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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode7 新入生の悩み
111/333

第110話 襲撃

おはようございます。

今月最後の投稿です!

 台田の掲示板に真樹を貶めるようなコメントを見つけた翌日、真樹は特に気にせずにいつも通り登校していた。いつものように朝の成田駅で慶と合流する。

「おはよう、真樹!」

「おう。おはよう、オニィ!」

「真樹、あれから大丈夫だった?」

「何が?」

「ネットに真樹の悪口書かれたことだよ。」

「あんなの気にするだけ時間の無駄だ。放置でいいよ。」

「でもあの台田って人、暴走すると何しでかすか分からないタイプだし、何も起こらないといいな。」

「台田はあれからずっと学校を休んでいるらしい。しばらく引きこもっててくれれば大丈夫だろ。」

 慶は少し心配していたが、真樹はそれほど気にしていなかった。そんな感じ雑談をしながら、二人は学校を目指したのだが、数時間後にとんでもないことが起こるとは予想できなかったのだ。


 同日午前10時。

「ここが大谷津学院。思ったより綺麗な校舎ね。」

 大谷津学院の校舎前に一人の女性が現れてそんなことを言った。女性は青いジャージと黒い帽子、緑色のリュックを背負っている。

「取り戻す!何が何でも!」

 そう言うと女性はスタスタと校門のところまで歩きだし、中に入ろうとした。すると、入口の警備員に止められた。

「おい、君。見慣れない顔だけど、一体何の用なんだ?入校許可はもらってるのか?」

 警備員がそう言うと、女は警備員を睨みつけながらポケットからスプレーのような物を取り出して警備員の顔面めがけて噴射する。

「ぎやぁぁぁぁ!」

「邪魔しないでよ。これから湯川と丈を裁きに行くんだから!」

 女の正体はなんと台田だった。台田はこの日も両親に体調が悪いと嘘をついて学校を休み、出かけて一人になった隙を見て大谷津学院にやってきたのだった。そして、警備員に催涙スプレーをお見舞いすると、そのまま校舎に入ってしまった。

「どこだ、湯川真樹!出て来い、死刑にしてやる!」

 そう叫びながら足を進める台田。台田は鞄からハンマーを取り出し、まりで誰かをおびき出そうとしているかのごとく、あちこち叩いて破壊し始めた。

「ちょっとあんた、何やってんだ?!」

 異常事態に気付いた教員の一人が台田を止めようとした。しかし、台田は聞く耳など持たず、止めに入った教員の頭を持っていたハンマーで殴りつける。

「うわっ!」

「あんたには関係ない!用があるのは湯川と丈だけ!」

 台田はそのまま行ってしまった。殴られた教員は悶え苦しみながらも、職員室に戻って状況を他の教員に伝えた。


 それからすぐ、この異常事態は校内放送で生徒にも伝えられた。授業中だったのだが、突然の警報に生徒達は驚く。

『非常事態です。校内に不審者が侵入。生徒及び教職員は直ちに避難して下さい!』

 それを聞いた生徒は動揺と不安を隠せなかった。

「不審者だって。」

「やだー、怖い!」

「何でうちの学校に?」

 一方、真樹と慶はその不審者の正体にもう気付いていた。

「はぁ、本当に来やがった。どこまで頭のネジぶっ飛んでんだ?」

「いいから逃げようよ、真樹!多分狙いは真樹だよ!」

 教室内は少しパニック状態になっていた。それでも立石は生徒の安産を確保しようと懸命に避難を促す。

「皆落ち着いて!前にやった訓練を思い出して、安全に避難しましょう!」

 立石がそう言うと、生徒達は1列に並び、立石の後に続いて教室から出る。避難した生徒、教職員はグランドに集められて揃っているか確認をしていたのだが…。

「全員いる?誰かいない人がいたら教えて!」

「確認します、えーっと…。」

 立石に言われて美緒が確認を取ろうとした時だった。

「あれ、真樹は?」

「えっ?」

 杜夫が真樹がいないことに気付き、慶もそれに驚く。杜夫はすぐに手を上げて立石に報告した。

「先生!」

「どうしたの、公津君?」

「真樹がいません!」

「な、何ですってぇ?!」

 立石が目を丸くしながら驚いた。五十音順に並ぶと、真樹は最後尾になるので途中ではぐれても気付かれにくいのだ。これに対し、美緒が地団太を踏んで怒り出す。

「もう、湯川君ったら!勝手な行動しないでっていつも言ってるのに!」

 慶の方は顔を少し青くしながら呟いた。

「まさか、真樹…台田さんを直接止める気じゃ…。」

 友人たちの不安をよそに、避難の方はどんどんと完了していったのだった。


 一方、校舎内では台田が相変わらず叫びながらハンマーで校舎を破壊していた。

「湯川出てこーい!ぶっ殺す!これは神の裁きだ!」

 台田は叫びながらハンマーを振りまわす。そんな彼女に掛ける声があった。

「俺のこと呼んだか?」

 そこにいたのは、避難した筈の真樹だった。真樹は顔色一つ変えず、ゆっくりと近づきながら言った。

「ようこそ大谷津学院へ。と言いたいところだが、俺の方もお前を許さないぞ。」

 両者の間に張りつめた空気が流れる。真樹と台田の命をかけた直接対決が始まったのだった。

おはようございます。

先週は諸事情で更新できず、すみませんでした。

次回もお楽しみに!

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