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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第四章 ≪魔王軍の襲来≫
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#30 マグナの罠

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†領域展開†



「――ケケッ! 領域展開、ってやつだぜェ……ッ!!」


 そう言いながら、マグナは姉さんの周りを縦横無尽に駆け回る。

 時々、奴が地面や木の上の方に向けて手をかざしているのが見えたが、あれは――


「そんなに無邪気に走り回っちゃって。もっとお姉さんと遊びたいのかな?」

「ケケ! 言ってろクソ女ァ!」


 きっと姉さんなら気が付いているだろう。

 アイツは、何かを『仕掛けている』って。


「どうした人間のクソ女! 俺様にビビってんのか? アア!?」

「ビビってるのはどっちなんだろうねぇ~? ん?」

「……いちいち癇に障る人間だな……ムカつくぜ」


 姉さんめ、また挑発して……。

 なんて思ったけど、あれは違う。挑発は挑発でも、姉さんの方もマグナの挑発に乗って怒ってるんじゃ……。


 心なしか姉さんの背中に鬼が映って見えるもん。


「だが……ケケケッ。オメーがおとなしく俺様のことを見ている間に、俺様の準備は全て整ったぜ……」

「じゃあ、来なよ。――全力で捻りつぶしてあげるからさ」

「ほざけ……クソアマァッ!!」


 再び戦闘が再開された。

 先に仕掛けたのはやはりマグナだ。姉さんは自分から仕掛けるようなことは一切しない戦い方をする。


 それは、「相手の出方をうかがうため」とか「相手の癖や特徴を観察するため」なんて言っていたけど。

 実際のところ、先に仕掛けた方が有利な気はしていた。


 しかし姉さんは、いつも戦いでは後手に回っているのに、必ず最後には勝つのだ。

 だから俺は、そんな姉さんを尊敬していた――


「チッ! やっぱ強えな、オメー」

「……?」


 少しの肉弾戦の後、マグナはわざとらしく一歩引いて姉さんの様子をうかがっていた。

 あれは……誘っているのか?


「……なに? それであたしを誘い出せるとでも思ってるの? 魔王軍の四天王って、馬鹿でもなれるんだね」

「…………チッ」


 マグナは悔しそうに舌打ちをした。

 そりゃそうだろう。俺でも分かるほどのその挙動で、明らかに罠があるって分かるのに、姉さんがそれにわざわざ引っ掛かりに行くようなこと……するわけが――


「ふっ。いいよ、乗ってあげる。せいぜいあたしを楽しませてね……っ!!」


 そう言って姉さんは駆け出した。

 嘘だろ!? わざわざ自分から罠にかかりに行くようなこと……姉さんがするわけが無いのに!


「ケケッ! 罠があるってわかってンのに、わざわざそっちから来てくれるとはなァ!」

「ちょっとした余興みたいなものだよっ!」

「――余興、だと……?」

「そう、余興……っ!!」


 

「――ふざけんな。ふざけんじゃ、ねェぞ……クソがッ!!!」



「おっと、落とし穴か……!」


 姉さんの挑発にマグナが再び乗ると、マグナは仕掛けていた罠を次々と発動させていった。

 始めは足元に仕掛けていた落とし穴だ。


 その落とし穴は的確に姉さんの通るルートに、いくつも仕掛けられていたが……。


「ンでかかんねェんだよ……!」

「――ちゃんと、見てたから」

「クソがッ!」


 姉さんは、その悉くを避けてマグナへと詰め寄っていく。

 対するマグナも、引きながら新たな罠を発動させていった。


「木の陰から……かなっ!」


 それは、木の陰から矢や石などが降ってくる罠だった。

 しかしそれも、姉さんは全て躱してしまう。


「クソッ! なんで……なんでなんでなんでッ!!!」


 あれは……あの感じは。

 なんだか、俺と似ている気がする。


 どうしようもなく大きな壁が目の前にあって。

 それを超えようとしても、『現実』が心をだんだんと破壊していって。


 ……奴にとって――マグナにとって、姉さんは『絶対に超えられない壁』なんだと、悟った。


「罠の精度、対象あたしを狙った正確な位置取り……全部完璧だよ」

「でも、俺様の罠でも、オメーには……ッ!」

「そう。――ごめんなさいね。どうやらあたし、この世界じゃ相当強いらしくて」

「……は? なんだよ、それ……」

「――貴方じゃ、絶対にあたしには敵わない。だから諦めて……」



「……る、せェ……」


 ……。

 俺はただ、黙って見ていることしかできなかった。


「――うるせェうるせェうるせェうるせェェェッ!!!!!」



 マグナの瞳は、先程よりもさらに赤く染まっていた。

 身体の皮膚からは血管が浮き出ていて、かなり怒っているのだとすぐに見て取れた。



「――あァ、どうやら俺様がオメーには敵わないってことはよーくわかったぜ」

「そ。それならとっととあたしに――」



「だから、俺様はもうオメーとは戦わねェ。まずは周りの邪魔な奴から――」



 ――なんで、奴はこっちを向いているんだ?

 いや……俺、じゃない。


 俺の後ろにいる、メルを見て――



 ――それが分かった瞬間。俺はメルに向かって全力で駆け出していた。

 ここで、戦闘能力のあるメルが狙われるなんて。いや……違う。戦いの有利不利なんて関係ない。


 メルが傷つくなんてこと、あってはならないんだ。

 俺が、守るって約束したから――。



「――ブチ殺してやるッ!!!」



 戦いでは、活躍できない俺でも。


 せめて、誰かを守る盾くらいには、ならなきゃ――




「――あがッ……………………」




 刹那。俺の意識は、フッと途切れた。

このパターンは自分がよくやる手法です。なんならこれ一回きりじゃないかも……?

次回は明日更新です。


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