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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode10 死の修学旅行
164/333

第161話 首里を見回ろう

こんにちわ!

今月最後の投稿です!

 真樹達は無事に那覇空港に到着した。大谷津学院一同は飛行機を降り、預け荷物を受け取った後に到着ロビーに集合した。そして、各クラスが揃った所で那覇まで同行していたツアーガイドの鈴木から説明があった。

「皆さん!お疲れ様です!私のアテンドはここまでですが、那覇からはこちらの玉城たまぐすくさんにバトンタッチいたします。玉城さん、よろしくお願いします。」

 鈴木がそう言うと、横にいた女性ガイドが説明を始めた。

「大谷津学院の皆さん、始めまして。本日より皆さんのガイドを担当する、玉城由美です。皆さんはこれからバスに乗り、首里城公園に移動します。忘れ物が無いように気をつけてね下さい。それでは、バスへどうぞ。」

 玉城にそう言われ、真樹達はぞろぞろととバスに移動した。その途中、真樹の隣にいた慶が伸びをしながら言った。

「ふぁぁ…飛行機とか久々で肩凝った。真樹、僕お腹空いた…。」

「機内食出ないからな。」

「ソーキそばも食べたいけど、気分的にはタコライスだな!」

「オニィ、飯のことばかりじゃん。」

 真樹は笑いながら慶にそう言った。そして、各クラス全員がバスに乗り、首里城公園へと向かうことになった。

「よっしゃー、来たぜ沖縄!テンションMAXだ!」

「さっきまでのヘロヘロ感はどうしたんだよ、杜夫?」

 機内では眠そうにしていた杜夫だったが、バスに乗る頃にはすっかり元気を取り戻していた。

「飛行機で爆睡したから、もう大丈夫だ!それより真樹、向こう付いたらアイス食おう!」

「アイス屋あんのか、あの辺?」

 そんなやり取りがあった中、バスは首里城公園に無事到着した。そして、バスを降りて案内所の前に大谷津学院一同が集められ、玉城から説明がある。

「皆さん、お待たせしました!ここが首里城公園です。それでは今から自由行動ですが、修繕中の正殿周辺には入らないでください!」

 説明後、各生徒達は散り散りに公園内を回ることになったのだが…。

「っしゃー!沖縄来た!映える写真撮って、投稿しまくる!」

 学校一のイケメン、大和田裕也は真っ先に何処かへ飛び出して行った。そして、その後を彼の親衛隊の女子生徒が付いていく。

「待ってー、裕也くん!」

「私も行くー!」

「裕也くんと一緒に回りたい!」

 班行動では無かった為、女子の殆どは裕也についていってしまった。そして、まだ残っていた真樹達に、立石が苦笑いしながら言った。

「ゆ、湯川君達も気をつけてね。集合時間はちゃんと守るように!」

「わ、わかりました。」

 真樹はそう言うと、入口から持ってきたマップを開いて公園内を調べ始めた。そんな中、一際テンションが高かったのは慶と沙崙である。

「いやー、暑いね!やっぱり千葉とは全然違う!トロピカルな感じ!」

「うんうん!気候もそうだけど、昔の建物がある所とか台南に似てるわ!親近感湧いちゃう!」

 そして、それは武史と伸二も同じだった。

「なんか、いざ来るとテンション上がるな!ワクワクしてきたぜ!」

「ああ。甲子園行った時とはまた違う。とにかく楽しもうや!」

 そう言うと、一同は歩き始めた。そして、最初に守礼門に到着した。

「見て見て、真樹!真っ赤よ!なんか台湾っぽい!」

 何故か沙崙が大はしゃぎして真樹の腕を掴みながらそう言った。真樹は苦笑いしながら聞く。

「どうした?隋分はしゃいでるが?」

「いやー、なんか沖縄来たって感じもするし、台南に帰って来た感じもする!とにかく、気分上々なのよ!」

 その様子を見て、美緒も苦笑いしていた。

「もう、沙崙ったら。入り口でこんなにはしゃいでたら、その後はどうなるのよ。まぁ、いいわ!せっかくだし、みんなで写真撮りましょう。公津君、カメラは?」

「勿論、バッチリだぜ!」

「了解!すみませーん、写真お願いしまーす!」

 美緒は案内所に残っていた玉城に写真をお願いした。杜夫もカメラを玉城に渡し、全員が門の下に並ぶ。

「じゃあ取りますよー!ハイチーズ!」

 無事に写真を取り終えて、美緒は玉城に礼を言う。

「ありがとうございました!」

「いえいえ、楽しんでね!」

「ほら!湯川君もみんなも、お礼言いなさい!」

「「「ありがとうございました!」」」

 真樹達は礼を言うと更に奥へ進み、木曳門をくぐって西のアザナに来た。

「うわー!すごーい!街が全部見える!」

 慶がウキウキな様子でそう言った。ここは那覇の街を一望でき、観光客の人気スポットの一つである。更に、この日の那覇は快晴で海の色も美しく、それを見た伸治が笑顔で真樹に話し掛けた。

