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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第十章 ≪地底世界≫
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#93 孤独のリスタート

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実は新章開幕だったらしい



 目が、覚めた。

 

「いッ……ぐああああああああああああああああああッ!!!」


 とてつもない激痛と共に。

 俺はすぐに飛び起きて、体を必死に抑えた。だが、痛みは治まってくれない。


『――しまった。処置を忘れていた……待っていろ。今、その『痛み』を殺してしまうからな』

「……え……ッ……?」


 どこからか、そんな声が聞こえてきたかと思えば。

 俺を襲っていた激痛はあっという間に消えてなくなってしまった。それはまるで、魔法のようだった。


「今、一体何が……」

『我に感謝するがいい』

「だ、誰だ……! 一体どこから話して――」


 この、感じ。ここ最近、何か似たような感じで話していた気がする。

 そう。それは……カグラ――龍神と話していた時と同じような……。


「ってことは、まさか――!」

『フン……やはり頭はいいらしい。貴様を選んで正解だったな』

「お前……一体誰なんだ? 俺の中にいるみたいだけど……」


 俺は、周囲の状況を見回しながら、独り言を呟いた。

 どうやら、今俺がいる場所は何処かの平原のようで、少し離れたところに街のようなものが見える。

 でも、一体なんでこんなんところにいるんだろうか。


『我は――』

「だって俺、さっきまであの湖で魔王や悠兄さんたちと――」


 二人の声が重なった。


『ム……我に問いかけておいて、考え事をしていたのか? 貴様……殺すぞ?』

「い、いや……悪い。でも、なんで俺がこんな所にいるのかが気になって……。それに、ここは何処で、あそこに見える街は何て名前の街なのかが――」

『落ち着け。順を追って説明してやる』

「わ、分かった。助かるよ……えっと――」


『我は、死神だ。死神――ヘル。そう呼ぶがいい』


 ヘル。そう名乗った死神とやらは、俺の中から、ここに来るまでに何が起きたのかを簡潔に教えてくれた。


 『ディムナ湖』での『十大武具』を巡って起きた俺たちと魔王たちの戦いの中で、俺たちの陣営はかなりの深手を負ってしまった。

 そして、その中でも俺は最悪中の最悪――そう、死に至る事態が発生してしまったのだ。


 それは俺にも心当たりがあった。

 あの時、魔王が俺の抱えていた【聖剣】と【魔双剣】を奪おうと、何かの刃を俺の背中に突き立てたんだよな。


 俺は、その傷で死んでしまったというのだ。

 だが、その時死神ヘルにかけられていた『呪縛』とやらが解かれて、俺のことを復活させると共に、身体を乗っ取って魔王たちを撃退してくれたらしい。


 しかしその時、大勢の人間がこちらに駆け寄ってくるのが分かって、すぐに俺だけ逃げたのだとか。


「なんで……姉さんたちを置いて逃げたんだ……?」

『怪我のことを心配しているのなら、安心するがいい。貴様の仲間の傷は『殺しておいた』からな』

「傷を……殺した?」

『ああ。簡単に言えば治したという事だ。だから安心しろ』

「それは良かった――って、そうじゃなくて! なんで、そのまま置いてきちゃったんだって聞いてるんだ!」

『ああ。そのことか。それならば、貴様の願いや本能に従ったからだ』

「え……?」


 俺の、願い? 本能?

 こいつは一体何を言っているんだ……?


『あの時、大勢の人間が近づいてきて、貴様は本能的に危機を感じていたのだ』

「危機……? 何で、俺がそんなことを……?」

『恐らく、あの場で顔を合わせたくない者達だったのだろうな』


 俺が、顔を合わせたくない者たち……?

 それって一体……


「この世界で、顔を合わせたくない奴なんて、そうそういない…………はず…………まさか」


 その時、俺の脳内にはとある光景が、とあるひとったちの顔が思い浮かんだ。


「まさか――俺の、クラスメイト……?」

『貴様は震えていた。だから、我は主である貴様の願いを叶えるべくあの場を急ぎ離れたのだ』


 そうか……。だとしたら、半分くらいはありがとうと言わないといけないかもな。

 だって俺は……もうアイツらとは顔も合わせたくないから。きっと、俺のことを、国王やレバンスのように向く出していると思うから。だから――。


『まあ、貴様の仲間たちはきっとその者達に助けられている頃だろう』

「それなら……まあ、心配する事じゃないか」


 でも、ってことは……だよな。


「……また、一人で始めるのか。この世界での、旅を……」

『我はどうやら、あの龍神と違ってずっと起きて貴様と会話することは出来なさそうだ。また、眠りにつく気配がする』

「龍神……そうだ、カグラは!?」

『奴は眠っている。大きな力を使ったからだろう。奴ほどではないが、我も少し力を蓄える必要がありそうだ』

「ってことは、ガチで一人ぼっちになるってことか……結構、辛いな」


 そう思っていると。


『ああ、渡し忘れていた』


 そう言って、目の前に三本の剣を落としたのだ。


『これは、逃げる時に回収しておいた剣だ』

「桜花……ッ!」

『今は眠っているようだが、じきに起きるだろう……』

「ありがとうヘル……これで俺は、一人にはならずに――」


『すまないが、これ以上話すのは限界だ。そろそろ、寝させてもらうぞ――』


 そう言い残して、ヘルはこれ以上話してくることは無かった。

 きっと、言葉通り眠ったのだろう。一体どういう仕組みなのかは知らないが、今は彼にとにかく感謝だな。


 そう思いながら、俺は今後どうしていこうかと、頭を悩ませるのだった。

明日はV最協の本番なので応援のため休む!新章も開幕してるのでついでに!

次回は月曜日更新!!


姉さんたちはしばらく出てこないです

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