第180話 帰ってきた真樹
こんにちわ!
段々暑くなってきましたね!
クラゲに刺され、入院していた真樹は辛うじて一命を取り留めて無事に退院した。その後、警察と一緒に証拠集めを終えた真樹は那覇空港から成田行きの便に乗り、千葉に帰ってきた。
「やっと着いた。」
成田空港第一ターミナルの国内線到着ロビーに着いた真樹。すると、祖父母である正三と多恵が心配そうな顔で駆け寄ってきた。
「真樹!」
「大丈夫だったのかい?」
二人共気が気でない表情で真樹に尋ねたが、真樹は微笑みながら言った。
「爺ちゃん、婆ちゃん。心配かけてごめん。でも大丈夫だよ!心配ない!」
その言葉を聞いて正三と多恵は安心した。
「よ、良かった!爺ちゃん心配で死ぬかと思ったわい!」
「本当よ!これであんたに何かあったら、死んだお父さんに何て顔向けしたらいいか…。」
2人は立石から報告を受けた時、心臓がひっくり返るような思いだった。そんな二人に真樹は再び笑みを浮かべながら言った。
「本当にもう大丈夫だから。さぁ、帰ろう。色々あり過ぎてもう疲れたわ!」
こうして3人は成田空港を後にし、家に帰っていったのだった。
翌日。
「あ、オニィ!杜夫!こっちこっち!」
天気の良い午前中の成田駅。真樹は待ち合わせていた慶と杜夫を見かけ、手を降った。この日は休校日である。
「真樹!お帰り!本当に無事で良かったよ!」
「おお、帰ってきたか!お前なら大丈夫と俺は信じていたよ!」
「当たり前だ!取り敢えず行こう!」
真樹がそう言って、3人は歩き出す。向かったのはカラオケボックスだった。退院祝にカラオケを楽しもうっていうのもあるが、その前に秘密の話をするのが本題である。椅子に着くなり真樹は話を切り出した。
「杜夫、お前がくれた映像を警察に提出した。タクシー運転手にも事情聴取したし、あいつらが犯人だって暴かれるのも時間の問題だろう。」
「ホントか?!役に立てて何よりだ!あの女子共め…覚悟してろよ!」
杜夫は目を釣り上げながらそう言った。そして、慶の方も溜息混じりに話し始めた。
「帰る時も最悪だったよ。大和田君たちは飛行機に乗る前から大声で文句ばかり言うし、空港の職員さんや飛行機の乗務員さんたちに悪態つくし。あっちは真樹のせいで修学旅行が台無しになったって言ってたけど、台無しにしたのはそっちだからね!」
慶はプリプリ怒りながらそう言った。そして、真樹の方からも説明が始まる。
「警察にも見てもらったが、俺の鞄にクラゲを入れたのはほぼ9割、杜夫のカメラに映ってたあいつ等で間違いないだろう。あと、クラゲを入れていたであろう瓶は海に捨ててない可能性が高いから、それもそろそろ見つかるはず。もう少しで、俺の勝ちは確定だな。まぁ、負ける訳が無いけど。」
その言葉を聞いた慶と杜夫も勝ち誇った様に言った。
「当たり前だよ!真樹は悪くないのに、泣き寝入りするなんて許されないよ!もう、許さないから!」
「修学旅行を台無しにした代償は高く付くぜ!デカイ顔してられるのも今のうちだ!」
そんなこんなで秘密の話を済ませた3人は、その後のカラオケを楽しんだのだった。
一方、こちらは宜野湾市。真樹がクラゲに刺された海岸では捜査が行われていたのだが…。
「ん?何かを埋めた後だ。」
海岸近くの草むらで、警官の一人が物を埋めた様な痕跡を見つけた。掘り起こしてみると、透明なガラス瓶を見つけた。
「新垣さん!クラゲを入れていたと思われる瓶を見つけました!」
「よし!その瓶を鑑識にかけろ。指紋の採取も忘れずにな!」
新垣の指示で瓶は警察に持ち帰られ、鑑識に掛けられることに。数時間後、鑑定結果が出た。新垣は鑑定員に尋ねる。
「いかがでしたか?」
「取り敢えず、僅かですが瓶の内部にはハブクラゲの刺砲細胞が残されていました。あの瓶にクラゲが入れられていたのは間違いないですね。」
「そうでしたか。」
結果を聞いて安心した新垣。それからすぐに別の警官がやってきた。
「新垣さん。瓶に付着していた4種類の指紋と、大谷津学院が宿泊していたホテルの一室にあった指紋が4人分一致しました!部屋の宿泊者の確認を取れば犯人を特定できます!」
「了解!速やかに頼む!それが終わったら千葉県警に連絡だ!」
次々と暴かれる真実。彼女たちは知らない所で徐々に追い詰められていたのだった。
こんにちわ!
さぁ、物語も終盤です!
真樹達の逆転劇はあるのか?
次回もお楽しみに!




