第154話 楽しい思い出?
こんにちわ!
今月初投稿です。
姫宮の卑劣な策略にも負けず、慶は順位の繰り上げもあって一位通過で全国選抜に進出した。そして、静岡で行われた大会本番では400mで優勝。緊張や疲労もあったものの、他の出場種目でも全て4位以内に入る等大活躍。団体競技である400mリレーでもアンカーを務めチームを2位に導き、学校の過去最高記録樹立に貢献した。因みに、一方の姫宮はと言うと、逮捕後に無論退学となり、更に辞退を重く見た学校も陸上部を半年間の活動禁止にし、彼女の悪行を見逃していた陸上部顧問や担任教師までも責任をとって辞任する事になった。こうして色々あったものの事件は解決。慶の活躍も全国区となって今年の陸上大会は幕を閉じた。
大会が終わり、慶は静岡から千葉に帰ってきた。そして、月曜日の朝にいつも通り改札で真樹と合流する。
「おはよう、真樹!」
「おう、おはようオニィ!そして、おめでとう!400m優勝じゃねぇか!」
「ありがとう!でも、他は悔しい部分もあったから、来年はもっと頑張んなきゃ!」
「まぁ、オニィなら何とかなるっしょ!」
そんな話をしながら学校に到着。すると、2人が上履きを取ったところで後ろから話しかけられた。
「おいおい、繰り上げ1位で全国行ったやつが帰ってきてんじゃん。」
挑発的な言い草。振り返ると学校1のイケメン、大和田裕也が複数の女子に囲まれた状態で立っていた。裕也は更に続ける。
「ニュース見たぜ。天才美女ランナーの姫宮真依の逮捕・失格と引き換えにお前が全国行ったらしいな。ほんとクソ!あの娘は俺と同じ、華もあるし、将来の日本の英雄になるつもりだったのに、お前みたいな華も可愛げも無いやつが活躍したって、損にしかならないんだよ!このクズが!」
「そーだ、そーだ!」
「裕也くんの言う通りよ!」
「前から思ってたけど、鬼越さんって生意気!」
随分自分勝手な事を言う裕也達。慶は何かを言おうとしたが、真樹が静止し、裕也の前に出て反論した。
「どういうつもりだ?大和田。正々堂々と戦ったオニィが悪で、汚い手を使って犯罪までしていた姫宮が正義とか、お前頭大丈夫か?」
「ハッ!嫌われ者が何言ってんだか!世の中、金と容姿と権力あれば、何やっても思い通り揉み消せるんだよ!悪を揉み消して自分の思い通りに出来る奴こそ、真の強者!正義なんだよ!俺みたいにな!」
「流石裕也くん!」
「カッコいい!」
「裕也くんなら何しても許されるわ!」
真樹は裕也の考えに全く付いてこれなくなった。そして、頭を抱えながらため息をついたよ。
「はぁ…すまん。俺やっぱりお前の事理解できないし、嫌い。行こう、オニィ。」
「う、うん。」
二人は呆れた様子で教室に向かって行ったのだった。
そして、真樹達は教室に入り、立石が教壇に立ってホームルームが始まった。
「えー、みんなおはよう。早速たけど、もうすぐ修学旅行です。関係書類配るから回して。」
そう言って立石はプリントを真樹達に配り始める。そう、大谷津学院の2年生は修学旅行を控えていたのだ。行き先は沖縄本島で4泊5日の予定である。配られたプリントには、当日の集合時間や場所、持ち物や禁止事項などが書かれている。
「話し合う時間は明日から少しずつ作っていくわ。それと、体調気を付けて皆で楽しく参加できる事を祈っています。以上。」
立石はそれだけ言うとホームルームを終わらせ、職員室に戻っていった。
その後、午前中の授業が終わり、お昼休憩になった。真樹は慶、杜夫、沙崙、美緒と共に昼食を取っている。
「はぁ…沖縄かぁ!楽しみたな!美味いソーキそば食べ歩きしたい!」
「もう、公津くんったら。グルメツアーじゃ無いのよ!」
杜夫がそう言うと、美緒が呆れながらため息をついた。そして、沙崙もワクワクした表情で話し始めた。
「台湾から沖縄って近いけど、私初めて行くの!向こうでも旅行の広告とかで沖縄の写真使われてるけど、海が綺麗みたいね!泳ぎたい!」
その言葉にノリノリで反応したのが慶はだった。
「いいね!僕も泳ぎたい!ビーチバレーやビーチフラッグスやろ!」
みんな修学旅行を今か今かと楽しみにしていた。因みに、元国際科であるDクラスは、海外への修学旅行が沙崙へのいじめ問題で中止になり、更に担任である金町の解雇や関わった生徒への処分に追われ、普通科の修学旅行への追加手続きが間に合わず、今回は不参加。通常通り授業になった。
「まぁ、俺も参加するからには楽しい思い出を残したい。向こうで怪我とか病気にならないように気をつけないとな。」
真樹は冷静にそう言った。その後、5人は修学旅行への期待を楽しく話しながらお昼を過ごしたのだった。
こんにちわ!
少し事情があり、9月初投稿が遅くなってしまい、申し訳ありません。
今回から新章、修学旅行編です。
久々に出て来た裕也の出番も増やす予定ですので、ご期待下さい!




