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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第六章 ≪三つ巴の戦争≫
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#50 恨みの果てに

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無理矢理継承させた



 蒼華がマグナを倒した直後のこと――


「よし、これで拘束完了っと。この騒動が終わったら色々と君には話してもらうから覚悟しておいてよね」

「……ハッ、無駄だ。俺様は何も喋らねェからな」

「はぁ、強情な奴だな君は」


 マグナをそこら辺の木に縛り付けて拘束した蒼華は、森の様子を再び確認した。


 森の入り口――外側の一部は聖騎士団の仕業によって炎上している。

 主犯はガラドン副聖騎士団長。さらにそれに賛同する複数の幹部たちもこの戦闘には加わっているようだ。


 レバンスから伝えられた『王の考え』というものはかなり重要なようだが……。



 蒼華は次に、炎上している方とは反対の方を見た。

 そちらには、光と闇の混じったような不気味な光の柱が天に向かって伸びていた。


 あれは何なのだろうか。

 蒼華にはその正体は分からなかったが、紅蓮たちがそちらに向かったところを見ると、この戦いにおけるかなり重要なものがそこにあるのだと推測した。


 そして最後に、蒼華はその二つの騒動のちょうど真ん中あたりに意識を向けてみた。

 そこでは、聖騎士団と交戦する謎の勢力が。ここはエルフ族の住まう大妖精の森だから……恐らく森を守るために戦うエルフの軍なのだろう。



 と、蒼華はそこまで推測を立てると、瞬時に行動を開始しようとした。

 その、一瞬の隙に――彼は現れたのだ。



「――マグナを倒したのは、お前か?」



 おぞましい程の威圧感。たったその一言だけで、蒼華の身体が止まった。


「はいそうです、って言ったら……?」

「いや、別にどうもしない。今は、な」


 その男――魔王アレン・ディヴォ―トはそう答えながら、拘束されたマグナの元へ歩み寄った。


「フン、マグナよ。これで分かったか? 貴様は所詮『余興』に過ぎなかったのだよ」

「ケッ……魔王サマよォ。テメエの『本命』とやらが何かを起こす前に俺様がこの力で全部終わらしてやろうと思ったんだがなァ……」

「フッ、貴様の暴走も私は織り込み済みだ。だが――」


 魔王アレンが、マグナの身体を少しだけ見て言った。


「――貴様がその力を手に入れるとは思わなかった。よくやったぞ、マグナ」

「ァ……? まさかオメエ……この力まで狙って――」

「ああ、そうだ。我々魔王軍は、マグナのお陰でまた大きく一歩前進することになった! 褒めてやろう!」


 両手を広げて魔王アレンは笑っていた。

 しかし、マグナはそんな魔王のことを鋭く睨んだ。


「――これで、何個目だ」

「二つ目、だ」

「ああ、そうかよ。なら残念だったな、二つ目にならなくて」

「……? その力は既に我のモノだ。何故って? ――今からお前を殺して奪い取るからなァッ!!」

「そう簡単に奪わせてたまるかよッ!」


 マグナがそう叫ぶと、蔓や石で拘束されていたマグナの肉体は、先程の蒼華との戦闘で見せたような業火に包まれた。


「おい、人間の女ァッ!」

「な、なに……!?」


 拘束を自力で解いたマグナは、魔王の放つ威圧感で動けずにいた蒼華の隣に飛んで動いた。


「――俺様はきっとこのまま、アイツに殺されてこの世からおさらばだ」

「い、いきなり何を……」

「だから、これだ。コイツを持っていけ」


 そう言って、マグナは自分の角の欠片を蒼華に渡した。


「こ、これは……?」

「――それを飲め」

「え……飲めって、これを!?」

「いいから早くッ!」


「おい……何をしているマグナ。そんなことが許されるとでも思っているのか? なァッ!」


 魔王は、マグナが何をしようとしているのかに気が付いて急いで飛び出してきた。

 そして、その瞬間。蒼華は意を決してマグナから渡された角の欠片を飲み込んだ。


「――まだだッ!」

「いいや、遅いねッ! ――既に譲渡は終わった!」

「譲渡……?」

「クソがァァアアアアアッ!!!!! マグナアアアアアアアアアアッ!!!!」



「――おい、人間の女。俺は、強え女は嫌いじゃないんだ。だから、俺の代わりにその力をくれてやるよ。元々はお前のお陰で手に入れられた力だしなァ……」



「フザケルナアアアアアアアアアアッ!!!!!」



「――俺は、オメエのそういう顔が見てみたかったんだよ。ハッ……ざまあ見やがれ、異邦人が…………」



 そう言い残して、マグナは完全に消滅した。

 ――おい、魔王の手によって。


 そして、そんな彼が次に狙うのは――



「おい、人間……気が変わった。少し話をしようか――」

次回更新は明日です!

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