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218/268

218:マジ、大人買いをする。

*前話の217話あとがきに、夢乃ドドンのステータスを載せています。

昨日の更新時に告知するの忘れてましたorz


「ハァハァ……い、一時間頑張った」

「お疲れ様です、マジックさん。これで在庫は三万個になりました。これもすぐに完売するでしょうね」


 す、直ぐなのか……。

 ログインしてまずやったのは、ペットフード合成作業。

 開拓民村で直接作り、そのまま村長に手渡す。

 ペットフード一袋に団子は十個入っている。これを消費するのに……


「ぷぅ。腹が減るのにどのくらい時間が掛かるんだ?」

〔ぷ? ぷぷぅぷぅ〕


 その時々よ……か。


〔ぷぅ〜。ぷっぷぷぷっぷぷぷ〕

「そうか。スキルを使うとそれなりに腹は減りやすくなるのか」

〔ぷぅ。っぷぷぷぅぷ〕


 他にも俺がモンスターと戦闘中の時間が長いと、比較的腹が減りやすいとぷぅが話す。

 主人の状態にも影響されるのか。


〔ぷぅぷぷぷぅ〕

「そういうのもひっくるめて、平均すると二時間ぐらい、か」


 もちろんこの二時間ってのはゲーム内での時間だろう。

 一日は十二時間という設定だ。となると一日に六個は消費することになるな。意外と多い。

 けどログアウトしている時間は、空腹度の消費はないと思う。

 そういうのを考えても、一人五袋あれば暫く大丈夫だろう。


「村長さん。販売個数を、一人五袋までにして貰えませんか?」

「お一人様、ですか? それ以後、そのお客様には販売してはならないと?」

「いやいや、そうじゃなくて……うぅん。あ、そうだ。一人一日五袋ってことで」


 大量の買い占められるのが困る訳だからな。

 なるべく大勢に行き渡らせるためなら、このぐらいでいいだろう。


「よし。毎日合成するのも面倒だし、もう少し頑張るか」

「ありがとうございます、マジックさん。それでは先ほどの分はお店に並べておきますね」

「あぁ、頼む」

「それと、こちらは今日の分のお代です」


【村長から2400000ENを受け取りました】


 ……いちじゅうひゃくせんまん……に、にひゃくよんじゅうまん!?

 ぶほぉっ。

 ちょ、か、金持ち過ぎる。

 こんだけ金があると、ちょっと無駄使いしたくなるんですけど……。

 そうだ。どうせだから狩場によって装備の変更とか、そういうリッチマンな事をやってみよう。


 手袋にはレア杖が合成されている。

 手袋は火属性ダメージアップで、杖は風属性アップとなかなかに統一がされていない。

 シースターに分解してもらって、属性と揃えて合成しなおすかな。

 無茶な事を頼むと奴が禿げるかもしれないし、まずは先に装備を揃えよう。

 杖はシースターから買うとして、手袋は……夢乃さんに頼むと、もれなくタダでくれそうで怖い。


 い、いや、ここは金を使うためなんだから、露店で探そう!






 昼飯の時間まではガッツリ合成に励み、追加で一万五千袋を完成。百二十万EN追加ゲットだぜ。

 飯を食ってさっそくログイン。

 さて、シースターは……お、ログインしてるな。

 じゃあまずは杖の在庫を聞いておこう。なければそれも露店で探さなきゃならないしな。


【彗星マジック:シースター。32のレアかレジェンドの杖無いか?】


 暫くして帰って来た返信には【ある】と書かれていた。

 それから杖の効果がずらずらと送られてくる。


 MP消費20%減。+INT+6。

 CT-30%。+INT+5。

 魔法ダメージ+15%。+INT+2。


 全部レア杖だ。

 うん。まったく統一性が無い。

 

【シースター:ダメージupなら二本あるよ。INT補正低いけど】

【彗星マジック:お。それいくら?】

【シースター:二十万で出してるけど、なかなか売れないから十五万にしようと思ってた】

【彗星マジック:二十万で買う】

【シースター:え?】


 ファクトに飛んで直接シースターに会いに行く。


「おっすおっす」

「どうしたんだい、マジック。随分と羽振りがいいようだけど」

「おう。合成ペットフードでな」


 ボロ儲けです。

 その話をすると、シースターも苦笑いを浮かべていた。


「そういえば開拓村のお店――」

「おう。今補充してきたところだ」

「あぁ、そりゃよかった」


 シースターはまだペットを捕まえてないようだが、飼う予定が無いのだろうか。

 そう尋ねると、胸をときめかせるようなモンスターに出会えてないんだとか。

 俺ってぷぅにときめいた事はないんだが……。


「せっかくの相棒なんだしさ。慎重に考えたいんだよ。それに、アップデートで良いのが実装されたりしたらさ、悔しいじゃん」

「まぁそれはそうだけど。でもたいていはさ、色違いだの、角がついただのなんだので元のデザインはほとんど一緒じゃね?」

「あはは。それを言っちゃあお終いだよ。でもまだサービス開始して間もないからね。新しいデザインモンスターぐらいは出ると思うよ」


 まぁ正式開始時のアップデートから考えても、エリア開放も開始時と今回のまだ二階だもんな。

 今から同じモンスターの使いまわしってなると、さすがにバリエーションが少なすぎるか。


「で、どんなのにトキメクんだ?」

「うぅん……えぇっと、その……」


 なんだ、言いにくいよなモンスターなのか?

