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これ、本当に治療なんですか?


 マッシュルーム・ドラゴンは、苦し気な呻きをあげ、倒れていく。


 素材をとろうとしたが、キノコしか採れない。俺たちは冒険者であり、料理人ではないのだ。価値あるキノコなのかどうか、いまいちわからぬまま取っていく。

 こいつはこのままここで朽ちていくのだろうか。それとも、飛び散った胞子から第二第三のマッシュルーム・ドラゴンが?

 考えると一抹のむなしさが残る。



 おっと、そんなことは今はどうでもいい。


 マッシュルームのため込んでいた魔力が、ゆっくりとダンジョン内に戻っていく。


「なんだか、力が湧いてくるんですの」

「本当でちゅ」



「すごいな、この魔力の奔流は。いったい何年ため込めば、こうなるんだ?」


「あ、見るにゃん!」

 フィッツがレイチェルの体を指さす。


「んっ、胸、少し苦しいでちゅ……」


 レイチェルの背はそのままに、胸だけがゆっくりと膨らんでいく。

 これは、聞いたことがある。ロリ巨乳というやつか。

 確か前にいた世界では、至高と呼ばれる存在のうちのひとつ。実際には存在しないとも言われる、伝説の存在だ。



 しかし、これはさすがに……。

 レイチェルの胸は、大人だったころよりも成長しているように思えた。

 服はぴっちりと左右に引っ張られ、慌てて抑えるレイチェル。その反動で飛び散るボタン。

 ぷっちん、ぱちん、と可愛い音を立て、ころころと飛んでいく。


 レイチェルの魔力吸収性の高い体は、もともと自身が持っていた以上に、ダンジョン内にめぐる魔力を取り込もうとしていく。

 許容量を超えて取り込まれた魔力は、逆に体に害にしかならない。


「いかんな、破裂するぞ」


 俺は急いでレイチェルの胸に手を当て、無制限に胸へと吸い込まれていく魔力を、体内全体へと循環させていく。


「イングウェイさん、だめ、少し痛い……」

「がまんしろ、すぐに楽にしてやる」


 仕方ない。すまないと心の中で謝りつつ、レイチェルの服の中に手を滑らせる。

 温かな体温が伝わってくる。

 もっちりとした弾力とともに、じんわりと汗ばんだ肌が俺の手に吸い付いてくる。


 突起に触らないように気を遣ううち、気付いたらがっつりと握りしめる形になってしまっている。

 ふうと息を吐くものの、それがレイチェルの耳元に当たってしまわないか、また別の心配が生まれてしまう。



「えと、あの、……いんぐうぇいさん、そんなに、気を使わなくていいんですよ?」


 レイチェルの言葉は、ニセクロハツよりも危険な猛毒だ。


 しかし、彼女の命に関わることだとなると、確かに戸惑っているわけにもいかない。

「すまない」


 言葉に甘え、ゆっくりと、力をこめていく。

 柔らかな肉は形をかえ、俺の指の隙間を押し広げようとしてくる。

 体内の魔力許容量もそろそろ限界だ。あとはゆっくりとレイチェル自身の魔力操作を助けてやる。

 彼女は優秀な魔術師だ。体調さえ通常に戻れば、すぐに自分で魔力量をコントロールできるようになるはず。


「あ、イングウェイさん、その、――当たってます……」


「おっと、すまない」

 俺はばっと手を離そうとする。しかし、いつの間にかレイチェル自身が、服の上から俺の手をそっと、そしてしっかりと押さえつけていた。


「大丈夫ですよ、そのままで」


「――ああ、」




「インギー! いつまでいちゃついてるんですの!!」

「ふざけるなだにゃー!!!」


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