#97 地底の召喚者
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「――お前さんが、『十大武具』の一つである【聖剣】らしき剣を使っているという報告をノルたちから受けた時は本当に驚いたわい」
「なんで、俺が聖剣を使ってるって分かったんですかね?」
「ああ、それはじゃな……」
「――『十大武具』を扱える人がここに居るってホントですかっ!?」
俺がダイスさんと話していると、そこに一人の女性が勢いよく現れた。
「おお、ちょうどいいところに来たな。――レイ殿」
レイ殿。ダイスさんがそう呼んだ女性を、改めてよく見てみる。
若干ボサボサに乱れた長い黒髪に、血で汚れた白衣。そして大きな丸眼鏡……。
ここまで聞けば、一人の研究者と言った外見だが、ダイスさんたち彼女では明らかに違う点が一つだけあった。
それは、彼女がドワーフ族ではないという事だった。
「その背丈……それに、その黒髪……。もしかして、人間……なんですか?」
「あ、はいっ! 私は、人間ですっ!」
まさか。こんなところで人間に出会えるとは思っていなかった俺は、驚いていた。
しかし、その驚きはさらに重なることになる。
「――私は、榊原麗と申します! えっと……初めまして、ではないですよね……?」
「さかきばら、れい……? どこかで、聞いたことがあるような…………」
そう。何処かで聞いたことのあるような名前だった。
俺は必死に記憶をたどって、彼女の名前を探してみる。
「あ……ああああああっ! 榊原って、まさか……っ!」
「気付きましたか? ――緋神紅蓮さん」
「――うちの学校の、生徒会長をやってた榊原さんなんですかっ!?」
俺の声は、地底に広く響き渡った。
◇◇◇
「す、すみません……取り乱しました」
「こちらこそ、いきなり出てきてすみませんでした……」
お互いに頭を下げる俺たち。
彼女は榊原麗さんと言って、俺が通っていた高校で生徒会長を務めていた方だ。
学校では良く姉さんと一緒に居たのもあって、彼女の顔は何度か見たことがあってすぐに思い出せた。
……本当はすぐに思い出すべきなんだろうけど。見た目があまりにも学校とは違い過ぎて、すぐには気付けなかったんだ。
「なんだ、二人は知り合いだったのか?」
「知り合い、と言うか……」
「顔見知り、って感じですね」
「そうかい。流石異世界人同士だな!」
それは褒められているのだろうか。少々疑問な点だが……まあ今気にすることでは無いだろう。
「ああ、それで……えっと、何だったけか。どこまで話したかの?」
「えっと……俺をここに連れてきた理由と……」
…………それだけだっけか。
「それだけしか聞いてないですね…………」
なんで俺が聖剣を使ってることが分かったのか、とか『十大武具』に関する手記って何なのか、とか。
地底世界独自の技術ってどんなものなのか、とか榊原さんがどうしてここにいるのか、とか。
どうしてドワーフやミュータントという種族がこの地底世界で住んでいるのか、とかこの地にあるという『十大武具』って何なのか、とか。
俺は続けざまに色々と質問しようとしてみた。
すると。
「ああ、ちょっと待ってくれんか。そんな一気に言われても答えられんぞ!」
「では、私が代わりにお答えしましょうか?」
「た、頼んだレイ殿……」
「では、紅蓮君! 私はダイスさんの代わりに説明いたしますね!」
そう言って、俺の疑問に麗さんは次々と答えていった。
「まず、ノルさんたちがどうして『十大武具』を見分けられたかと言いますと……」
そう言いながら、白衣のポケットに手を突っ込む榊原さん。
そこから取り出したのは、ゴーグルのようなものだった。
「この、『十大武具見つける君』を付けていたからです!」
「……『十大武具見つける君』……?」
確かに、ゴーグルっぽいのがノルさんたちの頭についていたような気もしなくもない。
というか、名前的にそれって……
「はい、ご想像の通りこれは『十大武具』を見つける……あるいは見分けるために作った魔道具なのです!」
「えっと……そう簡単に作れるような物でもないと思うんですけど……」
「いえ、結構簡単でしたよ! ここには『十大武具』の一つがありましたので、そのオーラをちょちょっと解析して、似たようなオーラを持つ武器を見分けられるようにしたってだけなので!」
ええ……絶対もっと難しかったと思うんだけどな……。
まあ、作った本人がそう言うんだったらこれ以上はツッコまないけどさ……。
「それで、次は……」
そんなこんなで、榊原さんによる俺の疑問解消タイムはまだまだ続く。
次回は明日更新!よろです




