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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode7 新入生の悩み
113/333

第112話 暴走(バーサーカー)少女(ガール)

こんにちわ!

本性ももうすぐクライマックスです!

 台田が大谷津学院に侵入し、校舎を破壊しながら立てこもっているというニュースは警察は勿論、マスコミにも瞬く間に広がった。学校前には多くの警察車両が停車している他、報道関係者も大勢訪れており、お昼のワイドショーで中継されている。

「えー、続いて速報です。千葉県成田市の大谷津学院高校に、ハンマーを持った女が侵入して立てこもっているという情報が入ってきました。現場から高橋レポーターがお送りします。高橋さーん!」

『はい、高橋です。現在私は大谷津学院の校舎前からお送りしております。最初に襲われた警備員及び、校舎内で暴行を受けた教員によると、犯人はおおよそ10代の女性で青いジャージと黒い帽子、緑色のリュックを背負っているとのことです。現在犯人と思しき女性は、この学校の男子生徒1名を人質にして立てこもっているとのことです。』

「高橋さん。他に何か犯人に関する情報はありますでしょうか?」

『はい。目撃した生徒によると、犯人はハンマーを振りまわしながら人質に取っている男子生徒の名前を出し「出て来い、殺してやる!」と叫んでいたことから、無差別犯行ではなく、個人的な恨みによる計画的な犯行であると推測されます。』

「男子生徒1名の安否確認はいかがでしょうか?」

『はい。安否の方はまだ確認は取れておりません。また情報が入り次第、お伝えいたします。』

「分かりました。高橋さん、ありがとうございました。」

 現在も膠着状態が続いており、大谷津学院の教職員生徒だけでなく、全国の国民の間でも緊張と不安がほとばしっていたのだった。


 一方、避難した教職員生徒が溢れかえっているグラウンドでは、真樹が人質に取られていることがすぐさま全員に伝わり、大騒ぎになっている。同じ野球部の武司と伸治は、A組の所に駆け込んでくるなり、慶と杜夫に聞いた。

「おい、真樹がまだ校舎の中に残っているってマジなのかよ?!」

「しかも、相手は武器持ってんだろ?いくら真樹でも流石にヤベーよ!」

 二人は動揺していたが、それは慶と杜夫も同じだった。慶も杜夫も青ざめた表情で真樹の安否を心配している。

「ま、まさか…本当に台田さんが攻め込んでくるなんて…。僕も驚きすぎて、言葉が出ないよ。」

「ああ…神様!どうか真樹を助けて下さい!あいつは何も悪くないんです!」

 そんな中、4人は丈が校舎に入ろうとしているのを千葉と登戸に止められているのを見た。慌てて駆け寄ると、丈が必死の形相で叫んでいる。

「放してくれー!これは俺の責任でもあるんだ!みどりを黙らせて、湯川先輩を助けなきゃ!」

「だからやめろって、丈!」

「そんなことしても、お前が殺されるだけだぞ!」

 話を聞いた一同は、丈が自分も校舎に入って真樹を助け出そうとしているのだとすぐに察した。そして、武司と伸治も加勢して丈を止めようとする。

「本郷、気持ちは分かるが、バカなことはよせ!」

「そうだ!落ち着いて、真樹が無事でいるのを信じようぜ!」

 先輩二人に説得された所で、ようやく丈は体の力を抜いた。そして、この世の終わりのような表情でその場に座り込んでうなだれたのだった。それを見ていた杜夫と慶は難しい表情で言う。

「でもも、どうすりゃいいんだよ。この状況?」

「うん。今、二人がどのあたりにいるのかも分からないしね。」

 二人の心配をよそに、警察の方も突入の準備を控えていた。


 こちらは校舎内。2階の廊下に真樹と台田はいた。真樹は終始落ち着いた様子で台田を挑発した結果、彼女の怒りを買ってしまい、ハンマーを持った台田が叫びながら真樹に突進する。

「うぉぉぉぉぉぉぉ!」

 台田はハンマーを真樹の体めがけて振り下ろした。しかし、台田よりもずっと背が高い真樹に小型ハンマーを振り下ろした所で急所を狙えるはずもなく、呆気なくかわされてしまう。それでも狂ったようにハンマーを振り下ろし続け、全て避けられて息切れしている台田に真樹は言った。

「ふん。やっぱりお前に俺は殺せねぇよ。諦めな、さっさと自首してここから出て行けよ。」

 しかし、これで諦める台田ではなかった。台田は持っていたハンマーを投げ捨て、持っていたリュックから何かを取り出し、不気味な笑みを浮かべている。

「フフフ…お前を地獄に送る為に手段なんか選んでられないわ。覚悟しなさい。」

 そう言って台田が真樹に向けてつきつけたのは、刃渡り20cmはある出刃包丁だった。殴るのが無理なら、刺し殺してしまおうという訳だ。さすがにこれには真樹も動揺する。

「刃物かぁ…。それは、ちょっとヤバいな。」

 包丁を構える台田から、真樹は少しずつ後退して行き、隙を見て走りだした。

「あ、逃げるな!待て―、殺す!」

 鬼の形相で追いかけてくる台田から、真樹は必死に逃げながら呟く。

「参ったな、ここまで執念深いとは…。仕方ない、今は逃げるしかない!」

 誰もいない校舎の中を駆け抜ける真樹と台田。だが、そのような緊迫した時間も終焉を迎えようとしていたのだった。

こんにちわ!

またまた、凄い展開になってしまいました。

真樹の運命や如何に?

次回もお楽しみに!

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