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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第九章 ≪禍つ魔の災厄≫
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#73 新たなる旅の幕開け

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いよいよ!



 腰辺りまで伸びたキラキラと神々しく輝く金色の髪に、それと全く同じ色の瞳。

 少し尖った耳に、背中には龍の翼が生えていた。


 さらには、俺の周囲を八つの宝玉がぐるぐると浮いて回っていた。

 カグラ曰く、この玉は『龍玉』というカグラの力が込められた八つの宝玉らしく、それぞれに別々の能力が付与されているのだとか。

 その効果の詳細までは教えてくれなかったが。


『……これが、俺……?』

「ああ、我の姿を模したお前だな」


 そう言いながら、カグラは俺の身体で軽く飛んだり跳ねたり、蹴りや突きを繰り出してみたりと、色々と試していた。


「能力も、スキルも、ほとんどが我が持っていた物をそのまま使えるようだな……これが『神の子』の力か」

『時間制限とかってあるのか?』

「いや、それはまだ分からぬ。戦いの中で力を使えば、消耗して憑依が終了……というのも考えられるが……」

『じゃあそれはまた追々って感じだな』

「うむ」


 しかし、こうも簡単にカグラを呼び出せるとなると色々とマズいかもしれないな。

 何故って、こんなに簡単に最強の存在を呼び出せると分かれば、何かあった時にこの力に頼ってしまうことになると思うからだ。


 出来ることなら、なるべく自分だけの力で解決したいものだが……。

 その辺りは、自分の中でしっかり意識を持っておかないといけないな。


「……ふむ。大体確認は終わった。ではこのまま最後の用件を話してもいいだろうか」

『最後の……って、ああそっか。三つあるって言ってたっけ』

「ああ。――して、その最後の用というのはだな」


 俺は、カグラの次の言葉を静かに待った。そして、少しの沈黙の後、カグラは言った。



「……紅蓮よ。お前の中にいる――――」



「――ぐ、ぐれんさ~ん? どこですか~?」



 カグラの言葉を遮って聞こえてきたのは、レイニーの声だった。

 どうしてこんな時間にレイニーが外に……って、そんな事よりも、今の姿をレイニーに見られるのはマズいよな!?


『カグラ! 急いで憑依解除だ!』

「だ、だが話がまだ……!」


「ぐれんさん……そっちにいるんですか~?」


『話はまた今度、隙を見てしよう! だからとにかく今は憑依解除だ!』

「む……仕方ない、か。いいだろう……」


 そう言って、カグラの憑依状態は徐々に解除されていく。

 憑依開始時とは違って、解除の時は徐々に抜けていく感じなのか……と思っていると、


「――最後に、一つだけ。……死神には、気をつけておけ」


 そう、言い残して。カグラの憑依は完全に終わった。

 その直後のことだ。


 近くの茂みがガサガサッと動いて、そこからレイニーが顔をのぞかせた。


「ぐれんさん! こんな所にいたんですね!」

「れ、れいにー……ど、どうしたんだ、こんな時間に」

「それはこっちのセリフですよ! 一体こんな時間に何やってたんですか?」

「いや、えっと……なかなか寝付けなくて、一人で特訓を……」

「そうだったんですか……」


 どうやら、お手洗いに起きたレイニーだけが俺がいないことに気が付いたらしく、こうして探しに来てくれたらしい。


「もうすぐ日も昇りますし、そろそろ宿にもどりましょう?」

「日も……って、もうそんな時間なのか!?」

「そうですよ! さあ、みなさんが起きる前に、はやくいきますよ!」

「わ、わかった!」


 かくして、俺にとって長い長い二日間は幕を閉じ、新しい一日を迎えようとしていた。




◇◇◇◇◇




「――あたし、もう一度紅蓮たちの旅についていくことにする!」


 朝。宿から出る時間に、蒼華姉さんが突然俺にそう宣言してきた。

 すると、それに便乗するような形で、


「――わたしも……わたしもお兄ちゃんたちの旅についていきたいです!」

「め、冥まで急にどうしたんだよ」


 俺の前に二人並んで立つ蒼華姉さんと、天才美少女の冥。

 急にどうしたのかと思えば、二人はそれぞれの理由を話してくれた。


「あたし、あれから自分なりに色々と考えてさ。聖騎士団の事とか、悠の事とか。あと、紅蓮のこともさ」

「姉さん……?」

「それで、今はちょうど聖騎士団団長っていうお堅い肩書きも消えたことだしさ。紅蓮をこの手で守りながら、悠を一発ボコしてとっ捕まえてやろうと思ったわけさ」


 姉さんがそう言うと、冥も頷いてから言葉を続けた。


「わたしも、にぃのことで色々と考えててね。どうしてにぃが敵になっちゃったのかを知りたくて、そのためにはお兄ちゃんと一緒に旅をするのがいいのかなって」

「そっか、二人も悠兄さんのことで……」


 俺と姉さん。それに冥と悠兄さん。それぞれの『きょうだい』は幼馴染という付き合いには収まりきらないほど密接な関係……それこそ家族同然に育ってきた仲だしな。

 俺だって、悠兄さんのことは今一番気にはなっている事だ。となれば姉さんも、まして実の妹である冥は当然気にならない訳が無い。


 俺は、メルと顔を見合わせた後、静かに頷いた。


「……分かった。それじゃあ、俺たちの当面の目的は、悠兄さんを倒して、事情を聞き出すこと! これで決定だな!」

『おー!!』


 全員で拳を高く突き出した。その様子は、まるで子供たちの探検隊みたいな光景だったが、また新たな門出としては最高に明るくてやる気に満ち満ちている光景だった。


「あ、あの……私たちも……」


 と、そこに小さな声で割り込んできたのはレイニーとモネの姉弟だった。


「ああ、そうだ……二人はどうする? 俺たちに着いてきてもいいし、二人で好きなところに行っても――」

『一緒に行きます!』

「はは、即答かよ。……分かった。じゃあこれで、お前たち二人も正式に旅の仲間だ!」


 こうして、俺とメル、そして桜花の三人で始まった旅は、紆余曲折を経て、蒼華姉さんに冥、そしてモネ、レイニーを加えた七人での旅へと変わったのだった。

次回は明日更新!

最近バテ気味……です。


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