おまけ 登場人物紹介(最終話後のネタバレ満載)
※本編と後日談のネタバレを多く含みますのでご注意ください。
名前の由来がないキャラクターは閃きで付けました。ご了承ください。
レンフィ・スイ
旧マイス白亜教国出身。聖ソフィーラ協会所属の白虹の聖女。水と光と空の精霊の寵愛を受ける三指の聖人。十七歳以前の記憶がない。
控えめで大人しい素直な性格だが、酒に酔うと明るく積極的な性格になることが判明。世界を救った偉大な聖女として歴史に名を残すが、同時に酒が原因の失敗談も数多く残った。
リオルと結婚し、円満な家庭を築いて幸せに暮らした。裁縫が趣味になる。
名前の由来:スイレン
リオル・グラント
ムドーラ王国出身で、将軍から聖ソフィーラ協会の警備隊長に転職した大陸最強の剣士。魂に“滅びの炎”の火の粉が入り込んでいる。
明るくて真っすぐな性格。負けず嫌いな面はあるが、成り上がろうという野心がない。大抵の人間とはすぐに仲良くなれる。
かつての宿敵だったレンフィと恋に落ちて結婚する。英雄としてだけではなく理想の夫としても後世に語られる。レンフィが大切にしているボタンはオークィのものだと思い込んでいる。
名前の由来:グロリオサ
シダール・ブラッド・ムドラグナ
ムドーラ王国の黒脈の王。美形。玉座を簒奪してしばらくは残酷な魔王と呼ばれていたが、愛妻家で小動物好きという面が知られ、ムドーラ産の美味しい農作物が大陸中に広まってからは恐れられることはなくなる。
王妃マグノリアとの間に二人の男児を授かる。
名前の由来:シダー(杉)
アザミ・フーリエ
ムドーラ王国の史上最年少の軍元帥。魔法剣士。戦争のない平和な時代で、国内の治安維持と発展に努め、外交面でも活躍した。
生真面目な仕事人間。家族の仇を討ったことでいろいろと吹っ切れ、ほんの少し性格が明るくなった。
私生活は謎に包まれているが、清潔な身なりや持ち物のセンスの良さから「世話を焼いてくれるおしゃれな恋人がいるんだろう」と部下たちには思われている。
名前の由来:アザミ
ヘイズ
年齢不詳。ムドーラ王国の魔法士団長。マグノリアの元上司。魔法に関しては凄腕で、諜報が得意。
時の聖人ウツロギの子孫で、寿命が常人より長い。滅亡したタドガー王国の出身で、祖国を滅ぼした国を滅ぼしてくれたムドーラ王国に仕えるようになった。
命を救ったせいかマリーに付きまとわれるようになり、困惑しつつもからかって楽しんでいる。シンジュラとは魔法の研究を通じて親しくなった。
名前の由来:パープルヘイズ
ザディン
ムドーラ王国の宰相。のんびりした言動とは裏腹に、冷徹で食えない人物。
王子が生まれたことでだいぶ小言が減った。
ガルガド
ムドーラ王国軍の元帥を引退し、特別顧問として新兵の訓練を監督。カッとなるとすぐ手が出るが、普段は気前の良いお爺さん。誰の結婚式でも号泣する。
マグノリア
シダールの妃。前宰相の娘で、シダールの兄の元妃でもある。魔女と呼ばれるほどの天才魔法士で、数々の画期的な魔法を発明した。
妹のように可愛がっているレンフィと義理の妹のカルナを遠くで見守りつつ、自身の子育てに奮闘する。
名前の由来:マグノリア(木蓮)
カルナ・ブラッド・ムドラグナ
シダールの妹。黒脈の姫。天真爛漫な美少女で、周囲を無邪気に振り回す。
涙目のシンジュラに一目惚れし、電撃婚約。俯きがちな婚約者を叱咤し、様々な助言を授ける。新たに興った王国の発展に尽力し、正式な求婚を受けて後に王妃となった。
名前の由来:カルーナ
オレット・ソシュール
カルナ姫の護衛騎士。貴族の令嬢だが、大雑把で不器用なところがある。女性剣士としてはかなりの手練れ。マチスの妹。
カルナに付き従い開拓に参加し、冒険の日々に心躍らせている。
名前の由来:ヴァイオレット(スミレ)
マチス・ソシュール
シダール王の護衛騎士筆頭。貴族の嫡男だが、ゆるふわ。オレットの兄。
かつてシダールの兄王子に仕えていた関係で、シダールからは冷遇されていたが、何年も不満や叛意を見せることなく忠誠を示し続けたことで信頼を得る。
名前の由来:クレマチス
バニラ
ムドーラ王国の城で働く侍女。レンフィの世話係だった。面倒見が良くさっぱりした性格。ジンジャーの姉。レンフィの初めての友達で、生涯交流を続けた。
本人は年上好みだが、年下にばかりモテる。
名前の由来:バニラ
ジンジャー
医療官見習い。レンフィの世話係だった。大人びた性格でとても賢い。バニラの弟。カルナ姫とは仲良しだが、恋愛感情はない。姉の男運のなさを心配している。
名前の由来:ジンジャー(ショウガ)
サフラン
医療官筆頭。医務室の婆ちゃん先生。バニラとジンジャーの祖母。若い頃はいろいろと苦労をした。仕事に厳しく、孫に甘い。レンフィの結婚式でこっそり泣いた。
