#27 蠢く陰謀
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展開が速すぎるか?
「――ほう。あの時の人間が聖騎士団の団長と共に、か」
目の前に座るその男は、自身の使い魔である小さな悪魔から仕入れさせた情報を聞いていた。
使い魔との会話はできないが、『思念伝達』によって疑似的な会話を可能としているのだ。
「ではここらで一つ、余興と行こうか」
「余興、ですか? ――魔王様」
「ああ、そうだ。」
魔王アレン・ディヴォ―ト。
その男は、何かを企んだ顔でこちらを見てきた。
隣に立つ男は、まだ魔王アレンの思惑に気が付いていないようだった。
その男の名は、シキガミ・ユウ。つい先日異世界から召喚されたという、異世界人だ。
「――マグナ。分かったか?」
「ケッ、分かりたくなかったがなァ」
「ククク……流石だ」
マグナ。魔王の眼前に跪く三人の魔族のうちの一人の名だ。
赤い髪に赤い瞳、尖った角に尖った髪型という、なんとも攻撃的な見た目の青年といったところだろうか。
そんなマグナは、溜め息をつきながら立ち上がる。
「お前は我が魔王軍の四天王の中でも、序列は一番低いが……」
「ケッ、わざわざ口にすんじゃねェよ。魔王サマ」
「……フン。せっかく誉めてやろうと思ったのだがな」
「ヘイヘイ、そーでございますか」
魔王軍四天王。それは魔王アレンの率いる配下の中でも最も力を持つ四人の魔族のことである。
だが、当然その四人の中でも強さの優劣はつけられてしまう訳で。
このマグナという男は、その四天王の中でも最も弱いとされるもの……序列最下位なのだ。
マグナには、それが許されなかった。
自分は強い。強いからこそ、こうして魔王軍の幹部である四天王に成れたのだから。
しかしその中で最弱であることで、軍の中の評価も、『四天王最弱』と言われることも少なくないのだ。
「魔王様、その……余興というのは?」
魔王の隣に立つシキガミ・ユウは未だに『余興』について分かっていないようだった。
「そうか、お前はまだこの世界に来て日が浅いからな。教えてやろう」
マグナには、もう一つだけ許せないことがあった。
「我々は今、とある人間の少年が持つ剣――『聖剣』を狙っているのだがな」
「聖剣、ですか……」
「そうだ。その聖剣を奪うために、魔王軍を動かすというわけだ」
「それが、余興……?」
「ああ、当然『本命』も用意するがな」
そう、これだ。
マグナは、自分が『余興』として扱われることに納得がいっていないのだ。
自分はどうせ失敗するだろうから、その時の本命もしっかりと用意されている……そんなことをされれば、プライドだって傷がつく。
ただでさえ、ポッと出の異世界人が魔王軍四天王の序列最高位にいるというだけでも気に食わないというのに。
「では、早速行くがいい。期待はあまりしていないが、無事に聖剣を持って帰ってこれることを祈っているよ」
「――頑張ってください、マグナさん」
「ケッ…………」
ここで自分の力を見せつけてやれば、序列だって上がるかもしれない。
そんな考えが、マグナの闘志を燃やしていた。
今、彼史上最高潮の熱量を持ったまま、彼は転移していく。
目指すは、人族の最も大きな町――『ヴェインの街』だ。
何処かで見直す必要がありそう……
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