#115 目的
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「――まずは、それぞれ自己紹介をしましょうか」
アレクさんがそう言うと、僕たちに目配せをしてきた。
僕たちはその合図に頷くと、僕から順番に自己紹介をしていくことに。
「僕は、月島晴と申します」
「俺は八木 光流です、よろしくお願いします」
「俺は楠木 誠っていいます。よろしくッス」
「私は……相園 麻衣、です」
クラス委員長の八木君に、その親友の陽キャ楠木君。
そしてゆるふわ秀才ギャルの相園さん、とボクに続いて順々に自己紹介を済ませると、
「そして、私はアレク・バルドット。お久しぶりです……元聖騎士団団長のヒカミ・ソウカ様」
アレクさんもまた、手短に自己紹介を済ませていた。
そして同時に、アレクさんは目の前の女性に膝をついて頭を下げていたのだ。
それは、アレクさんよりも格が高い人物であることを示している訳で。
言葉通り、彼女――ヒカミソウカさんは、アレクさんの元上司に当たる人なのだ。
「アレクさん……」
「ソウカ殿。色々とあってまだ日が浅いのは承知の上で、今まで何があったのかをお聞かせ願いたいのですが……」
「……ええ、いいですよ……」
少し沈んだ声色で、彼女は口を開いていた。
「まずは……こちらも自己紹介をしましょうか」
そう言って、彼女たちも一人ずつ名を口にしていく。
「――あたしは、緋神 蒼華。元、だけど聖騎士団団長やってました」
「わたしは、式神 冥……。わたしと、蒼華お姉ちゃんは名前から分かる通り皆さんと同じ日本人……です」
そう。この二人は、僕たちが召喚されたあの日に続けて召喚されたという四人の召喚者の内の二人らしいのだ。
残りの二人は、まだ話を聞かないと分からないけれど……。
「私は…………メル」
「私は、モネ……と申します」
「ぼくは、レイニー…………です」
残っていた三人の亜人……獣人のメルさんとエルフのモネさんとレイニーさんも自己紹介をしたのだが……。
三人の雰囲気は、蒼華さんや冥さんよりもかなり落ち込んでいる様子だった。
落ち込んでいる、という表現よりかは絶望している、という表現の方が正しいのかもしれないと言えるくらいには。
「それで、ソウカ殿。こちらとしては、聞きたいことは山ほどあるのですが……」
「いいですよ……何でも、分かる範囲でお答えしますので」
「……それでは、いくつかお聞かせください」
◆◆◆◆◆
僕たちが、蒼華さんたちに話を聞く一日前。
僕たちは事前に、彼女たちに何を聞くかを決めるために話し合いをしていた。
「……それで、何を聞くかを先に決めて置けばスムーズに話を進められるって事っすね?」
楠木君の言葉に、アレクさんが頷く。
「その通りだ。そこで、一人だと思いつかないこともあると思って君たちを集めさせてもらった」
アレクさんとその部下の人たちが泊まる大部屋に、例の四人は集められていた。
八木君と楠木君、相園さんに僕。その四人だ。
「さて、それじゃあ早速聞きたいことを募りたいが……何かあるかな」
アレクさんがそう切り出すと、各々が思っている事を言い始めた。
「まあ、まずは順当にあの日あの場所で何があったか、じゃないッスか?」
「ああ。もちろんそれが一番気になるところだからな」
「それで言ったら、どうしてあの戦いが始まったのか。そのきっかけ……原因も気になりませんか?」
「なるほど。確かに、両陣営が争うには必ず原因があるはずだからな」
「私は……あの強そうな人たちが何者なのか……それが一番気になる、かな」
「魔王……そう聞こえたが、確かにちゃんと確認しない事には分からないな」
「僕は――なんで異世界人同士で争っていたのかが……一番気になります」
「魔王陣営と、それに対立していたあの緋神君の陣営……確かに、お互いの陣営には異世界人がいたな」
あの日。二つの陣営は、何がきっかけで、何を求めて争っていたのか。
魔王と呼ばれる存在……その陣営の正体は一体何なのか。
そして……どうしてお互いの陣営に異世界人がいて、異世界人同士で争っていたのか。
まずはこれを聞かない事には、新しい謎も生まれない。
そもそもが疑問だらけの現状で、僕たちだって困惑しているのに……。
彼女たちは、そんな僕たちよりももっと困惑している事だろう。
だから、ゆっくりと……ゆっくりと話を進めていくことにしよう。
次回は明日更新です!
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