#128 ぼくはわるいかみさまじゃないよ
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「ここは……」
どこからか不思議な声が聞こえてきたかと思えば、次の瞬間には俺は地底ではない何処かにいた。
そこは、以前龍神と会った時に訪れたモネの精神世界のような場所で……。
さっきまで隣にいたはずの桜花の姿は何処にもない。
代わりに、桜花ではない何かが目の前には居た。
「……?」
あれは……人、なのか?
そう疑わざるを得ない『何か』が目の前にいたのだ。
確かに、オーラのようなものは人型をしている。
しかし、こう表現する以外に例えようが無いのだ。
その『何か』の周りには霧が充満していて、その正体を見ることは叶わない。
近づこうとしても気rは深まるばかりで、どうすることもできなかった。
「……そこにいるのは、一体……誰なんだ?」
俺は恐る恐る問いかけてみた。
すると――
『やあ、異世界の少年! ぼくは地底世界を守る大地の神――地霊神ノームだよ!』
そんな言葉が霧の中から返ってきた。
俺の記憶違いでなければ、先程聞こえてきた可愛らしい声の正体だろう。
しかし、この声は今なんて言っていた……?
地底世界を守る、大地の神……って言ってたか?
『むむ……もしかして疑ってるのかな?』
「あ、いや……流石にこういう展開には慣れてきたし、疑うとかではないんだけど……」
なんかもう、異世界ラノベとかに感じていた憧れとかは微塵も感じなくなったよなぁ……。
神、って言ってもこれで三体目だし。
さっきも言ったが、こういう展開にもそろそろ慣れてきていた。
だから別に今更神様が仲間になろうが敵になろうが、些細なことだった。
そのレベルに感じるまでに、俺のこの世界での冒険は濃密なものだったのだ。
『仕方ないなぁ……それじゃあ、まずはぼくの力を見せてあげるよ! えいっ!』
そう言って、人型のオーラの……腕が動いたかと思えば、俺の後ろから大きな音が響いた。
すぐさま振り返ると、そこには――
「お前は……カグラっ!? それにそっちは……もしかして、ヘルか!?」
そう。そこには、十字架に磔にされたカグラと(恐らく)ヘルの姿があったのだ。
「我を呼び起こすとは……何者だ」
「しかも失った霊力や神力、魔力が完全に回復している……よほど高位の術を使える者ということか……」
二人の神は、俺のことは目にも留めず目の前の大地の神を名乗る人型オーラに意識を集中させていた。
『よーし、それじゃあ見ててね少年! ぼくの力を見せてあげる!』
「そちらがその気なら――こちらも遠慮はしないぞッ!」
「諸共破壊してやろうッ!」
バキィッ!と勢いよく磔から脱出したカグラとヘルは、一直線に大地の神の方へと突っ込んでいった。
しかし――
『――ぼくに勝てると思ってるの?』
その言葉が聞こえた、次の瞬間。
カグラとヘルは消えていた。
「どこに……ッ!」
急いで周囲を見回す俺。すると……
『あっちだよ。君の後ろさ……ずうーっと後ろだよ』
「後ろって……はぁ!? マジかよ……全然分からなかったぞ……」
カグラたちだって俺の記憶ではありえないくらい強い存在だったはずなんだが……。
それを一撃で、しかも見えなくなるくらいの距離まで吹き飛ばすなんて、この神様は一体……。
『あ、ちなみ今のは防御の魔法で――』
「はああああああああああああああああッ!!!!!」
「貴様に死という名の贈り物をしてやろうッ!!!!!」
『だから効かないんだって』
まただ。また、一瞬でカグラたちを……。
マジで、この神様……一体何者なんだ……。
『どう? これで分かった? ぼくの力!』
「あ、ああ、もう十分分かったよ……」
『そっか! それなら良かった!』
「それで、お前は一体……」
『ぼく? 僕はね――この世界で最も強い四大精霊神の一柱、大地と防御を司る地霊神ノームだよ! って、さっき言わなかったっけ……?』
土日お休み!次回は月曜更新ですy
高評価よろっぷ




