262:揃った家族②
体調不良につき、しばらく更新頻度が下がります。
ご心配おかけしてすみません…
「クロエ、ダーク……今まですまなかった。クララを後妻に迎えるにあたっての事情を何も説明せずに、お前たちには要らぬ気を揉ませてしまった。この度の騒動の根幹には、少なからず絡んでいた事も分かっている。本当に……」
ベッドの前で膝をつくお父様に、家族はぎょっとする。これからダークルートで明らかになった秘密を話すつもりなのは察したけれど、お父様は全てを背負うつもりなのだろうか。ゲームでは事情はあれど最終的に『クロエ』が悪い流れになっていたけれど。
「父上、その事に関して私は既に辺境伯から聞かされております。貴方のせいではない……全ては」
「ダーク、まずはクロエにも伝えねばならぬ事だ」
庇おうとするお兄様を押し留め、椅子に腰かけるお父様。シン以外の皆もそれに倣って座った。
そうして聞かされたのは、おおよそはゲームで知っていた情報だった。お兄様の言葉の後を引き継ぐなら、全ては一人の男の暴走から始まったのだ。ただお父様の言い分からは、決して伯父様――ヴォーク=セレナイトだけに責を負わせまいとする意図が感じられたが。自分を含めた、様々な大人たちの思惑が絡んだ末、子供たちにツケを払わせてしまったのだと。
「驚かないのだな、クロエ。ダークから詳細を既に聞かされたか?」
「いえ……何と言っていいのか、まだ心の整理がつかないだけです。ただ一つ言えるのは、ヴォーク伯父様は故人であって私も直接はよく知らない人だから……」
「……そうだな。だからこそ、兄のせいにするつもりはない。お前たちが起こした事は、育てた我々親の責任だ。もっと家族のために時間を取り、二人とも向き合うべきだった」
いやいやお父様、背負い過ぎでしょう!? さっきから気になってはいたけれど、隙あらば生前の兄がどれだけ素晴らしかったかの話が入る。
『兄上はな、幼い頃からそれはもう優秀な御方で私の憧れだった。次期公爵として期待されていた兄に比べれば、私など頭でっかちの凡庸な男だ』
もう五回も聞かされたので、いい加減うんざりしているのだが、ダークお兄様はその度に「そんな事ありません。私にとって、父上ほど親に相応しい人はおりません!」「ずっと父上のような男になりたいと、人生の目標にしてきました!」と律儀にフォローしている。
要はセレナイト公爵家一同、問題児のヴォーク伯父様を除けばとんでもなく不器用な性質だったという訳で。お父様が仰るように、拗れる前にしっかり話し合えばそれでよかったのだろうけれど、頭が固い上に忙しい身の上ではこんな機会でもないと無理だったのだ。
ともあれ、途中でクララがまたも大泣きしつつも、最終的には長らく続いてきた家族間のわだかまりはようやく解けたのだった。
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※書籍情報は活動報告にて随時更新していきます。





