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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第二章 ≪共に生きる者≫
18/146

#16 二人で

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第二章終わりです。



「そうか……そんなことがあったのか」


 俺はメルからここに至るまでの事情を聞いた。

 両親の為に必死に頑張って生きてきた彼女は、お金のために父親に奴隷商に売られてしまったのだ。


 それから一年間、奴隷商の元で最悪な生活を強いられることになり、大勢の人の前で肌を晒したり辱めを受けたと言う。

 そんな中、不幸中の幸いだったのは彼女の純潔が守られていたことだった。


 多分俺が彼女の立場だったら、純潔が破られた時点ですべてに絶望して、もう何もかもがどうでも良くなってしまっていただろう。

 想像しただけでもゾッとする。


「……ぐれん、さん」

「……どうかしたか?」


 彼女は、俺のボロボロになった学生服の裾をきゅっ……とつまんだ。

 その手は、とても震えていた。


「私、このまま死んじゃうのかな……? もう、一人になっちゃったし、生きていけないのかなぁ……?」

「っ……!」


 言葉の途中から、彼女の目元からは涙がボロボロと溢れていた。

 その姿に、俺の胸は苦しくなる。



 努力が報われることが無いまま、信頼していた人に裏切られて。

 生きる意味を見失って、それでも不幸や絶望というのは絶え間なく自分の身に降りかかってきて。


 こんなの、理不尽じゃないか。

 結局この世界は、力のある奴が力のない奴を支配する……こんなの、腐ってるだろ。



 ――彼女は、俺と似てるな。

 そうか、俺が桜花と出会った時の桜花かのじょの気持ちって、こんな感じだったのか。


「――――大丈夫」

「え……?」


 俺は、彼女の手を取った。そして、その手を優しくそっと包み込んだ。


「俺が、君を一人にはしないよ」


 俺と似てるから、よく分かる。

 彼女は、今どうしようもない大きな不安感と絶望に押しつぶされそうになっているはずだ。


「絶対に、俺が君を守ってみせるから……だから……」


 誰かが、寄り添ってあげなくちゃいけないんだ。

 そしてその誰かは、今ここに俺しかいない。


 いや……俺以外の誰にも彼女の気持ちは理解できないだろう。

 だから。だからこそ。



「安心して。俺は、君のことをちゃんと見てるから。――分かってあげられるから」



 ……ちょっと上から目線過ぎたか……?

 言ってから俺は後悔した。


 しかし、そんな考えは取り越し苦労だったようだ。



「――わた、し……わたし、は……」



 彼女は、天を仰いだ。そして――



「うわああああああああああああんっ!!」



 大粒の涙を、滝のように流して膝から崩れ落ちた。

 ……ここで彼女を抱きしめてあげられるくらいの度胸が俺にあればよかったのだが……。


 そこまでは、流石にできなかった。

 キザなセリフ言ったくせに、そういうことができないから俺って男は陰キャ止まりなんだろうな。



「ぐすっ…………」



 これからは二人で生きていこう。

 いや、正確には三人か。まあ細かいことは置いといて。


 彼女を絶対守るなんて言ったけど、俺は弱いから守られてしまうかもしれない。

 だから、もっともっと強くならなくちゃな。


 宣言通り、彼女を守れるくらいに、強く……強く……!



『……。ぐれんのばか……』






◇◇◇◇◇






「――ディクス大森林に兵を、ですか?」


「ええ、お願いします」


「で、ですが一体なぜ……?」


「理由はいくつかありますけど……主な理由は街で悪さをしている例の大盗賊団のアジトがあるらしいんです」


「な、なんと! では至急兵を集めます!」



 今日、私は――



「流石新たな聖騎士長さまだ……。アジトの発見というだけでも大手柄なのに……」


「異世界人だから、その能力も保証されてるんだろ? すげーよな」


「ああ、美人だし、胸も大きいし……こんな職場にいれて俺は幸せ者だあ!」


「確か――ヒカミ・ソウカ様といったか。確かに美人だよな」



 ――ディクス大森林で、最愛の人の気配を感知した。



 待っててね、紅蓮。

 今から、お姉ちゃんが紅蓮を助けに行くよ。


 そしたら、いっぱい愛してあげる。

 だって、二年以上も離れ離れになってたんだからね。


 えへ、えへ、えへへへへへへへへへへへ――



 

次回から第三章。大きな事件が起こるかもしれないです。

高評価、ぜひお願いします。

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