#35 起きたら天才美少女がそこにいた
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新章開幕!!
◆◆◆◆◆
――死の感覚……ああ、久しぶりだ。
この快感がまた味わえるとは……。
やはりこの人間を選んで正解だった。
我の目に、狂いなど無かったのだ。
あと、三つだ。
あと三つで、我の呪いは解かれ、再び現世へと――
◆◆◆◆◆
――俺、緋神紅蓮が目覚めると、既に日は天高く昇っていた。
「あ~、やっと起きましたね! お兄ちゃん!」
そして、俺の隣には……いるはずのない人の姿が見えた。
「どうしてここに冥が……? ああ、そっか……俺、もう死んだのか……」
じゃなきゃ、大切な幼馴染の姿が見えるはずないだろう?
「お兄ちゃんは死んでません~! 生きてますうううう!!」
……? どういうことだ?
「ああもう! じゃあ今からちゃんと説明するので聞いててくださいね!?」
そう言うと、目の前の小っちゃい美少女は色々と俺に話し始めた。
で、その聞いた話をまとめるとこんな感じだった。
曰く、俺、蒼華姉さん、メル、桜花の3人プラス1本(?)で薬草採取のクエストに出かけたところ、魔王軍四天王を名乗るマグナという魔人族に襲撃された。
大丈夫、ここまでは覚えている。
で、蒼華姉さんがそのマグナを圧倒して、挑発しながら追い詰めていた、と。
これも覚えている。
そしたらマグナは怒って、その怒りの矛先をメルに向けてきたので、俺はメルを庇って腹に穴が開くほどの大怪我を負った、と。
ここまでだ。ここまでなら、俺の記憶にちゃんとある。
でここから先は初知りの展開だ。
まず、なんやかんやあってマグナを倒した姉さんたちは急いでヴェインの街に向かったと。
そして、街に着いたらこの美少女が待っていて、彼女が俺の治療をしてくれた、と。
で、そのまま宿に泊まって、色々と話をした結果……
「姉さんが、帰った……と?」
「ですです」
理由は聖騎士団で何かが起こるかもしれないから……とこの美少女は言った。
かなり曖昧な話だが、この美少女には『予知』というスキルがあるらしいので、ほぼ間違いはないという。
「お姉ちゃんが帰ったのはついさっきです。ぷぷぷ、ざまーみろですあのブラコンお姉ちゃんめ! ししし!」
「冥……お前なぁ……」
メルもいたのだが、彼女も苦笑いをしていた。
桜花も当然側にいたが、眠ってしまったのか、一向に声を出す気配が無い。
「さて! お兄ちゃん!」
「いや、さてじゃないよ」
「あう」
「どうしてこの世界にお前が居るんだ」
「うう、ちゃんお説明しますよお、だからそんな怖い顔しないでください~!」
俺は溜め息をついた。
「あうう……。事情は、わたしもよくわからないんです……」
「本当に?」
「はい……。あ、でも、話してたら分かったんですけど、わたしが召喚されたのはお姉ちゃんと同じ日……みたいですよ!」
……ふむ。という事は、俺があの日桜花と見た青い光の柱の内の一つに、こいつが居たという訳か。
「んー、ところでわたしのことちゃんと覚えてます?」
「え? ああ、もちろん」
目の前にいるこの美少女――彼女の名前は、式神冥。
俺や姉さんとはとても関りの深い人物で、さっきも言ったが幼馴染でもある。
とはいえ、幼馴染……というよりかは家族っていう方が近いけどな。
俺と姉さん……緋神家の両親と、彼女……冥とその兄さんの両親はどちらも俺たちが幼い頃に亡くなっているのだ。
だから、俺たち四人は昔から家族同然のように育ってきた。
苗字が違うのに、冥が俺のことをお兄ちゃんと呼んでくれるのはこのためだ。
「『天才』美少女の、式神冥だろ?」
「ふふん、ちゃんと分かってるようですね! さすがです! お兄ちゃん!」
……さて、色々と確認も済んだことだし、俺も今のやり取りでだいぶ目が覚めてきた。
俺はゆっくりとベッドから降りて、立ち上がると、冥にこんなこと聞いてみた。
「なあ、冥。俺たち、今は冒険者やってるんだけど、これからどうすればいいかな?」
「あ、そのことでしたら心配ご無用です!」
お?
冥のやつ、俺の言葉を聞くなりベッドの上に仁王立ちして……どうしたんだ?
「――さっそく、クエストに行きますよ! お兄ちゃん、そしてメルちゃん!」
『え……?』
「今日からわたしがお姉ちゃんの代わりです! これからはボスと呼ぶように!!」
え……ボス。俺、大怪我した後なんですけど
「わーはっはっはっはっはっはっはっ!!!!!」
うわー……ガチだ、これ。
ぼす~、勘弁してくださいよぉ~!!
言っておくけど、紅蓮君自体は本当に最弱ですからね!?
次回更新は明日です!
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