#103 十大武具たちの思い
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『私の名前は……ルリ。ルリ……ルリ……えへへ、いい名前じゃない……』
私はこの名前を絶対に忘れない。
かつては世界を滅ぼそうとしていたのは事実だけど、長い時間この剣に封印されて一つだけ分かったことがあるから。
それは、『生きている』ことがどれだけ幸せなことだったのか、って事。
『自由』があるって、素晴らしい事だったんだな、って……。
それが分かって、私はもう二度と悪いことはしないって決めたの。
昔の記憶は、何故かほとんどがすっぽり抜けたように無くなっている。
けれど、私には過去の記憶など、もういらないの。
今は、共に居たい人も見つけたから。
『緋神、紅蓮……。私の、ご主人様――――』
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『私の名前は、ルナ。ルナ、か……うん、結構いい名前じゃん……』
私は、もう昔の名前を忘れていた。
いや……正確に言えば、まるで『名前を奪われた』かのような感覚すらある感じだった。
けれど、この剣に封印されてから私は、別に名前を思い出せなくってもいいのかな~とは思っていた。
だって、今は私好みのおにーさんからつけてもらった大切な名前があるし。
それに……今までは怖くて強がってた私だけど……このおにーさんが一緒なら、もう怖さなんて感じない気がしてきて……。
何故か、この人から離れることに恐怖を感じてしまうくらいなんだよね。
だから、私は……
『何があっても、ずーっと一緒だからね……。おにーさん……フフっ』
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「……ぐれんの、ばか」
なんなのだ! あの忌々しい悪魔たちにも名前を与えるなんて!
私と言う大切なパートナーがいるというのに!! アホなのだ!?
「いったん……落ち着くのだ……」
実を言うと、急に人になれて少し怖かったのだ。
だから、ぐれんにはあの日の逆のように、私を慰めて、安心させてほしかったのだ。
だけど、ぐれんは優しいやつだから……。
「むきー!! なのだ!」
るりとるな……なんだか絵本のタイトルみたいなのだ。
というかあの悪魔たち! あいつら、私の大切なぐれんとの思い出を全部喋らせたのだ!
せっかくの私とぐれんの二人だけの大切な思い出だったのに!!
(※全部自分から自慢げに話しただけ)
「……はあ、まあ仲間になってしまったものは仕方が無いのだ……」
ここは私がしっかりと監視しておかねばならないのだ!
絶対にあの二人にはぐれんは奪わせないのだ!!
まあ、私はこうして人になれた訳だし? 全然記憶とかは戻ってないけどそれでも人になれたから、ぐれんともっと密着できるし?
ソウカとかメルとかモネにも対抗できるわけだし?? 全然余裕なのだ~~~♪
「ぐれんのことを一番大切に思っているのは、ぜったいにぜったいに私なのだ……!!」
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『遅い……な』
あれから結構な時間が経ったと思うが……。
彼は――あの人間は、いつ来るのだろうか。
恐らく、彼の気配――私を手に取るに値する力を持っていると思ったのだが。
『早く――早く私をこの忌々しい拘束から解き放ってくれないだろうか……』
長い時を、この装置の中で過ごした。
だから、外界の情報が一切無いのだ。
彼が、もしこの場所を離れてどこか遠くへ行ってしまったら……。
『――私はまた、見捨てられたという事になるのか……』
次回は明日更新です!
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