じゅーはち
…あぁ疲れた。今日は特に大変だった。
只今帰宅中なのだが、辺りはもうすっかり暗くなってしまっている。本当ならもう少し早く帰れたはずなんだけどな。
というのも小倉に昨日の放課後あったことの誤解をとくために必死に説明していたのだ。小倉は変態変態と連呼するし、俺はアレルギーのことも筑紫さんが紅さんが好きだということ言えないわけで。もう大変でしたよ。はい。
まぁどうにかして誤解は解けたわけだが、相変わらず小倉は俺を変態扱いしていた。
「全く、青木先輩が可愛そうです」
なんて言っていたが、なぜそこで青木が出てくるんだ?
「佐藤先輩がこんなに変態で」
うるせぇ!俺は変態なんかじゃ…ないんだよ?
…全力で否定できない俺が悲しい。
以上回想終了。
昼といい放課後といいとにかく大変だった。なんか最近運気が悪い方向に言ってるのではないか?
なんてことを考えながら夜の公園を突っ切っている時だった。
「みゃー」
「…ん?」
…こ、この愛らしい鳴き声は!?
「みゃーお」
やっぱり猫ちゃんだ〜!!
しかも黒猫の子供だ!超ちっちぇ〜!!
思わず近寄りしゃがみこむ。いやぁ俺猫大好きなんだよね〜!!親が猫アレルギーで飼えないけど昔っから好きなんだよ!!
だから自分が猫アレルギーじゃなくてホントによかったって思ってる。(その代わりかなり厄介なアレルギーかかったけど)
俺はその子猫の頭にそっと手をやった。そしてひとなで。ヤバイ超大人しい。人に慣れてんのかな?
そんなことを思いながら撫でていると、あるものが目に入った。
『拾ってやってください』
…今どき珍しいな。こーいう段ボールに猫入れるなんてな。ってことはこの子猫、捨て猫なんだな。かわいそうに。
しかし困った。できることなら俺が買ってあげたいんだが、さっきも言ったとおり家じゃ無理だ。でもこのまま放っておくわけにはいけないし…
まぁひとまず名前を付けてやろう。まぁ黒猫だから…
俺はその子猫に愛情をこめながら名前をつけてやった。
「よし、今日からお前はブラックライジングサンダーな!!」
「…それはやめたがいいと思うぞ」
「!?」
俺は突然の声に驚いて振り返った。
そこには白いウィンドブレーカーを着た紅さんがいた。
ブラックライジングサンダー…だめかな?




