#117 乙女たちの想い 前編
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結石は大丈夫でした!書ける時間短くて今回と次回は短めです。
~蒼華の場合~
「――あたしたちと、紅蓮の関係?」
それを聞かれた時、暗かった気持ちが少しだけ明るくなった気がした。
紅蓮の事を考えていると、幸せな気持ちになれる気がしたから。
けれど、その気持ちはすぐに、『今は紅蓮が側にいない』という不安でかき消される。
「そうだな……あたしと紅蓮は、姉弟だから……ここに居る子たちよりは一番親密な関係かなって思います」
いや、ここに居る子たちより……っていうか、世界で一番紅蓮と親密なのはあたししかいない。
あたしが紅蓮の一番で、紅蓮の一番はあたし。それは世界の真理に刻まれた、変えようのない事実なのだ。
両親を幼い頃に失って、あたしは母親代わりにあの子のことを見てきた。
時には母として、時には姉として……時には、一人の女として、緋神紅蓮という一人の男を、弟を育ててきたつもりだ。
「……隠すつもりもないんで、言っとくかな。あたしは、家族としても、一人の男性としても紅蓮のことが好きです。って、いきなり言われても何言ってんだって感じだと思いますけどね」
あたしは、使い慣れない敬語を何とか使って苦笑いを浮かべた。
そうだ。あたしは紅蓮のことが好きなんだ。ただ、この想いは絶対に叶う事は無いと知っている。
何故なら、あたしたちは正真正銘血のつながった『家族』なのだし、それに紅蓮からしたらあたしはただの『姉さん』としてしか見られていないと思うから。
紅蓮にだって好きな人はいるだろうし、何なら冥やメルちゃん、モネちゃんが紅蓮に好意を寄せているのは分かっている。
だから、私は見守ることにしたんだ。最後まで、あの子の『家族』で居続けることを選んだんだ。
~冥の場合~
「蒼華お姉ちゃん……」
まさかとは思ってましたけど、やっぱりそうだったんですね。
いっつも大人の余裕ってのを感じてましたけど、天才美少女の冥ちゃんには分かっちゃうんですよね~!
って……強がってますけど、実は結構ショックなのです。
お兄ちゃんがいなくなったのもそうですけど、お姉ちゃんがまさか弟に好意を寄せていたなんて。
「――そんなの、ずるいです」
わたしは静かにそう呟いていた。
そりゃ、お姉ちゃんは紅蓮お兄ちゃんと長い時間を一緒に過ごしてきてるんだから、勝ち目なんてないじゃないですか。
でも……それでも、お姉ちゃんはわたしには絶対に勝てない。
だって、お姉ちゃんは紅蓮お兄ちゃんと血のつながった家族だから。
「でも、別にいいです。だって、この勝負、最初っからわたしの勝ちなんですから」
不敵にそう笑ったわたしは、お姉ちゃんと……ついでにメルちゃんたちにもこの際だからはっきりという事にした。
「――わたしも、紅蓮お兄ちゃんのことが好きです。ずっとずっと、ずっと昔から大好きでした。もう告白だって済ませてるんですから……この勝負は、わたしの勝ちです!」
本人が目の前にいる訳でもないのに、何故かすらすらと想いが溢れていた。
~メルの場合~
「ちょ、ちょっと何? どういうことなの!?」
私は、突然の告白大会に驚きを隠せないでいた。
驚き、というよりも動揺の方が近いだろうか。まあこの際どちらでも構わないけれど。
「この質問ってそういう事を応えるやつじゃないわよね!?」
なんて口では言いながらも、私の心はモヤモヤ……ムカムカしていた。
姉であるソウカ様もそうだけど、メイさんに至ってはまさかもう告白までしてるなんて。
私だって、告白はしたけれど……あの人は『待ってて』って言ってくれて……。
「わ、わたし、は……!」
私だって好きだと、そう言いたいのに上手く言葉が出ない。
やっぱり、まだ恥ずかしいんだ。あの日の彼への告白は、勢いに任せた感情的なものだったし。
「私は……ぐれんさんのことが、好き、です……」
何とか絞り出せた、告白の言葉。
やっぱり彼がいないのにこんなことを言うのはおかしい、とすぐに我に返って顔が熱くなってくる。
けれど、口に出してみることで自分の想いを再確認する事も出来た。
やっぱり、私はあの人のことが好きなんだ。だからこそ、いなくなって心配なんだ。
……どうか、無事でいて。そして、また再開できたら、私と――――
次回は明日更新です。
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