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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode9 慶と宿敵
151/333

第148話 覚悟の戦い

こんにちわ!

久々に投稿します!

 この日は、高校陸上選手権の関東予選初日である。各都県の予選を勝ち抜いた学校が集まり、全国大会に進出する学校を決めるのだ。大会はこの日と翌日の2日間を費やして行い、競技別に表彰及び全国大会出場者を選定する。慶はここの所続く不吉な事件で一時は大会を棄権しょうかと考えていたが、両親や真樹達に励まされ、今はもうそのような考えは無い。

「僕は勝つんだ!励ましてくれたみんなの為にも負ける訳にはいかない!」

 開催地である千葉市内のスポーツセンターに到着した慶は、他の部員や顧問の芝山千代子と共に気合一杯で入り口を目指して歩いている。その途中で、ある少女と目があった。

「あっ。」

「…?鬼越?」

 慶の目線の先には、春日部学院の真黒いユニフォームを来た少女、姫宮真依が他の部員たちから少し離れた距離でアップをしている所だった。目が合い、互いに牽制するかの様ににらみ合う両者。心の中ではこう思っていた。

(姫宮さん。例え今までの事か君の仕業であろうとなかろうと、僕は君にだけは負けない!絶対勝って、僕の選択が正しいって事を証明してあげるよ!)

(チッ。鬼越の奴、来やがったか。まぁ、いいわ。今日であんたの陸上人生は終わり。徹底的に叩きのめして、私に楯突いた事を後悔させてあげるんだから。)

 両者、心の中でそれぞれの思いを言った後、特に言葉を交わす事なく、そのまま距離を離していった。


 一方その頃、ある人物が慶が出場する陸上の関東予選の会場に向かっていた。

「ふぅ、やっとついた。」

 軽く汗を拭いながらそう言ったのは杜夫だった。杜夫はTシャツとジーパン姿でカメラを所持している。

「取り敢えず、鬼越の応援兼姫宮の監視って事でここまで来たけど、正直何も起こらない事を願うよ。」

 杜夫は複雑な表情でそう言った。今回、クラスメートである慶が不可解な事故に巻き込まれたが、それが人為的な物で、しかも逮捕者まで出ているとなれば、不安になるのも当然である。

「しかも、1人逃げたままだもんな。もしかしたらここに現れるかもって真樹言ってたし。怖いな。」

 もし、逃げた犯人グループの一人が会場に現れ、慶を助けようとしているとバレたら何をされるか分からない。そう不安になったが、杜夫の心は既に決まっている。

「いや、いいんだ!いざって時には、俺のカメラで証拠を撮って、全て暴き切ってやる。とにかく、頑張れよ、鬼越!」

 杜夫はそう言って客席の方へ向かって行ったのだった。


 そして、真樹はというとまだ大谷津学院のグラウンドで野球部の練習に励んでいた。現在行われているのはフリーバッティングで、打席に入った真樹は出だしからフルスイングを繰り返し、いい当たりを連発していた。

「おりゃー!」

 次の球も、真樹の雄叫びと共に、外野の奥の方へ瞬く間に飛んで行き、完全に長打コースだった。

「うわぁ…今日の湯川先輩なんか怖い。」

 打撃投手を努めていた1年の検見川が啞然としている中、真樹は最後までフルスイングでかっ飛ばしまくったのだった。

「ありがとうございました!」

 礼を言い、ベンチに戻ってきた真樹に沙崙が話しかけてきた。

「真樹、随分気合入ってるじゃない。これなら秋予選はクリーンアップね!」

「そいつはどーも。まぁ、オニィが大変な中頑張ってると思うと、結構気合入ったかな。」

「そうよね。慶、頑張って欲しいな。あんな事に負けないで欲しい。」

 沙崙もやはり、慶が心配だった。そして、話を聞いてい伸二と武史も頷きながら言った。

「その大会中に、姫宮がボロを出して、全てが終わればいいんだけどな。」

「全くだ。つーか、本当に無事で終わるのか怪しく思えてきたよ、俺は。」

 2人の言葉に、真樹が落ち着いた様子で言った。

「まぁ、いざって時の為に杜夫に監視を頼んたからな。何かあっても言い逃れ出来ないようにしてやるぜ。」

 そうきっぱり言い切った真樹。その後もしっかりと練習メニューをこなし、土曜の朝練を終えたのだった。


 そして、陸上の関東予選の会場では大会本番が迫っている中、姫宮が一人で競技場内のトイレにいた。洗面台で手を洗い、ハンカチで拭いたタイミングでスマホが鳴る。画面を開くとメッセージが1通届いていた。

『ついたわよ!』

 相手はいつもつるんでいた、姫宮の中学時代のヤンチャ仲間…慶の母である悠の暴行事件の際、1人逃げ切った少女からだった。そのメッセージを見た時、姫宮は笑みを浮かべる。

「来たわね。」

 そう言って、すぐにメッセージに返信する。

『オッケー!鬼越が一人になった隙きを見て、後は自由にやっちゃっていいから!あいつが陸上出来なくなれば、文句はないかし。』

 そう返信した姫宮は、更に不気味な笑みを浮かべて言った。

「フフフ、見てなさい鬼越慶。あんたをここで地獄に落としてやる!」

 そんな邪悪な思いを抱きながら、姫宮はトイレを出てグラウンドの方へ向かったのだった。

こんにちわ!

暑さで参りそうな中、今日投稿できてよかったです。

果して慶は無事ですむのか?

次回をお楽しみに!

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