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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第六章 ≪三つ巴の戦争≫
49/146

#44 手遅れ

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遅かったみたいです、、、



「子供の声……どんどん近くなってる!」

「大きな声を出してくれてるお陰で、結構すぐに見つかりそうだね……っ!」


 あれから数分後のこと。

 森に入った冥とメルは、ひたすらに声の聞こえる方へと走っていた。



「うわあああああん……おねえちゃあああん! ぐれんさああああん!」

「ッ……!?」



 子供の……少年の泣き声がとても近くなってきたお陰か、何を叫んでいるのかがはっきりと聞こえるようになった二人。

 その顔は、その言葉を聞いた瞬間に不安と焦燥で歪んでいた。


 そして、木々や草むらをかき分け、声のする方へ抜け出ると、そこにいたのは――。




「――だ、だれ……ですかっ…………!?」




 音に反応して立ち上がったレイニーと……


「え……うそ……。うそ、だよね……お、おにいちゃん……?」

「あ……ぁ…………グレン、さん……? どう、して……?」


 ――ボロボロに傷ついて、胸にナイフまで刺さってしまっている状態の、横たわる紅蓮の身体だった。


「ぐれんさんを、知って――」

「――お前かッ!! お前がやったのかッ!?」


 刹那、レイニーに飛び掛かるメル。

 まるで獲物を食い殺す獣のような形相で、レイニーを地面に抑え込んでいた。


「ちがっ……ちがうけど……でも、ぼくのせいっていうのは紛れもなく、事実で……ううっ……」

「――殺す」

「ま、待ってよメルちゃん!!」

「どうしたのよ。目の前に、大切な人を殺した殺人犯がいるのよ? ――殺してしまうしか、ないじゃないの」


 メルは、これでもかなり感情をセーブしている方だった。

 本当なら、今すぐレイニーを引き裂きたい衝動で心と頭がいっぱいなのに、それでもそうするのを抑えていたのだ。


「――待って、メルちゃん……」


 すると、冥はそんな彼女に近づいて行って、チョップを一発くらわした。


「――ッ。何するのよ」

「お兄ちゃんを、治療してみる」

「な、何を……! もう、この身体じゃ……」

「そ、そうですっ! ……ぼくが言うのもあれですけど、もうこうなってからだいぶ時間が……」


 メルはその言葉を聞いて、再びレイニーに飛び掛かろうとするが、再び自制心を働かせ何とか抑えていた。


「だ、大丈夫……だよ。だってわたしは、天才魔法使いなんだよ? できないことなんて、あるわけ無いじゃん……」

「……? メイさん……?」


 プルプルと震える手足で、紅蓮の身体に近づく冥。


「だって、だってだってさ。お兄ちゃんが死ぬとか、あるわけ無いじゃん……」


 スキルを使い、そのまま紅蓮の身体を治癒していく。

 しかし、今の冥のレベルでは、紅蓮を助けることはほぼ不可能――絶望的だった。


「絶対に……絶対に助けて見せるから……っ!!」

「メイさん……」


 今までやってきた治癒よりも、過剰なくらいの力で紅蓮を癒す冥。

 空いた傷は次々と塞がり、もう見た目に損傷は一つもない。だが、一向に紅蓮が目覚める気配は無かった。


「なんで……なんでこんな時に限って、何にも出来ないんだよわたしはッ!!」

「……」


 この場にいた、誰もがそろそろ現実を受け入れ始めていた。

 ――紅蓮は、死んだのだと。



 誰もが、そう思い始めていた。

 だから、この後起こる奇跡のような出来事に、誰もが驚くことになる。



『――ククク……これは、死の祝福だ……』




◇◇◇◇◇






「クソッ……あの女、強かった……ッ!」


 その男は、ある少女との戦いで敗れた。

 それは、男にとってもう二度と味わいたくもないような屈辱だった。


「それに、あのガキ……俺様のことを、憐れむような目で見やがった……ッ!」


 ――魔王軍四天王には、軍を動かす権限がある。

 男にも、その権限があった。


「ふざけやがって――どいつもこいつもッ!!」


 男は、すぐに人を、魔物をかき集めた。

 ターゲットの居場所は既に分かっていた。


 新たに獲得した、スキルによって。



「――あの二人を殺して、魔王も殺す。そして俺様が、新たなる魔王に……ッ!」




――スキル『憤怒』が解放されました。


次回更新は明日です!

この章が終わったら物語全体の改稿を予定していますのでそれまでお見苦しいところがあってもお許しくださいませ…………


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