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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第十一章 ≪地底襲来≫
119/146

#109 決着前

高評価とブックマークをお願いします!



「さあ、どうするんです? 早く決めなければ、そこの老婆やこの集落の魔族たちを皆殺しにしますよ?」


 ……選択肢は、もう一つしかないって事か。

 確かに、俺とゲレスが普通に戦えば俺に勝ち目なんてないだろう。能力値的にも、戦闘経験的にも。


 ただ一つ気になっていることがある。それは、奴が攻撃魔法をまだ一切使っていない事だった。

 奴は自身の身体と同じくらいの長さの杖を持っているくせに、まだその杖を魔法を放つために使っているところを見ていないのだ。

 だが、それだけで奴がまだ魔法を使ってこないと決まった訳じゃない。


 戦うしか道がない以上、いつ魔法が飛んできても大丈夫なように警戒だけはしておかなくては。


「もちろん、お前の提案に対する答えはノーだ」


 俺は首を振りながら言った。


「『十大武具』を全て置いていけば俺は生かしておく、って他の人たちは生かすつもりは無いって事だろ?」

「当然、貴方以外の汚らわしい魔族もどきたちも、あの小人たちも全員排除するつもりですけどね」

「……それに、始めっから俺を殺すつもりは無いんだろ?」

「……ほう? どうしてそう思うのですか?」


 そんなの簡単なことだ。

 俺は人差し指を立てて見せると、そう言った。


「まず、俺は『十大武具』を扱うことができる数少ない人間だという事」


 自分で言っててちょっとだけ恥ずかしくなってくるが、俺は自慢げに言い切ると二本目の指を立てた。


「次に、俺と契約をした『十大武具』は、主である俺が死ぬと同様に死んでしまう事」


 これは、あの時――初めて俺が桜花と出会った日に、魔王があの蜘蛛の魔物から救ってくれた時に言っていた言葉だった。

 あの時、魔王は『所有者であるお前が死ねばその剣は朽ち果てていただろう』と言っていた。


 つまり、所有者=契約者となった俺が死ぬと、名付け=契約をした『十大武具』たちは朽ちて死んでしまうのだろう、という予想だった。

 現在俺は、【魔双剣】のルリとルナ、それに【聖盾】の彼岸に【聖剣】の桜花と、三種類の『十大武具』と恐らく契約をしている状態になっているはず。


「――だからこそ、魔王は俺を殺せない。殺せば、全ての『十大武具』が揃わなくなってしまうから」


 ……まあ、それは本当にあの魔王が『十大武具』を全て集めることを目的としている場合の話なんだがな。

 もし目的が違うのなら、その時点で俺の理論は破綻する。だからこそ、この理論を語ったことには意味があった。


 半分ブラフのこの言葉で、魔王軍四天王――つまり魔王に最も近い魔族の反応が見れるという訳なのだ。


「……クフフ。素晴らしい! 確かに、その通りですよ……ヒカミグレン!」


 ……どうやら、当たりみたいだ。これで、魔王はその配下たちは俺を殺せないことが分かった。

 多分、今まで俺を殺そうとしてきたのも、すぐに蘇生……もしくはそれに近い何かで俺を延命できる手段があったからこそ本気で攻撃しに来ていたんだ。


 ……って、あれ。ちょっと待てよ……?


「ですが、残念。少しだけ頭が弱かったようですね」

「もしかして……ッ!」

「――そう。そうですよヒカミグレンッ! 我々には貴方を殺しても問題ない手段があるのですッ! だから、貴方のその理論ははじめから完全に破綻しているのですッ!」


 ……っ! そう、だよな……!

 俺を蘇生できる手段があるのなら、俺を殺しても問題ないってことだよな……?


 それに、良く分からないけど、その理論で行くなら俺が死んでもその時点では桜花たち『十大武具』との契約は解除されないっぽいし……。


「クフ、クフフッ! さあ、絶望を味わいなさいヒカミグレンッ!」


 ゲレスは、杖を天高く掲げた。すると、杖の先端の紫色の水晶のようなものが勢いよく輝き出した。


「里を襲わせていた変異魔族共をこちらに呼び寄せました。さあ、これで一対多数ですねぇ……どうしますか? ヒカミグレンッ!」

「クソ……ッ!」


 どうする……どうすればいい! 

 ゲレスは洗脳を得意とする魔人っぽいが、もしそれがただの洗脳なのであればミュータントの人たちを殺すわけにはいかない。


 ゲレスを倒せば、きっとその洗脳は解除されるはずだから。

 ただ、殺さずに多数を相手にし続けて、さらにゲレスを倒すなんて今の俺には……。


「――紅蓮さんっ!」

「さ、榊原さん!? どうしてここに!」

「魔道具の力があれば、紅蓮さんを助けられると思って……!」

「で、でも! 今からここに洗脳されたミュータントの軍勢が……」

「安心してください! それなら私が何とかして見せますから!」


 自信満々な様子の榊原さん。その手にはいくつかの小さな魔道具らしき物が握られていた。


「なんとか……なるんですか?」

「はい!」

「それなら……そっちは任せます!」

「はいっ! 任せておいてください!」


 洗脳されたミュータントの軍勢は榊原さんに任せて……俺は本命のゲレスを倒すことだけに集中すればいいんだな……!

 それなら、多少は楽になりそうだ!


「……くぅっ……ふ、不甲斐ないところばっかり見られちまって……」

「ぜ、ゼナさん!?」


 と、その時ちょうどゼナさんも起き上がっていた。

 さっきゲレスにやられていたが、何とか軽症で済んでいたようだ。


「アタシがそっちの人間のお嬢さんを守ってやるから……アンタはアンタでそっちに集中しな!」

「分かりました……! ありがとうございます!」


 見た目に反して、ゼナさんはやはりまだまだ戦える現役の戦士なのだろうか。

 腰に差していた剣を引き抜くと、榊原さんの方にすぐに駆けて行ってしまった。


「クフ、クフフ! 準備はもういいですか? ヒカミグレン!」

「ああ、待ってくれて助かったよ」


「それでは……アナタを殺して『十大武具』を全て頂くとしましょうかッ!」

次回は明日更新です!

高評価↓↓↓ よろっぷぃ

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