#63 戦いのその後:責任と葛藤
高評価とブックマーク登録をお願いします!
最近悪天候が続いていて気分が乗らないすね
「仲間を頼って、か……」
あたし――緋神蒼華は、思い悩んだ様子で外に出て行った紅蓮のことが気になって、宿屋の外に出ていた。
紅蓮に励ましの言葉をかけたんだけど、あたしはその中で言った自分の言葉に後悔を感じていた。
紅蓮にはああ言ったが、自分は言った事が出来ていただろうか。
いや、きっと出来ていなかった。と、あたしは首を振った。
「カルマ国王直属の、聖騎士団……かぁ」
色々あって、拾って育ててくれた聖騎士団のみんな。
最初の頃は皆にも頼っていたのに、いつの間にかあたしは一人で突っ走るようになって。
それで、団長になってからも相変わらずで。
だから、ガラドンみたいに不満が溜まっている人がいるなんて全く知らなかったし、正直自分では上手くやれていると思い込んでいた。
あの日の……あの日の戦争も、前に冥から教えてもらっていた予知通りガラドンたちが暴走した結果起きたものだし……。
「やっぱ、あたしって駄目なのかな……」
失敗すると、あたしは決まって考え込んでしまう。
でも、立ち止まることだけは絶対にあってはならないんだ。
だってあたしには、大きな責任があるから。
紅蓮を、たった一人の最愛の家族を守らなくちゃいけない責任。聖騎士団の元団長としての責任。
今ここで全てを投げ出したら、きっとあたしはもう立ち上がれなくなる。
だから、傷つきながらでも、歩みを止めることだけは絶対に許されないんだ。……たとえその道が、間違った道だろうと。
「――お姉ちゃん、だからね」
あたしはそう、小さく呟いた。
「しっかし、あたしも結構つらい思いしてると思うんだよな~……」
姉弟揃って、なかなかに辛い思いをしているものだと、我ながら思うよ。ホント。
「あー、もっと頑張らなくちゃな! お姉ちゃんとして、たった一人の家族を不安にさせるようなことは絶対にさせないようにしないと!」
――そうだ。紅蓮を今後危険な目に遭わせないように、今度は、しっかりとあたしが守るんだ。
そのためには、誰にも負けないくらい強くなって……あの男――魔王だって倒せるような力をつけなくちゃ。
そして、彼から託されたこの不思議な力も使いこなせるように――。
「うし! 切り替え切り替え! さ~て、またトランプでみんなをボコしちゃおっかな~!!」
◇◇◇◇◇
「お兄ちゃん、行っちゃった……」
わたし――式神冥は、何か思い詰めた様子で宿を出ていくお兄ちゃんを見送っていた。
お兄ちゃんは一人になりたい、って言ってたけど……でも、やっぱり心配だよね。
だから、わたしも行って――
「――待って、冥」
「え? お、お姉ちゃん?」
「ここはあたしに任せておいて。紅蓮のことは、あたしが見てくるから」
「で、でもトランプは――」
わたしがそう思って振り返ると、そこにはカードを持って泣きそうになっているメルちゃんとモネちゃん、そしてレイニーくんの姿があった。
「――にしし、勝ったよん♪」
……笑ってピースを見せてくるお姉ちゃんは、わたしの言葉を待たずに外に出て行ってしまった。
「やっぱ、敵わないな……」
どうすることもできないまま、わたしはまた一人取り残されてしまった。
ほんとは、考えることがいっぱいいっぱいで、誰かと――お兄ちゃんと一緒にいたかったんだけど。
わたしは寂しい気持ちを抑えたくて、部屋の隅っこの方に移動した。
壁に寄り添って、一人考える。
「……にぃ」
悠にぃと、この世界でまた出会った。出会えた。
それなのに、なんでにぃは、にぃはわたしのことを敵扱いしてきたの?
今まで、わたしは悠にぃを一番の頼りにして生きてきたのに……。
なんで、わたしを襲ったの?
ううん、わたしだけじゃない。
悠にぃは、お兄ちゃんも、お姉ちゃんも狙っていた。二人とも、にぃは家族のように大切に接してきていたと、そう思っていたのに。
「なんで……なんでにぃは――」
それに、わたし、まだ謝れてないんだよね。
お兄ちゃんに、無神経なこと言ったこと。まだ、謝れてない。
どうしよう。やっぱり、わたし一人じゃどうすることもできないよ……。
「たすけて……お兄ちゃん……」
次回更新は明日です~!
今回の章は綺麗にしめられそうで満足してるので期待してて。
高評価↓↓↓




