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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第九章 ≪禍つ魔の災厄≫
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#86 湖の底に

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序章お待たせしました……明日には修正分更新できます!



「ん~……何にも見えないね~」

「確かに強い魔力反応は感じられるんですけど……水が深すぎて、本当に底が見えないです……」


 目の前の大きな湖――『ディムナ湖』を調べながら、蒼華姉さんと冥がそう呟いた。

 二人とは少し離れたところで、俺とメルもその水面を覗き込んでみる。


「水はこんなに透き通ってて綺麗なのに……」

「本当に底が見えないわね……」


 これじゃあ本当に『十大武具』の一つがあるのかどうか、確かめる方法が無いな。

 いや、方法が無いわけではないが、流石に力技過ぎる作戦だからなぁ……。


「桜花はどうだ? 何か感じたか?」

『うーん……。確かにめいの言うように強い魔力の反応は感じられるのだ』

「湖の、かなり深い位置から発せられてるみたいだね」


 桜花の言葉に、冥が補足をするように付け加えた。


「湖の底にあるってことなんですかね?」

「でも、それじゃあどうやって取りに行けば……」

「そうなんだよねぇ~……」


 モネとレイニー言葉に、蒼華姉さんも困ったように「うんうん」と頷いた。

 ……どうしようか。俺の思いついた方法、ダメ元で提案してみるか……?


「――もういっそのこと、誰か湖に潜って確かめてみる?」

「あ」


 マジか、姉さん。


「どしたの、紅蓮」

「え。あ、いや……まさか同じことを言われるとは思ってなくて」

「同じことって……え、マジか」

「マジだね」


 そう。もういっそのこと、誰か湖に潜って確かめてみれば? と俺も全く同じ言葉で提案しようとしていたのだ。

 だけど流石にそれは力技が過ぎると思って躊躇っていたのだが……。


「ふふ、流石ご兄妹ですね」

「そ、そうかな……?」


 モネの言葉に、姉さんがなんか恥ずかしそうにしているけれど……。

 俺はどう反応すればいいのか、若干困っていた。だって、結局そんな力技ができるのって一人しかいないじゃないか。


「姉さん。それじゃあ、言い出しっぺってことで……」

「そうよね……。こんな深い湖の底まで潜れそうなのって、ソウカ様くらいしか……」

「うんうん! やっぱ言い出しっぺの法則って二本でもあったしね~」

「こ、こんな深そうなのに……本当に行けるんですか!? す、すごいです……ワクワクです……!」

「ちょ、ちょちょちょ待ってって!」


 俺含め、全員が姉さんに期待のまなざしを向けると、姉さんは半分嬉しそうに、だけども半分困ったように俺たちから離れて言った。


「確かに、あたしが行くのが一番いいかな~とは思うよ? でもさ……」

「でも……なに?」

「――言い出しっぺの法則とかで無理矢理生かされるのは違くない!?」

『えー?』


 ……俺含め、その場にいた全員が姉さんに呆れるような視線を送った。


「え、いやいや! だってそこはさ! もっとあたしを立てるような感じでさ!」

「何? それじゃあ結局行ってくれるの?」

「……いや、まあぶっちゃけ結論を言っちゃうとあたしが行こうかな~とは思ってたけど……」

「じゃあ決定ってことで! 姉さんが湖に潜ってる間に、俺らは昼飯にしておくから!」

「え~っ!? ナニソレひどくないっ!?」


 と、やいやいガヤガヤとしていると……。


「――あ、あの……一ついいですか?」

「……? どうしたの、レイニー?」


 そういえば、一人だけずっと静かだったレイニーが手をあげてこちらを見つめてきていた。

 モネはそんな彼の様子に首を傾げるが……。


「ソウカさんが、この湖に潜って『十大武具』の一つが本当にここにあるのかを確かめるっていうのは分かったんです」

「え、あ、それで決定なんだ……」

「姉さんは黙ってて!」


 俺は言いながら文句を垂れる姉さんにチョップをかました。

 「あう」なんて可愛い声が聞こえたが、無視だ無視。


「でも……その後ってどうするんですか?」

「その後……?」

「はい。里で見つけた本に書かれていることが本当なら、『十大武具』は選ばれた者だけが扱える特別なモノなんですよね?」

「あ……そっか。言われてみればそうじゃん……」


 レイニーの言葉に、蒼華姉さんがいち早く何かに気付いたようで、頷いていた。


「……えっと、つまりレイニーは何が言いたいの?」

「だからね、お姉ちゃん。もし本当に湖の底で『十大武具』を見つけても、それを陸まで引き上げられるのはグレンさんしかいないんじゃってこと!」

『あ――』


 その言葉を聞いて、俺も――というか姉さん以外のみんながようやくその事実に気が付いて驚いた顔をした。


「……えっと、それじゃあ……つまり……?」


 誰かがそう呟いて。


「……え、嘘でしょ……?」


 俺の元に、視線が集まった。


「……え、え~? マジ~?」


 冗談でしょ、と誤魔化そうとしてみるも……


「……紅蓮、諦めな。もう、お前が行くしかないんだ」

「姉さん、キャラ変わってるって」


 刑事ドラマみたいな雰囲気で、姉さんに肩を掴まれてしまった。


「マジか……マジかよ~……」


 それから、10分くらい駄々をこねてみたが。

 レイニーの正論による説得と、メル・冥・モネの例の三人組からの期待のこもった視線と、それから姉さんの憐れむような視線を受けて。


 ――俺は、この深い湖にダイビングすることになったのだ。

次回は明日更新!

うぇい

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