「うおー、海メッチャ綺麗!泳ぎてー!真樹、海行ったら競争しようぜ!」

「3日目に行くけどな。つーか、海水浴でガチ泳ぎするやつがあるか。」

 真樹は笑いながらそう突っ込んだ。そして、杜夫は夢中でカメラを構えながら写真を撮っている。

「これはいいな!よし、うまく撮れた!これなら写真部のみんなも喜ぶぞー!」

 各人、初めての沖縄にテンションが上がっているようだった。真樹も景色を眺めていると、慶が肩を組んできた。

「何黄昏てんの、真樹!写真撮ろ!ほら!笑顔、笑顔!」

「ああ。」

 那覇の街と海をバックに、慶は真樹とツーショット写真をスマホで撮った。

「フフフ、いいね!これぞ沖縄って感じ!」

「初日から、メッチャハイテンションじゃん!」

「だって沖縄だよ!テンションが上がらないわけが無いよ!」

 慶はどんどんご機嫌になっていた。

「それにしても、すごいわね。もう秋も終わるって時期なのに、まだセミが鳴いているなんて。」

 美緒はそう言った。本土では大体9月ぐらいまでセミの鳴き声が聞けるが、沖縄では11月でもセミの声が聞ける。そんな時、背後から沙崙が美緒に言った。

「美緒、今から数秒間は絶対に動かないで。」

「えっ?まぁ、いいわよ。」

 美緒は言われた通り、その場から動かなかった。そして数秒後、沙崙と更に武史も現れた。何故か二人共笑いを堪えた状態で。

「結局何だったの、二人共?ってゆうか何で笑ってんのよ?」

 美緒が聞くと、武史が笑いながら答えた。

「ププッ…!だって…菅野の背中に…ププッ!とにかくこれ見ろ!」

 武史がスマホの画面を見せる。そこには美緒の背中にセミが止まっているのが写っていた。驚いた美緒は慌ててブレザーを脱ぐと、よほど居心地がいいのか、セミはまだ止まっている。

「なっ!いつの間に!」

 驚く美緒を見て、真樹達も集まってきた。

「何だ?セミじゃねぇか。沖縄じゃこの時期にもいるんだな。でも、菅野の背中で鳴くとは趣味が悪い。」

 真崎が真顔でそう言った。更に慶と杜夫まで…。

「すごい!見たこと無いセミだ!にしても何で美緒に止まったんだろう?」

「菅野、そのまま!セミの写真取りたい!」

 そんな各人の言葉を尻目に、美緒は顔を真っ赤にしながらセミを掴むと、茂みの方へ放り投げた。そして、セミはそのまま何処かへ飛んでいってしまった。

「もう!私は木じゃないわよ!隋分失礼なセミね!」

 プリプリ怒りながらそう言った美緒。その後、少し時間が経ったところで一同は移動した。そして、かつて正殿があった場所を通りかかった。

「ここに前は正殿があったのか。火事のニュース見た時はびっくりしたぞ。」

「僕もだよ。早く元通りになるといいね。」

 真樹と慶はそう言った。以前首里の顔とも言える首里城正殿で火災があり、いくつかの建物が焼失してしまった。現在も懸命に復旧作業が続けられている。

「みんな、ここは沖縄のシンボルの一つよ。一日でも早い復旧を願いましょう!」

 美緒はそう言うと、合掌して目を閉じた。それを見て、真樹や慶達も皆合掌して復旧を願った。その後、真樹達は首里城公園の中を色々と回り、あっという間に時間が経ってしまった。

こんにちわ!

真樹達、沖縄を楽しんでいるようで何よりです。

このまま楽しい修学旅行になるのでしょうか?

次回もお楽しみに!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 前話で飛行機搭乗する邪魔をされなかったとか、到着後も現状とくに何も起きてないこと。 そして連中がキチガイレベルに横暴にも関わらず何も起きてないこと。 タイトルといい、火サスかホッケー…
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