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18.公爵令嬢、王太子に面会する。

***前回のあらすじ***

久しぶりの休日、クリスティアナはシェリナの屋敷を訪れた。久しぶりに会ったシェリナは、ロンバートの傍に居る為に、どんな場所にでもついていける様にと、様々な事に挑戦をしている様だった。一方、クリスティアナが騎士になった事を知ったロンバートは、クリスティアナに会い、きちんと向き合う事を決意するのだった。

「──ロンバート殿下が?」


 シェリナの屋敷を訪れてから数日後のこと。

 訓練が終わる時間を見計らう様に、エメリックが訪ねて来た。


「ああ。クリスと話がしたいんだそうだ。国王陛下の許可も頂いているそうだし、どうする? 殿下はお前の都合の良い時で構わないと仰っているんだけど」


 へぇ。ちゃんと陛下に許可を取ったのか。少しは学習をしてくれたらしい。

 ダグ達に、先に行っててくれと伝えてから、エメリックと話をする。


「ん、大丈夫。流石にこのままお会いするわけには行かないから、汗を流して着替えてくるよ。少し待って貰える?」

「ああ。部屋の外で待ってるよ」


 詰所の一室を借りて、水を汲んだ桶と手拭を持って、部屋へと入り、内側から閂を掛ける。

 エメリックは部屋の外で待っていてくれた。

 冷たい水で体を清め、髪を梳って後ろで1つに束ね、男物の服に着替えて部屋を出る。

 持ってきた桶は、女官が片付けてくれるそうだ。


「どう?騎士になってみて。」

「今は剣を避けて団長の急所に付けた印に拳を当てるって訓練をやっているんだけど、もう全然駄目。未だに1発も当てられない」


 ふて腐れて唇を尖らせると、エメリックは可笑しそうに笑う。


「だって相手は団長だよ?簡単に触れられると思ってたなら己惚れんなってはっ倒してるって」

「なんか前にもそんな様な事言われた気がする」


 私も釣られて笑った。


「でも、最近は何とか避けれるようになってきたんだ。最初の内はぼっこぼこにされたけど」


 ほら、と袖を捲って腕を見せる。未だに残る打ち身の痣は、大分薄くなっていた。


「うわぁ……。こりゃ随分とやられたね」

「腹とかも凄いよ。痣だらけで。見る?」

「いや、流石にそれは令嬢じゃなくても駄目でしょ」


 警護中のエメリックは、凛とした美丈夫だけれど、こうして話すと明るくて気さくで良く笑う。

 聞けば、騎士の叙任式を受けると、最初に配属されるのは国境警備を担う青の騎士団か、魔物の討伐を主とした赤の騎士団なのだそうだ。その中で精鋭となる者が王宮騎士団、白の騎士団へと昇格されるらしい。因みに白の騎士団は、神殿の警護も任されている。

 今は白の騎士団に所属するエメリックも入団したての時は赤の騎士団に配属されていたらしい。セドリックを団長と呼ぶのもその頃の名残なのかもしれない。


 エメリックは風の魔法の使い手で魔力も高めでそれが評価に繋がっただけだと謙遜していたが。エメリックってばエリートなんだ。

 ──意外。


「今意外って思ったろ」


 ばれたか。

 くつくつと肩を震わせて笑うエメリック。結構笑い上戸なのかもしれない。エメリックと話すのは楽しくて、広い城の中もあっという間に感じられた。


 やがて1つの部屋の前でエメリックが足を止める。

 扉の前には、白い甲冑に白地に金の刺繍の入ったサーコートを身に着け、騎槍を手にした騎士が二人立っていた。

 エメリックがノックをすると、直ぐに入室を命じられる。


 エメリックが頷くと、警護に当たっていた騎士が部屋の扉を開けてくれた。扉が左右に開かれる。

 ソファーから立ち上がったロンバートが、息を飲んで此方を見つめていた。

ブクマ&感想&評価有難うございます!ブクマももうちょっとで4000件。感想も22件目頂きました!こんなに沢山の方に見て頂けて、感想まで頂けるとは・・・。書き始めた頃は思いもしませんでした。

有り難いです、ほんと。明日はお仕事お休みなので、3本?4本?行けるかな。頑張ります。


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