名前の由来:サフラン
ブライダ
リオルを軍にスカウトし、後に副官になったムドーラの軍人。リオルのファン(強火)。既婚者で愛妻家。妻とともにリオルの伝記を執筆して、世界的なベストセラーになる。
名前の由来:ブライダルベール
ガジュ
ムドーラの軍人。ピノをライバル視している。訓練よりも実戦に強い。戦後新たにつくられた魔物狩り部隊で活躍する。バニラに告白するが、フラれた。しかし諦めるつもりはない。
名前の由来:ガジュマル
ピノ
ムドーラの軍人。ガジュをライバル視している。訓練では強いが、実戦では動きが硬くなる。戦後新たにつくられた魔物狩り部隊で活躍する。オレットに告白するが、愛の告白だと気づいてもらえなかった。諦めた途端、別の女性から告白された。
名前の由来:ピノグリーン
シンジュラ・ブラッド・ルークベル
白亜教国の教主とルークベル王家の黒脈の姫の息子。美少年。灰色の亡霊に唆されて大陸史上最悪の事件を起こす。
流刑に処され、未開拓の密林地帯で国を興す。カルナと婚約してからは振り回されながらも、生まれて初めて心から愛され、満更ではない。
名前の由来:神樹
マリー
レンフィと同じ教会で育った血の繋がらない妹。闇の精霊の加護を持つ精霊術士。シンジュラの命令を受けてムドーラに潜入して散々な目に遭った。美形大好き。現在ヘイズを狙っている。商売の勉強が楽しくなってきた。
名前の由来:マリーゴールド
オトギリ
オンガ村襲撃部隊の隊長を務めていた風の聖人。女好き。与えられた大きな力で弱者をいたぶるのを好む下種。
シンジュラの命令を受けてリッシュア王国で大暴れした後、レンフィに捕らえられ、最期は異形の化け物になってアザミに討伐された。
名前の由来:オトギリソウ
オークィ
自堕落な生活をしており、悪評の目立つ空理の聖人。若い頃に恋人に裏切られたこと(勘違い)が原因で道を誤った。
レンフィの実の祖父。最期は孫娘を命懸けで逃がし、シンジュラと戦って殺された。
名前の由来:オーク(楢)
ウツロギ
この世界で唯一無二の時の聖人。何千年生きているのかは本人にももはや分からない。儚げな美形。末娘を救う機会をずっと待っていた。
意外とお茶目な性格。嘘と詐欺は嫌いだが、止むを得ない時は人を騙す。人間のことは全員孫のように可愛く思えてしまう。
名前の由来:ウツギ
ネモ・フーリエ
ムドーラの元将軍。アザミの父親。オンガ村の監督官をしながら、麻薬草ベラペヨーテの研究をしていた。家族も国も大切に想っていた軍人の鑑で、たくさんの人間に慕われていた。
名前の由来:ネモフィラ
ロッタ
ウィロモ村出身の少年。姉の命を盾に脅され、レンフィたちを生贄する企みに加担した。現在は軍の雑用を手伝っており、将来はアザミの補佐をするのが夢で剣の鍛錬に励んでいる。
名前の由来:ロータス(蓮)
リンデン
マイス白亜教国最後の教主。シンジュラの父。ルークベルの姫君を攫って、シンジュラともども野望の道具にし、レンフィを儀式の生贄にした。諸悪の根源。最期は息子に薬漬けにされて惨めに死んだ。
名前の由来:リンデン
エンジュ・ブラッド・ルークベル
ルークベル王家の黒脈の姫。シンジュラの母で、世界へ復讐させるためルークベルの禁魔法の数々を教え込んだ。精神を病んで自ら命を絶った。
名前の由来:エンジュ
カクタス
名の知れた傭兵団の長。リオルに戦い方を教えた者の一人。戦争がなくなってからは木こりも兼業するようになった。
名前の由来:カクタス(サボテン)
プルメリス・ブラッド・リッシュアゼル
リッシュア王国の第二王女。乗馬と書類仕事が得意な黒脈の姫。スグリに一目惚れして、脱獄させて駆け落ちするなど情熱的な性格。シンジュラに呪われて時の精霊術で眠っている間に本当に全てが解決していてびっくりした。
聖ソフィーラ協会に就職してバリバリ働きつつ、スグリと文通で仲を深めている。実はレンフィが初めての友人。
名前の由来:プルメリア
アンズ
リッシュア王国の侍女で、幼い頃からプルメリスに仕えている。リアクションが大きい。料理は作るのも食べるのも大好き。
名前の由来:杏
ミスルト・ブラッド・リッシュアゼル
リッシュア王国の黒脈の王太子。美形。同い年のシダールに密かに対抗心を持っている。恋愛結婚した妻をとても大切にしているが、国益のためなら側室を娶ることも考える。
王位を継いでからシダールと会談する機会があり、仲良くなる。おそらく黒脈の王の中で最も善良な性格をしている。
名前の由来:ミスルトウ(宿り木)
レドウ・ブラッド・リッシュアゼル
