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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第七章 ≪覚醒の龍神≫
65/146

#60 幕引き

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この章はこの話で終わりです。次回から幕間です。



 かつての私は、『剣神』と呼ばれ讃えられていた人間だった。


 世界を救った勇者の、一番の相棒。

 互いに互いを支え合って、どんな困難だって乗り越えてきた。


 彼の使う、聖なる光の力は、まさしく世界を照らす太陽の如き輝きだった。


 私には、それが眩しくて仕方なかった。



――世界を救った。



 もちろん、勇者は讃えられた。

 その仲間の一人である、私も。


 気付けば、深い闇の中に囚われていた。

 目の前には、倒れた勇者の姿と、禍々しいオーラを纏った一人の男が居た。



『――さあ、実験の開始だ』



 男はそう呟いた。




◇◇◇◇◇




――ワタシが思い出したのは、ここまでだった。


 ワタシがぐれんとコミュニケーションを取らなくなったのには、二つの理由があった。


 一つは、ぐれんにも説明したように力を蓄えるため。

 解放されていく力を調べ、同時にぐれんに害が無いように制御に集中するためだ。


 そして、もう一つは、その中で頭に流れ込んでくる昔の記憶に集中する為。

 今まで何となくで理解していた昔の『私』の記憶を、もっと鮮明なものにしたかった。



 だから、ワタシは『私』に集中するために眠っていた。



 そして、時は満ちた。

 力の解放も、思い出される過去にも落ち着きが見えた。


 さらに龍神などという規格外の存在とぐれんはいつの間にか深い関係になっていた。

 ワタシ的には、なんだか複雑な気持ちだが……それでも、『力』が手に入ったことには変わりない。


 ならば、都合よく利用してやるのだ。

 そうして、ワタシは『私』を取り戻す――



 そして、ぐれんを私の物にしてやるのだ。




「――そういう訳だから、お前にはそこそこ頑張ってもらいたいのだっ!!」

「――ッ!?」


 ワタシは体が自由に動かせることを理解する前に足を動かしていた。

 高速を超えた音速の如きスピードで、少女を襲おうとしている魔人に斬ってかかったのだ。


「動きが、変わった……。は、ははっ……一体何をしたんだ紅蓮ッ! お前がボクに敵うはずないじゃないかッ!」

「フン、そんな見え透いた魔法――こうしてやるのだッ!」


 標的を少女からワタシに変えてきた魔人は、『それなりの』スピードで斬り込んできた。

 剣を振るう反対側の手では、闇属性の爆発系の魔法が構えられていたが……。


 ワタシは、魔法ごと切り裂いてやった。


「なッ……!」


 それに驚いて、いったんワタシと距離を取る魔人。

 どうやら態勢を立て直すつもりのようだが。


「――そんな暇は与えてやらんのだ」

「――消えッ……!?」


 ワタシは、魔人に解放されていた力の内の一つ――『光速』で詰め寄った。


「遅い、のだ」

「――ガフォァァッ!?」


 ぐれんに殺さないでくれと言われていたから、ワタシは剣の腹で思いっきり魔人の腹を殴りつけてやった。


「これでワタシの勝ちなの――」

「――まだ、だ……まだだァァァッ!!」


 見上げた根性なのだ。

 吹き飛ばされた直後、魔人は倒れながらに闇魔法を放っていた。


 しかし――


「すまないのだ。ワタシとお前では――――相性が悪いのだ」


 ――ワタシは、光魔法を放った。


「なッ……光魔法、だと……ッ!」


 ワタシの放った光によって、魔人の放った闇魔法は消えていく。

 力の差は、歴然だった。


「――どうする、まだやるのだ?」

「お前……紅蓮じゃ、無いな……ッ! 誰だ……ッ!」

「ワタシか? ワタシはな――――」




「――――聖剣、アレイア。まさかこんなタイミングで覚醒するとはな」




 刹那、魔人の目の前に新たな魔人が現れた。

 いや、あれは魔人と呼ぶには少々オーラの禍々しさが異常なような――



「あれ、いあ……?」



 それに、何だろう。その名前は……。

 ワタシの名前、ではないはずなのに。何故か、頭が痛くなって――


「ユウ、残念だがここは撤退だ」

「――――魔王様ッ! 一体なぜ! 目の前に、【憤怒】も『聖剣』もあるというのに……ッ!」

「状況をよく見ろ、ユウ。我々にとって不利な光属性の使い手に、神の……龍神の気もあるのだ。ここは一旦引かざるを得ないだろう?」

「……くッ……!」


「――逃がさないのだ」


 魔剣創造――『無限ノ剣インフィニティブレード』ッ!


 ワタシは自身の周囲に幾本かの剣を創造し、魔人たちに向けて放った。



「――常闇ノ帳ブラックベール



 しかし、それはあの魔人――魔王によって止められてしまった。



「悪いが、ここは引かせてもらう。――だが、近い未来に我々はまた貴様らの前に現れるだろう」

「……ッ」

「貴様――聖剣と、そこの人間の女が持つ力をいただきにな」


 魔王は、蒼華とワタシを見ながらそう言った。


「――ではな」


 そう言い残して、魔王と魔人は消えていった。




次回は明日更新します~!!!

幕間まで投稿終わったら全体の改稿するわよ

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