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欲張り

今回は吉城視点です。

夜仕上げるつもりだったんですが、朝になってしまいました。

最初は気が合うクラスメイトだと思っていた。


それから私は彼と話したり、時には昼ご飯も一緒に食べて1年間を過ごした。

そして私の心はすっかりと変わっていた。


那月くんのことをクラスメイトとしてではなく、1人の異性として見ていた。


もっと彼と仲良くなりたい、話をしたい。


でも、私は薄々気づいていた。


那月くんには好きな人がいると。


そしてそれは私ではないことも。




私は決めた。


彼の友人でいると。


ある日、那月くんが遅刻をしてきた。


私の目には、すこし落ち込んでるようにも見えた。


せめて話だけでも聞いてあげたいと思い、一緒に昼ご飯を食べようと誘った。


昼休みになると、購買にパンを買いに行った。


私は内心ウキウキしながら待っていた。




しかし、もう昼休みが終わる頃なのに戻ってこない。


なにかあったのかも?と思う気持ちが半分、なんでこないの?とすねている気持ちも半分。


私は彼にいじわるをした。

彼の席に座って寝るというささやかないじわるだ。


彼が戻ってきて、私の様子をみるとあたふたし始めた。


いい反応するなぁ……


すると彼は理由を説明し、謝った。

ここで起きてもいいんだけど〜。


ちょっと怒っているフリして、ふて寝しよう。

どんな反応するかな〜、ふふふ〜。



そして、彼は一緒にご飯に行くと言った!

もしかしてまだまだ良くなるかも……


さらに1回ではなく2回にしてくれた。


悩む〜……


彼は諦めたようになんでもすると言った。


……仕方ないな〜!


私は何をお願いするか考えた。

いろいろと考えて、そして決めた。

彼の連絡先を教えてもらうことにした。


本当は、違うことをお願いしたかった。


私を那月くんの彼女にしてほしい。


そう言いたかった。


でも、それはわがまま……

連絡先で我慢しよう。

そう、友人として。



その日の放課後、さっそくご飯に誘ってみた。

彼も予定がなくて、行くことが決定した。


ファミレスに着いて、私はいちごパフェを頼んだ。


ご飯をご馳走してもらうはずなんだけど……別にいいよね〜?


パフェを運んできてくれたのは平泉さんだった。



那月くんの様子が少し変わった。

どこか気まずそうにしている。


私は学校で平泉さんとよく話すけど、バイトしてるなんて知らなかった。

なんでバイトしてるのか、理由を聞くと納得した。


平泉さんがいなくなると、那月くんは落ち着いたみたいだ。


なにかあったのかな?


那月くんが理由を話し始めた。


そっか〜そういうことか〜……


諦めるのかな?それともまだ好きでいるのかな?


そのことを聞いてみると、彼は諦めると言った。


私は、友人でいると決めた。


でも、少し欲張りになりそうだ。





私は、那月くんの彼女になりたい。

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