 はっ。ま、まさか……


「狐幼女か!?」

「なんでそうなるんだよ! マジックじゃあるまいし」

「おい、なんだよ、俺じゃあるまいしってのは」


 断固として俺はロリじゃねえからなっ。


「そもそも狐幼女って、動物じゃないだろ」

「いやでも狐耳と尻尾があれば」

「それ獣人じゃないか。狐タイプも作れるよ」


 そんなシースターはシェッティー犬。

 と言っても、やっぱり耳と尻尾があるだけだが。


「ぼくが相棒にしたいのはね……その、きょ、恐竜……なんだ」

「は? 居ないだろ、そんなの」

「いや、居るんだよ」

「え?」


 いや待て。

 これは異世界ファンタジーをイメージしたゲームだぞ。

 どっかのハンターなゲームとは違うんだぞ。

 そう言うと、シースターはそのゲームも好きだと微笑みながら話す。


「でもペットには出来ないんだよね」

「そりゃあ、倒して素材にするのが目的だからなぁ。いや、それより居るってどういう事?」

「公式サイトにあるスクリーンショットのページ見てる? 掲示板じゃなくって公式の宣伝用画像のほう」


 アップデートすら確認していない俺ですが何か?

 

 そのページを見ると、まだ未実装なエリアのスクリーンショットなんかも公開されているという。

 画像の一覧の中に、恐竜が映った物が二枚ほどあるんだとか。


「背景を見ると、どこかの火山の近くみたいなんだ。植物もそれっぽいのがあったし。最初は鉱山山脈かなぁとも思ったけど、火山っぽそうなのは見えないしねぇ」


 と言ってシースターは東の空を見つめる。

 確かに火山なら鉱山に向かう途中でも見えるはずだ。


 ん?

 火山?

 どこかでそういう話を聞いたような……。


「あ……遺跡ダンジョンの拡張エリアに火山地帯があるって」

「え? ダンジョン内なのっ?」


 頷いてセシリアから聞いた話をシースターに聞かせた。

 うぅんっと頷きながら聞いていた彼だったが、話の出元がロビースタッフの執事だと聞いて信ぴょう性を得たようだ。


「ぼくのところのメイドさんも、時々ぽろっと情報を漏らしたりするんだよね」

「お前のところもか。俺んところのシンフォニアもだぜ」

「あ、シンフォニアって名前なんだ。綺麗な響きだね」


 ぐっ。し、しまった。

 つい奴の名前を人前で口にしてしまった。

 なんか人形に名前を付けてるような、そんな変態野郎だと思われたくなかったのに。


「ぼくのところは『まき』さんって名前にしたんだ」

「……シースター命名?」


 こくりと頷き、なんとなく『まきさん』という感じだったからと。

 まきさん……どんな感じなんだよ。俺にはさっぱり想像できないんですけど。 


 しかしちょっと安心した。

 ロビースタッフに名前を付けてる奴は居るってシンフォニアが話してたが、こうして実際に居ると安心するぜ。

 あと、俺の方が勝った――と小さくガッツポーズをした。

 

「でも遺跡ダンジョンかぁ……」

「五階までは行ったぜ。四階は罠階だが、ルート次第で楽勝コースだ。今度一緒に行くか?」

「え? いいの?」

「おう。その前に杖、売ってくれ」

「あ、うん」


 魔法ダメージupとINT補正。同じ性能の杖を二本買い、その上でレア杖の分解を依頼。


「うえぇ、これ分解するのかぁ」

「失敗してもいいよ。金はまだある!」

「うわぁ、廃人的なセリフだなぁ。まぁいいよ、やってみる」


 路地裏に移動してさっそく作業を開始すると、見事に成功!


「ふぅ。無事に手袋と杖に別れたよ。これどうするの?」

「おう。杖と手袋で属性ダメージアップが付いてるんだが、それぞれ違う属性なんだ」

「あぁ、なる。同じ属性効果同士で合成しなおすってこと?」


 そういう事。

 狩場に合わせて武器を持ち返る。精霊を変更するのと同じようにな。


「火山地帯なら火属性モンスターが多いだろうし、それに特化した装備を作っておくかな」

「水属性攻撃のダメージアップの材料ならあるけど」

「マジか! じゃあ俺は今買った杖と合成するための手袋探してくるから、頼めるか?」

「オケ。水属性攻撃のダメージ上昇って、不人気なんだよね。そもそも火属性が少ないから」


 その逆で、火属性ダメージアップは需要ありまくりらしい。

 まぁ土属性モンスターや植物系モンスター、更にアンデットの弱点でもあるからなぁ。

 

 が、火山地帯のモンスター次第では、水も脚光を浴びるかも?

 

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