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■「お兄ちゃんの好きにして」


 目覚めるとアメリア……じゃない、兎月が俺を見下ろしていた。


「なんで観戦モードにパスワードかけたの?」


 開口一番、ムスッと頬を膨らませた妹が俺に抗議の視線を投げかける。


「ゲームくらいプライベートで楽しみたいからな。それくらいいいだろうが」


 そもそもゲームなんだよ。誰にも邪魔されずにやりたいってのは、変なことじゃないだろう?


「よくない」

「なんでだよ?」

「……お兄ちゃんが心配だから」

「いやいやいや、ただのゲームだろ?」


 苦笑しながらそう言い返したところで、兎月の表情が崩れて泣きそうな顔になる。


「お兄ちゃんを取られたくないの!」


 そして、いきなり抱きついてきた。


「おまえ、ずっと俺のこと避けてて、冷たい態度取ってたじゃないか。意味わからないよ」


 俺は冷静さを取り戻すために、そう返答する。でも、頭の中は混乱していた。


「わたしがお兄ちゃんを避けていたのは……兄妹だから……好きになっちゃいけないと思ったから」


 え? この台詞は、前に俺が夢の中で聞いたことのある兎月の言葉だ。


「……」

「お兄ちゃんがゲームに夢中になっているのは別によかった。下手にカノジョなんか作られるよりはね」


 あの時の言葉と一字一句違わない。あれは予知だったのか?


「おいおい、いくら俺がモテないからってからかうのも……」


 前に兎月に返したのと全く同じ言葉。これでもし、あの時のような反応をしたら……。


「わたしの方がずっと前からお兄ちゃんのことが好きだった。だから悔しかったの。たかがゲームのキャラだってわかっていても、お兄ちゃんを獲られるのがイヤだったの」


 嬉しいはずなのに、背筋がゾッとした。


 でも、両思いだったというのは変わらない。


「……」

「ねぇ、お兄ちゃん。わたしとアメリアって子のどっちが好き?」

「バカ。アメリアはただのサポートキャラだ。あいつがおまえに似てるのは、俺がそうしたかったからだ。察しろよ……いや、察しろっていう方が酷いな。俺も兎月のことが好きで好きでたまらないんだ。だから、ゲームの中でも兎月に会いたかったんだ」


 前回以上のすげえ恥ずかしいことを告白してしまう。両思いなのであれば、こんなのはまだ序の口だ。


「お兄ちゃん……」


 潤んだ瞳が俺を見上げる。そして、どちらからともなく唇を合わせた。


「うれしい」


 そのままベッドへと兎月と一緒に倒れ込む。


「お兄ちゃんの好きにして」


 拒む理由はない 愛しているのだから。



お読みいただき、ありがとうございました。


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