こんにちわ!
今月初投稿です。
詐欺グループの手が真樹にまで伸びている中、当の本人は野球部の練習に参加していた。しかし、母親が騙されて100万円取られている伸治はまだ引きずっており、練習にも身が入っていないようだった。武司や沙崙も心配する中、そのまま練習は終了。部員たちは帰宅していたのだが…。
「ん?お、来たか。」
成田駅で帰りの電車を待っていた真樹に一本の電話が入る。真樹は周囲に学校関係者がいないのを確認してから電話に出た。
「もしもし…。」
「私よ、爺さん!あんた、私達に払う金できたんでしょうね?」
掛けてきたのはあの詐欺師だった。真樹は先日と同じように正三の物真似をしながら話を続ける。
「も、勿論じゃ!だからあの子を許してやってくれ。」
「それは100万円受け取ってから考えるわ!」
そう言う詐欺師。ここで一つ疑問が残る。詐欺グループは真樹の自宅の番号までは特定したが、携帯電話の番号まではわかっていない。それなのに、なぜ真樹の携帯に詐欺グループから電話がかかってきたのかというと、彼は正三達に被害が出ないように非通知、もしくは電話帳未登録番号を自分の携帯に転送するように設定していたのだった。今回祖父母は留守にしているが、真樹が転送できるようにしたおかけでこうしてすぐに対応できている。
「うう…あの子が助かるためなら…。」
「ハハハッ、あんな孫持ってあんたも不幸な奴ね!」
勝ち誇ったかの様に言い放つ女詐欺師。その時、真樹がとんでも無い事を言い出した。
「ワシからも一つお願いがあるんじゃが…。」
「何よ?」
「ワシらも今後の生活がある。しかし、孫がやった事は許せることでは無い。なので、300万出そう。」
「はぁ?」
詐欺師は驚きのあまりそう叫んだ。
「その代わり、そちらも100万円出してくれないか。そうすればワシの孫をそちらに差し出して、思う存分責めるが良い。」
これは真樹のカケでもあった。しかし、あまりにも無茶苦茶な提案の為、相手が怪しんで逃げないか内心ヒヤヒヤしていたが…。
「分かったわ!じゃあ、それで許してあげる。」
「かたじけない。」
そう言って真樹は電話を切った。
「フフフ、大博打だったけど、本当に乗ってくるとはな。上手くいきそうだ。」
不敵な笑みを浮かべて真樹は帰りの電車に乗り込んだ。
一方詐欺グループはというと。
「ねぇ、何であんなバカな提案に乗ったの?」
「そうよ。こっちもお金払うじゃない!」
しかし、電話をした詐欺師の少女は言った。
「そうだけど、結果的にこっちが受け取る予定だった額の倍もらえるし、それにあんたが目の敵にしてる湯川って奴も差し出してもらえるのよ。良かったじゃない。」
そう言われて、黙り込む2人。でも、少し考えてからまた笑顔になる。
「それもそうね。」
「また稼げばいいし!」
呑気な事を言っている彼女達だったが、既に真樹のトラップにはまり込んでいる事に気づいていなかった。
こんにちわ!
真樹がとんでもない事を言ってましたが、果たして作戦の詳細は?
次回もお楽しみに!




