#118 乙女たちの想い 後編
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~モネの場合~
私は、皆さんみたいに人前で告白するほどの勇気もありません。
ソウカさんやメイさん、それにメルさんと……みんなの告白を聞いても、です。
確かに、私はぐれんさんのことが好きです。
けれど、私は彼に想いを告げたあの日……私は返事を聞くのが怖くなって逃げ出してしまいました。
「皆さんは……すごいですね」
何とか絞り出せたのは、そんな言葉だった。
自分でも分かるくらいの、ぎこちない笑みを浮かべて。
でも、だってしょうがないじゃないですか。
実のお姉さんで、一番長い時間を彼と共に過ごしてきたソウカさん。
家族同然、実の兄妹同然に育ってきたというメイさん。
彼を絶望の淵から救った、彼の心の拠り所であるオウカさん。
彼に救われて、過酷な環境で生き抜き支え合ってきたメルさん。
そんな人たちに彼は囲まれていて。
その輪の中に、私が入れたとしても末席がいいところです。
だから、私は……。
「私は……えへへ、そうですね。ぐれんさんのことは、尊敬しています」
私を、私だけを見てほしい。
そう、思っているけれど。私には勝てない相手がたくさんいることを知った。
だから、私は。
~レイニーの場合~
なんだか、お姉ちゃんがお姉ちゃんらしくないです。
あの感じ……自分もぐれんさんのことが好きだけど、他の皆さんには負けるから一歩下がって見守っていよう、みたいな気を感じます。
お姉ちゃんはいっつもそうです。
弟である僕の事ばかり世話を焼く癖に、自分の事は何一つきちんとやらないんだから。
お姉ちゃんはもっと、自分のやりたいように……行きたいようにすればいいのに。
「僕は、ぐれんさんの事は尊敬しています!」
そう。自分の気持ちに正直でいいんだ。
「それに……尊敬しているだけじゃなくて、憧れもしています!」
僕は、あの人に救ってもらって、あの人の必死に戦う様子がかっこいいって思ったんだ。
出会ったばかりの僕たちのために、命を懸けて守ってくれたあの姿に、感動して……好きになったんだ。
もちろん、そこにお姉ちゃんたちのような恋のあれはないけど……。
そう、そうだ――――
「――お兄ちゃんとして、僕はぐれんさんのことが好きです!」
あんな男の人になりたいと思った。
だから、僕は最近みんなを守れるかっこいい男になれるように努力しているんだ。
料理が出来るようになりたくて、こっそり夜に試してみてるし……。
それに、森で一番の弓の使い手だったフットさんみたいになりたくて、弓の練習もしてる。
ぐれんさんがいなくなってとても不安だし、寂しいけど……。
でも、あの人がいない今、このチームにいる男は僕だけだから。
「僕は……ぐれんさんみたいなかっこいい男の人になりたい、です」
仲間を……女の子を……そして、何よりも大切な家族を、守れるくらい、強い男に。
僕は、なりたいんだ。
◆◆◆◆◆
蒼華たちが宿屋で告白大会を開催していたその頃。
国境付近では――
「ここに、『あの方』がいるというのは本当なんだな?」
「ああ。先に偵察部隊を送ったのだが、確かに『あの方』はいらっしゃった」
「それじゃあ、明日にでも行くとしようぜ。なァ、オルノー?」
「だな。王も、娘である『あの方』の事をかなり心配しておられるからな」
「ハッ! なら最初っから売り飛ばすなって話だが……事実、娘がいなくなったショックで王も王妃様も仕事に打ち込むようになったしな」
「ああ。あの二人のお陰で、財政難も回避できたし……借金も無くなったと聞いている」
「そんじゃ、あとは俺たちが姫様を連れて帰りゃ、ハッピーエンドってわけだ」
「ああ、ドイ。そうだ、一つ言ってなかったが……」
「わーってるよ。一緒にいる人間共は、姫様を守ってくれた恩人として一緒に連れてくんだろ?」
「ああ。それじゃあ、明日――」
「おう。待っててくださいよ――――ララメルト姫」
次回は明日更新です!
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