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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode8 大波乱の甲子園
125/333

番外編 応援する者

おはようございます。

今回は初めての番外編です。

 春夏通じて初の甲子園出場を決めた大谷津学院野球部。だが、校内はお世辞にも祝福モードとは言い難く、校長や理事長は終始どうでもよさげな上に裕也や他の女子生徒達は真樹に対し『調子に乗ってる』『さっさと負けろ』などと悪口を言いは経つ始末だった。そんな雰囲気でも、大谷津学院野球部を応援っしようとするものが少なからずいたのだった。


「じゃあ、行ってきまーす!」

 ある日の朝。キャリーケースを持った慶は玄関で家族達に挨拶した。父の進、母の悠、兄の魁はそんな慶を笑顔で見送る。

「ああ、行ってらっしゃい!」

「楽しんできてね!」

「俺も行きたかったけど、夏合宿と被っちゃ仕方ない。いっぱい応援しておいで!」

 3人は笑顔で慶にそう言った。慶もニコニコしながら3人に手を振る。

「うん、いっぱい応援してくるよ。じゃあね。」

 そう言って慶は家を出て、真樹達のいる甲子園へ向かったのだった。


 一方、同じ頃。ここは美緒の家である。美緒も大谷津学院野球部を応援すべく、家を出る所だった。

「じゃあ、行ってくるわね。」

 美緒は荷物を持って家を出ようとした時、両親が声をかけた。

「行ってらっしゃい。」

「気をつけてね。」

 そう言葉を交わして、美緒は家を出た。そして、成田空港第一ターミナルの国内線に向かった。空港の駅に着いた美緒は、改札の所で慶に会う。

「あ、美緒!こっちこっち!」

「おはよう、慶。待った?」

「全然。じゃあ、行こうか!」

 慶と美緒は二人で行く約束をしていた。揃った二人はそのまま国内線のカウンターに向かい、チケットの発券を済ませて保安検査も終えた。その後もトラブルなく、成田発伊丹行きの便に乗った二人は、甲子園に向かって飛び立ったのだ。隣り合って座った二人は、笑顔で話している。

「いよいよだね。みんな大丈夫かな?」

「大丈夫よ。決勝であの習志野商業倒してるんだから。」

「そうだね。うん、僕は真樹達を信じるよ!」

「そう来なくっちゃ。」

 そんな話をしながら、二人を乗せた飛行機は順調に伊丹へと飛んで行ったのだ。


 一方その頃。ここは名古屋駅だ。そこの近鉄線ホームに何故か杜夫が一人でいた。

「えーっと…あったあった。よかった、余裕で間に合う。」

 杜夫は時刻表を確認しながらそう言った。何故杜夫が名古屋にいるのかというと、好きなアニメのイベントが名古屋で行われており、イベントを終えてから直接甲子園に向かうことにしていた。

「はぁ…楽しかったな。でも、メインイベントはこれからだ。」

 そう言って杜夫は大阪難波行きのアーバンライナーのチケットを購入し、改札に入って電車に乗り込んだ。

「待ってろよ、真樹!お前の活躍は、絶対にこの俺が後世に残してやるからな。」

 杜夫は持っていたカメラをなでながらそう言った。杜夫も親友である真樹が甲子園に出るのがとても嬉しかったのだ。そんな事を考えているうちに、杜夫を乗せたアーバンライナーは定刻に出発したのだった。


 そして、ここは東京駅の新幹線ホーム。ここに10人ほどの一行が何やらバタバタしていた。

「大丈夫?みんな忘れ物はない?」

 そう言ったのは、真樹の担任教師である立石だった。その呼びかけに対し、吹奏楽部1年の大神と、チアリーディング部1年の宮下が答えた。

「はい!吹奏楽部、確認取りました。異常ありません!」

「チアリーディング部も異常ありません!」

 そう、彼女たちは上級生の反対を押し切って甲子園に遠征を決心したのだった。彼女達は練習時間の合間に単発のバイトや、父兄から少し出してもらうなどして何とか遠征費を確保したのだった。そんな彼女たちを心配した立石が、一緒に行こうと彼女たちに提案したのだった。

「じゃあ、大丈夫ね。新幹線も来たし、乗りましょう。」

 こうして立石率いる吹奏楽&チア部1年生たちは、新大阪行きのこだまに乗り込み、無事に出発したのだった。


 ここは都内にあるオリエント通信のオフィス。真樹からの情報提供以降、ずっと沙崙を取材していた飯田は、甲子園出場決定直後も、臨時マネージャーである彼女の事を資材した。そんなある日、飯田は課長に呼び出された。

「え、今何と?」

 飯田は課長から言われた言葉に一瞬呆けた。

「うん。あの子の取材はお前が担当だからな。甲子園まで取材して来い。」

 本来飯田は別の仕事があり、甲子園での取材は不可能かに思われたが、他の上司が沙崙の取材は飯田がやるべきだと配慮してくれたのだ。飯田は嬉しくなり、頭を下げながら大声で言った。

「あ、ありがとうございます!それじゃあ、残りの仕事の引き継ぎにいってきます。」

 課長に感謝した飯田は、残った業務を他の同僚に引き継ぎ、遠征の準備をした。嬉しくなった飯田からは、思わず言葉が漏れた。

「甲子園での取材か。楽しみだな。湯川君も陳さんも、頑張るんだよ!」

 こうして、飯田の遠征も決まり、大谷津学院野球部を応援する者が次々と現地に向かうのだった。

おはようございます。

初の番外編ということで、今回は短めにまとめました。

次回は本編です。

お楽しみに!

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