#104 リベンジ
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「――――のだ」
『――て、おに――ん』
……ん? なんだか騒がしいな。 何か、あったのか?
『――ほ、ほら、騒がしいわよあなたたち!』
俺は眠っていた身体を起こして、重たいまぶたをゆっくりと開いた。
「――おはようなのだ! ぐれんっ!」
「うわっ! あ、朝から元気だな……桜花」
「私はいつでも元気なのだ!」
目が覚めると、俺のお腹の上には桜花が乗っかってきていた。
桜花はあんまり重くないため全然苦しくは無かったが、朝、寝起きでそのじゃれ合い方は少し辛かった。
『あー、ずっるーい! 桜花ちゃんばっかりおにーさんとべたべたして~!』
『そ、そうよ! 早くご主人様から離れなさい! この忌々しい聖剣が!』
「べろべろべ~、なのだ! お前たちには一生ぐれんには触らせてあげないのだ~!!」
あ、朝からギャーギャーと騒がしいな……まったく。
こちとら寝起きでまだ頭も全然回ってないんだ。少しくらいゆっくりと目覚めたいものだ――
「あ、そうだ! ぐれんぐれん!」
「なんだよ、もう……」
「さっきあの研究者の女――確かレイとか言ったか?」
「ああ、榊原さんか?」
「そう! その女がぐれんを呼びに来たのだ! 起きたら【聖盾】のところまで来てほしいって言ってたのだ!」
榊原さんが来たのか……。って、今何時ぐらいだ?
「明るい……って事は、朝は過ぎてるのか?」
それは俺が申し訳ないことをしたな。
昼間だと仮定した場合、結構な時間寝ていたことになる訳だしな。
変に気を遣わせてしまった事だろう。
「……そんじゃ、ぼちぼち準備して行きますか……」
「私はこのままでもいいのだ?」
「あー……それはお前の自由にすればいいよ」
必要なら、桜花のことはちゃんと榊原さんたちにも説明しないといけないだろうがな。
まあそれくらいなら全然問題ないだろう。
「……うーん、それじゃあこのままでいるのだ!」
「オーケー。それじゃあ榊原さんたちには説明しなきゃだな」
俺は、桜花の事をどうやって説明するか考えながら身支度を整えていった。
腰の両側に【魔双剣】のルリとルナをそれぞれ差したら、桜花と並んで部屋を出た。
◇◇◇
「おはようございます、榊原さん」
「あ、おはようございます紅蓮さん!」
俺は早速地底世界のさらに地下にある【聖盾】の保管室までやってきていた。
そこでは既に榊原さんと、ドワーフ長老のダイスさんが待っていた。
「おう、グレン! 待ってたぞ!」
「ダイスさんもおはようございます」
「おう、おはようさん! ま、今は地上では昼くらいだろうけどな! わはは!」
やっぱり昼間だったか……。
「それで、榊原さん。要件っていうのはやっぱり――」
「――ちょっと待ってください、紅蓮さん! その子は一体、どなたですか……?」
あ、そういえば説明しなきゃいけないんだったな。
すっかり忘れていた。
「すみません、紹介が遅れました。彼女は――――」
と、それから大体10分間くらい時間をかけて桜花に関しての説明をしていた。
研究者気質な彼女からしたらかなり興味深い出来事のようで、軽い質問がたくさん飛んできたのだが、俺も桜花も「よく分からない」でなんとか流しきることができたのだった。
「盛り上がってしまってすみませんでした……」
「いえ、別に大丈夫ですよ」
と俺は苦笑いしながら答える。
「それで、榊原さん。本題に戻りましょう」
「ああ、そうでしたそうでした! えっと、紅蓮さんに来てもらったのは、リベンジしてもらいたかったからです!」
「……そうだと思ってました。【聖盾】を手にする覚悟なら、もう決めてきましたので……いつでもいけます」
まあ、ここに呼ばれる時点でそうなんじゃないかとは思っていた。
そして、昨日ルリとルナと話して、改めて覚悟ができた。
――俺は、『十大武具』を扱える者として、魔王よりも先に『十大武具』を集めきらなきゃいけないんだ、と。
「――それでは、ロックを解除しますね……!」
「はい。お願いします」
さあ、新たな『十大武具』さんとのご対面だ。
今までの経験から考えるに、この【聖盾】も喋れるのだろうか……。
俺は若干の期待と不安を抱えながら、【聖盾】に手を伸ばす――――。
◆◆◆◆◆
そして、紅蓮が【聖盾】と対面をしているその頃。
変異魔族――ミュータントの住まう地底の集落では。
「お、お主は……何者じゃ!」
「クフフ……私ですか? そうですねえ……私の名前は――」
一人の魔族が、ミュータントの長老であるゼナを襲っていたのだ。
「――ゲレス。魔王軍四天王、序列三位のゲレスと申します」
「魔王軍四天王の一人が、何故この場所に――!」
「さあ、汚らわしい魔族もどきの長老さん。あなた方が隠している『十大武具』をさっさと出してもらいましょうか――?」
次回は明日更新! よろっぷ
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