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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第六章 ≪三つ巴の戦争≫
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#51 倒れぬ闘姫

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「――は、話って……?」

「何、簡単な話だ。――私のために死んでくれ、人間ッ!」


 とてつもないスピードだった。

 言葉の終わりと、飛び出してくるタイミングが全く一致していないくらい、魔王アレンは速かった。


 それでも蒼華は、未だ続く『身体強化』のスキルの効果の一つ、『反応速度上昇』の効果によってその攻撃に対応することができた。


「なに……今の……!」

「次は外さん。死ねッ!」


 正面からの攻撃。蒼華は再び反応できると思い、構えたのだが……


「遅いッ!」

「やばっ――」


 鋭い手の構え――蒼華は刹那の隙に死を悟った。

 しかし、神はまだ蒼華のことを見放してなどいなかったのだ。



『いやあああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!』



 森中に響き渡る女の子の叫び声。それは、森の中心から聞こえてきた声だった。

 その声を聴いた魔王は蒼華の寸前で止まり、そして何かに気が付いたように飛び上がった。


「まさか……そんな馬鹿な……っ!」

「な、なんなの……?」

「いや、だとすれば……アレを呼び出し憑依させても尚耐えることのできる器が居るということか……ッ!」

「憑依? 器? い、一体何の話を――」

「チッ……今の私ではアレに太刀打ちなどできん。ここは一旦引かせてもらおう」


 そう言い残して、すぐに魔王はその場から姿を消した。


『人間よ、お前ともまた近いうちに会うことになるだろう。――次に会う時は、その力ごとお前の全てを奪ってやろう』


 その後すぐに、声だけ聞こえてきたが……そんな言葉も忘れるくらい、戦いの状況は急転していた。

 木々が燃え、煙が少しずつ森全体に充満し始めていたのだ。


 それに、マグナが放った魔王軍の魔族たちも撤退したわけではなさそうだ。


「――まだ、やれる……! それなら、私は……私が今するべきことは!」




◇◇◇




「――魔族などに臆するな、お前たちッ! エルフ共々そのまま焼き払ってしまえッ!」


「そうはさせないッスよ~? 全部返り討ちにして、森を燃やした責任を取ってもらうッスからね?」


「人間も、エルフも、全ては魔王サマの為に、ミナゴロシだッ!!!」



 突如として戦闘に介入してきた魔族――魔王軍の魔族たちだったが、聖騎士、エルフの両軍ともにその対処は迅速だった。

 しかし、いくら対処が良くても、戦力が分散してしまうのは事実で、痛手だった。


 魔王軍は、聖騎士団やエルフ軍よりも数が圧倒的に多く、いくら死んでも次がすぐに襲い来るため休んでいる暇など無かったのだ。

 現状は拮抗しているように見えるが、魔王軍が優勢であり、エルフは死傷者多数、聖騎士団は死傷者は少ないものの引き気味な戦いを強いられていた。


「が、ガラドン様……このままでは魔族共にやられてしまいます……!」

「ええい、黙れッ! エルフはこのまま押せば勝てる! ならば火攻めは終わりにして、全力で魔王軍の対処に当たらんかッ!」

「で、では魔石を……?」

「そうだと言っているッ! 早くしろッ!」


「フット様……もう、我々は限界です……! 我々がここで奴らの足止めをしますから、フット様だけでも儀式の護衛に……」

「何言ってるッスか……ここまで仲間がやられて、黙って引くわけにもいかないッスから」

「で、ですが魔族軍の数が明らかに多すぎて――」

「そッスね……何か、一気に敵を倒せるような策でも練らないとまずいッスね、きっと」


 各々が様々な思考を巡らせる中、そんな混沌と化した戦場に現れたのは。



「――聖騎士団団長、緋神蒼華ッ! ただ今見参ッ!!」


「な、何故ここに団長殿が……足止めしていたはずでは……ッ!」

「あんなの全部倒したよ。みんな鍛え方がなっていない、へなちょこクンばっかだったからね。これならまだウチの紅蓮の方が強いかな?」

「く、クソ……ふざけるなよ、小娘がァッ!」


 ガラドンが、蒼華に向かって突進してくる。

 が、『身体強化』を四回重ね掛けしている蒼華の前では――


「そいっ」

「がぶふぉああああああッ!」


 いくら鎧を着て、ガタイのいいガラドンと言えども一撃でやられてしまうのだった。


「だ、団長ッ!」

「それは、どっちに言ってるのかな?」

「そ、それは……」


 倒れたガラドンに駆け寄った聖騎士に、蒼華は問う。

 彼はその問いに、答えられずにだんまりとしてしまう。


「ん~、まあいいや。聞かなくても答えは分かるし」


 「それに……」と、蒼華は戦場をぐるっと見渡した。



「――全員まとめて倒すから、関係無いし」



 刹那、蒼華は飛び出した。

 その速さは、先程の魔王さながら、戦場にいる者からしたらかなりの高速で動いていた。


「い、一体どうしたらそんな力を手に入れられるのだ……ッ!?」


 蒼華は、この場ではもう『動く災厄』だった。

 目の前に現れたかと思えば、刹那の隙に腹を殴られる。魔族も、エルフも、聖騎士も、殺すことなく、全て等しく殴り倒していく。


 ガラドンの指示で、森の炎は少しずつ消火されていて、既にそれほど脅威ではなかった。


「何か策を、と思ったッスけど……いやいや、あれはレベルが段違いッスよ。なんなんスか、あの子」

「――別に、ちょっとだけ無理してるから焦ってるだけなんだけどね」

「え――」



 その間、僅か5分程度。

 そんな短い時間で、魔王軍、聖騎士団、エルフ軍すべての勢力が、たった一人の少女に倒されてしまったのだ。




 しかし、たった一つだけ。蒼華には分からなかった誤算があった。



「あれから、大体30分――」

「……?」

「さっきの悲鳴は、儀式の最終段階が始まったってことッスから……」

「何を、言って――」



「――我々エルフの勝ち、ッス」



 ――『儀式』は今、この時を以て、終わってしまったのだ。

次回更新は明後日です!明日はお休みします~!

課題終わらん……


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