ミスルトとプルメリスの従兄弟に当たる黒脈の王子。父の仇であるスグリのことは許してないが、プルメリスと結婚せずに済んで正直ほっとしている。
名前の由来:レッドウッド
ゼルコバ・ブラッド・リッシュアゼル
リッシュア王国の黒脈の王。強面の美形。力こそ全て、のリッシュアゼル王家を体現する武に長けた王。
プルメリスのことを溺愛しており、弟を射殺した男に奪われて立腹していたが、今はプルメリスを放任している。孫が生まれたら和解しようと思っている。
名前の由来:ゼルコバ(欅)
スグリ
アディニ族一の狩人。弓矢と乗馬が得意。黒脈の血筋を除けば作中一の男前。
義理の妹であり、将来の妻になるはずだったナズを殺され、仲間とともにリッシュア王の弟を射殺す。
族長の助命と王家への復讐のためにプルメリスを利用しようとするが、まんまと絆された。
馬の世話をしつつ、たまに狩りに行き、恋人のために読み書きの勉強をする日々が気に入っている。
名前の由来:スグリ
ナズ
アディニ族の族長の娘。スグリのことが大好き。リッシュアの王弟に殺されてしまう。
プルメリスの危機を矢を壊して報せたり、生死を彷徨ったスグリの意識を回復させたり、死後も想い人の幸せを願う健気な少女。
名前の由来:ナズナ
バジル・グラント
リオルの父。痒い所に手が届くタイプの傭兵。剣の腕は二流だが、立ち回りは一流。後悔の多い人生を送っていたが、リオルと和解してからは地に足のついた生活を送る。レンフィにお義父さんと呼ばれて号泣する。
名前の由来:バジル
ケイト・グラント
リオルの母。故人。針仕事が得意。村一番の美人で、バジルと結婚した時は近隣の村々の若者が泣いた。ウジウジした男を放っておけない性格。
名前の由来:ケイトウ
フリージャ
マイス白亜教国出身の土の精霊の寵愛を受ける星砂の聖人。聖女レンフィのファン。知略に優れており、リッシュア戦線では大いに騎馬隊を苦しめた。聖ソフィーラ協会では参謀的ポジションに落ち着く。
基本は陰気で、興奮するにつれて愚痴が止まらなくなる。レンフィの伝記を執筆した。リオルとはそりが合わないが、アザミとは気が合いそうだなと思っている。
名前の由来:フリージア
グラジス
マイス白亜教国出身の風の精霊の寵愛を受ける烈風の聖人。短気で真っ直ぐな性格で、道理に合わない物事には怒りを露にする。まともな白亜教徒だった。
リッシュア戦線では正々堂々と戦い、リッシュアゼル王家の男たちに一目を置かれている。
聖ソフィーラ協会では厳格な幹部として緊張感をもたらす存在であり、ウツロギの思い付きに最も振り回される損なポジション。
名前の由来:グラジオラス
イベリス
空の聖人。白亜教国に所属せず、家族とともに山奥に隠れ住んでいる。
隠遁生活に手を貸してくれたウツロギに恩義を感じており、聖ソフィーラ協会に所属するか家族会議中。
名前の由来:イベリス
イブキ・ブラッド・フレーレ
フレウ王国の黒脈の王。見た目も仕草も中性的。国の発展に力を入れたい。
名前の由来:イブキ
ソフィーラ
ウツロギの末の娘。黒竜を封印するための生贄となった。カスミソウの乙女という童話のモデルになった。
名前の由来:ギプソフィラ(カスミソウ)
ヴェロン
ルークベル王家に仕える忠義の騎士。シンジュラの母と恋仲だった。面会前は最愛の女性とその仇の男の息子であるシンジュラに対して複雑な感情を抱いていたが、一目見て仕えるに足る王族だと確信した。
名前の由来:ベロニカ
【あとがき】
本編・後日談ともお読みいただいた方々、本当にありがとうございました。
一つの作品で50万字を超えたのは初めてです。
最後まで書き切れたのは皆さまの応援のおかげに他なりません。
レンフィとリオルはお互いに惚れざるを得ないような、理想の男女を目指して書きました。
そのおかげもあってか、恋愛ものでありながらすれ違いや喧嘩などの破局の危機がなかったですね。
作者的にはシダールを書くのが楽しかったです。
アザミとシンジュラは物語上難しい立ち位置にいましたが、なぜかすらすら書けました。不思議です。
女性キャラではバニラがお気に入りだったのですが、あまり活躍させてあげられなくて残念でした。
皆さまにお気に入りのキャラがいたら、教えていただけると嬉しいです。
異世界ものなのにおかしな話ですが、今回は植物の名前をもじってキャラ名を考えました。
花言葉や木言葉から植物を選んだキャラクターもいます。
スイレンについては「滅亡」という花言葉があることを後で知ったので驚きました。いろいろ勉強になりました。
次回作の構想はまだ形になっていませんが、これからも頑張って書いていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。




