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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第十章 ≪地底世界≫
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#94 今までの事

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 さて。これからどうしようか。

 俺は平原のど真ん中で一人、頭を悩ませていた。


 むむむ……ひとまずあそこに見える丘の上の木のところまで行こうかな。

 こんな平原のど真ん中で一人でウロウロしてるのもおかしいと思った俺は、そう思い立ってすぐに歩き出した。


「で、ここまで来たはいいけど……これからマジでどうしよう」


 いったん、現状の整理でもしてみるか?

 うん……そうだな。そうしよう。


 まず、俺たちが目標にしていたのは悠兄さんを捕まえること、だったな。

 それは、どうして魔王の側についているのかを聞き出すためで、家族同然に育ってきた人と戦うなんて考えられなかったからだ。

 と、言いつつも結局は会うたびに戦闘になってるけど。まあ話を聞くために、殺さない程度に無力化する必要があるし。


 それで、つい数刻前。

 俺たちと魔王たちとで、『ディクス大森林』で大きな戦闘があった訳だ。


 あの戦いはそもそも、『十大武具』という古の伝説の武器がきっかけで始まった戦いだった。

 俺がこの世界に来て、たまたま手に入れる――と言うよりかは、たまたま知り合った人。

 ……正確には人じゃないんだけど、『十大武具』の一つである【聖剣】の桜花を巡って始まった戦いだった。


 魔王はどうやら、この【聖剣】を狙っているらしく、調べてみると【聖剣】のほかににもあと九つの武器があると判明したのだ。

 そこで『十大武具』という物の存在を知って、魔王がそれらを狙っているんじゃないかと考えた俺たちは、新たな『十大武具』を手に入れるために動き出していた。


 【聖剣】や【聖槍】などの『聖武具』が封印されていた場所の近くには、必ず対照的な力を持つ『魔武具』があるという事も判明していた。

 だから俺たちは、俺が桜花と出会った『ディクス大森林』にある洞窟――勝手に『聖剣の洞窟』なんて名付けたが……まあそこに向かったわけだ。


「そんで、これを見つけたんだよな……」


 俺は、両手に【魔双剣】を構えながらそう呟いた。


 そう。俺たちは、『ディクス大森林』の中にある大きな湖の底で、この【魔双剣】を発見したのだ。

 何とかこの双剣を手にしたと思ったら、その時に予想通りというか、狙い通りというか……魔王たちが襲ってきて。


 何とか応戦しようとしたけど、魔王たちの強大な力の前に俺たちは無力にも皆傷ついて倒れていったんだ。

 そんな時に、俺の中にいた『死神』の力が目覚めて――。


「って、いつの間にかなんか物語のあらすじみたいになってんな……」


 俺は一人でツッコミをするも、虚しくなってすぐに溜め息をついてしまう。


「現状の、整理か~……」


 ひとまず、今の目標を決めないとな。これからどうするか、とか。

 まず一つ言えるのは、魔王たちはこの俺の持つ【聖剣】と【魔双剣】を狙っているから、きっとまた俺は狙われるだろうっていう事だ。

 もしそうなった時に、今度は負けないようにしっかりと鍛えておかなくちゃいけないな。


 そして、それとは別で仲間たちとの合流をどうするかも考えなくちゃいけない。

 今、姉さんやメルたちはあの湖にたまたま居合わせたらしい俺のクラスメイト達によって保護されているだろうとのことだ。

 だから、俺からは会いに行けない。いや、行けなくは無いんだ、ただ、俺が会いに行きたくないだけで。


「覚悟が無い、って方が正しいのかもな」


 ってことは、ここで姉さんたちとは言ったんのお別れという事になる訳だ。

 正直、それはめちゃくちゃ悲しいし、あの中には俺に好意を伝えてくれた人たちもいるから……その件においても、ちゃんと向き合いたいなとは思っていたのだが。


 しかし……仲間に会いたい気持ちよりも、クラスメイトに会うのが怖いっていう気持ちの方が強いから。

 だから、ここは男らしくないと言われても、逃げたいんだ。そう思う。


「しかし……マジで目標……どうするかな」


 強くなること。クラスメイトに会わないように逃げること。

 これは半分目標であって、そうじゃない。だから、今これをすべきだっていう、何か明確な目標が欲しいんだけどな。


 『十大武具』のことは、正直もう手がかりはないから探すのは難しいだろうし。

 人のいっぱいいる街では、俺は犯罪者扱いされてるっぽいから安易にはいけないだろうし。


 どうしよう。本当に困ったぞ。何にもすることがなくなった。


「桜花も、この双剣もまだ起きてないっぽいしなあ~……」


 しょうがないから、剣の素振りでもしてるか……。

 スキルの習得に繋がるかもしれないからな。


 スキルっていうのは、得意な能力や技術が一定以上の熟練度に達した時に、さらにその能力を伸ばしてくれる力が形になって現れる物らしいからな。

 だから、剣の技術を鍛えまくれば『剣術』のスキルがきっと手に入るはずなんだ。


「それに、この双剣にも慣れて置いた方がいいだろうしな」


 そう呟きながら、俺は早速桜花――【聖剣】を木に向かって降り始めた。

 その姿はさながら野球のバットを素振りしているかのようだろう。


 まあ、横じゃなくて縦に振ってるから、普通に剣道の練習って言った方がいいか。


「あ~食べ物とか飲み物はどうしようかな~」


 幸い『生存』のスキルがあるお陰で、森とかに入れば何とか生きていけるは思うけど……。


「はぁ……マジでやることないな」


 このままじゃ究極的な暇人になってしまう。それはまずい。


 そう思った瞬間の事だった。




「――いた。見つけた」


「コイツを連れて行けばいいのか?」


「そうだ。コイツを連れて行けばいい。長老様からの命令だ」


「分かった。とっと連れて行こう」




 視界に映ったのは、俺の半分くらいの背丈の人間……? だった。

 俺はそんな彼らに驚く暇も無く、二人の小さな人間に軽々と担がれてしまう。


「え、ちょ、何? ゆ……誘拐か?!」


 二人は何も話さない。

 ただだた無言で、俺を何処かへと運んでいく。


 ちゃっかり剣も持ってくれている。

 ……ってそうじゃなくて。


 マジで……コレ、どういう状況???

次回は明日更新です

課題がガチでやばいが頑張ります


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