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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第九章 ≪禍つ魔の災厄≫
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#89 圧倒的な力

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「影咲――どうして、影咲がここに……ッ!? それに、それに――」


 俺は溢れ出る感情を上手く言葉にできなくて、言葉を詰まらせてしまう。

 目の前にいる少女は、紛れもなくあの影咲奏その人だった。それは、絶対に間違いないはずだ。


「クク……クックックッ……」

「何が、おかしい……ッ!」


 魔王は、俺の様子を見ていきなり笑い出した。


「アーハッハッハッ! そう言えば、そうだったな。お前はカナデが死んだとき、あの場所に居たんだったなァッ!」

「そうだ。あの時、目の前でお前に……彼女は殺されたはずなんだ! それなのに……どうしてここに……ッ!」


 それに、それに……何故、影咲は、魔王の隣にいるんだ……ッ!

 どうして、悠兄さんと同じ、禍々しい黒い角が生えているんだ……ッ!


「何故、か。それは、彼女が――」

「――魔王様、失礼ながら。無駄な会話をしている場合ではないかと」

「ククク……確かにそうだな。少年よ、彼女のことを聞きたければこの私を倒してからゆっくりと聞き出すといい!」

「言われなくても――ッ!」


 刹那、俺は飛び出した。

 手に入れたばかりの【魔双剣】をその両の手に構えて。


「うあああああああああああッ!」

「威勢だけはいいようだが――それだけでは、私には届かない」

「紅蓮ッ! 危ないッ!」


 魔王の言葉と、姉さんの言葉が同時に発せられた。

 その、次の瞬間の事だ。


「――影の龍よ、喰らいつくせ」


 俺の視界は、さっきとは真逆の――黒に染まっていた。


「なッ――――」


 直前に聞こえたあの言葉は、影咲のものだった。

 という事は、これは影咲による攻撃……そう考えるのが自然だ。


 なんて考えていると――


「ッ……ぅぐ……ァ……」


 俺の身体が、だんだんと動かなくなっていることに気が付いた。

 それに伴ってか、痛みが全身を駆け巡り、次第に俺のうめき声は苦痛の叫び声へと変わっていく。


「ぐああああああああああああああああああああッ!!!!!!」

「紅蓮ッ! この――何をした、お前たちッ!!」


 姉さんの声が近くで聞こえた。

 と思ったら、俺の薄れゆく視界は徐々に光を取り戻していき、周囲の状況が何となく見えるようになってきた。


 まず俺の視界に入ってきたのは、魔王たちに向かって飛び出していく姉さんの姿だった。


「『身体強化』――三回重ねッ!」

「ククク……やれ――ユウ」

「――了解しました」


 それに対抗して前に歩み出てきたのは、悠兄さんだ。


「――『身体強化』」

「悠……アンタはあたしに勝てたことなんてないんだから、『身体強化』をたった一回使った程度で、このあたしに敵う訳なんか――」

「残念ですが。もう、貴方の知っている僕では無いんですよ」

「え――――ッ」


 次の瞬間、今度は俺の視界が赤に染まった。

 何かが、俺の目に飛び散ってきたのだ。


 その何かの正体は、すぐに分かった。


「うそ……だ」


 悠兄さんの剣が、姉さんの腹を貫き。

 姉さんの身体は、そのまま地面へと倒れた。


「――殺してはいません。ですが、治療が遅れれば彼女はもう助からないでしょうね」


 その言葉に、その場にいた全員が息を呑んでしまう。

 俺も、驚きと、恐怖からか言葉が出せなかった。


「カナデ。そこの女を回収しろ。それと、ついでに止血も頼んだぞ」

「……了解」


 魔王アレンの指示で、影咲はすぐに動いた。

 アレは先程俺に使った魔法だろうか。黒い、大きな龍のような何かが地面から現れて、姉さんをそのまま飲み込んでしまったのだ。


「――させるか……させるかよ……ッ! 姉さんは、絶対に渡さないぞ……ッ! 絶対に、殺させないぞ……ッ!」

「そんなボロボロの身体で何ができる、少年よ」

「俺だけ、じゃない……ッ! 今の俺には、仲間だって――」

「――仲間、か。なら……ユウ、やれ」

「了解しました」


 刹那、俺の横を高速で悠兄さんが駆け抜けていった。

 そして、そのまま彼は――


「きゃああああああっ!」

「やめ――いやああああああああッ!」

「うあああああああああああっ!」

「あああああああああああっ!!」


 俺の後ろにいた、メル・冥・レイニー・モネを順番に剣で薙ぎ払っていったのだ。

 再び、俺の視界には赤が映り、その心を恐怖で染め上げていく。


「クッ……ククク……クハハハハハハハハッ!! これが、これが圧倒的な魔王軍の力なのだよッ! 分かったか……少年ッ!」

「ぅ……ぁ……」


 俺はその時、もう何も話すことができなかった。

 頭が真っ白になって。視界は真っ赤に染まって。体は苦痛に蝕まれて。


 もう、動くことすら、できなかった。


「――さあ、今度こそお前の持つその双剣と、そして……」


 魔王は、周囲を軽く見回すと、目的のそれを見つけたように言ったのだ。


「聖剣――アレを、頂くとしようか」

次回は明日更新です!

明後日はお休みで、明々後日は第一章の改稿分を更新しようと思います!

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