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【完結】変身時間のディフェンスフォース 〜ヒーローの変身途中が『隙だらけ』なので死ぬ気で護るしかないし、実は最強の俺が何故か裏方に!?〜  作者: 半袖高太郎
第1部 5章 〜挫折リヴェンジャー〜

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意外な訪問者

 説教モードは終わりだと表情が告げ、メイは口元を緩ませて、飛彩の隣へと滑り込む。


「じゃあ、お姉さんが身体拭いてあげるね」


「は、はぁっ!?」


「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」


過剰反応な蘭華とカクリがメイを無理やり引き剥がす。怪我人はすでに意識があやふやだ。


「ひ、飛彩の身体は、一番付き合いが長い私が拭くから! 飛彩も恥ずかしくないよね?」


「ダメです! 飛彩さんは恥ずかしがりなので、服の中にポータルをつないで、服を着たままでも身体を拭けるようにカクリが吹くんですっ!」


「能力の無駄遣いしないでよ! むしろなんかそれエロいから!」


「私もなんか暑くなってきちゃったなぁー」


そうこうしている間に女子同士の取っ組み合いが始まる。

もはや病室ということも忘れていた全員だったが、お陰で飛彩は日常に帰ってこられたと再確認出来た。


「うるせーよお前ら! だったら着替えでも取ってきてくれ!」


 日常に戻ったとはいえ、流石にもうすこし眠りたいと感じ始めた飛彩の露骨な態度も、もはや通じず誰が取りに行くかで揉めに揉めている。


「カクリの能力で一瞬で取りに行きますねぇ」


「ダメダメ! 飛彩の服は私が片付けてるから! 私が行く!」


「新作の服着る? 色々作ってるインナーがあってねぇ」


「あーもう! 全員で一緒に行ってこいよ!」


きゃあきゃあと騒ぐ女子たちが部屋から出て行くと、やっと病室らしい静寂が訪れた。


これはこれで寂しいと感じたが、それは胸の奥底へすぐにしまった。


「それにしても、俺、ランクEぶっ倒したんだよな」


 遅れてやってきた偉業の誇りに、少しだけ震える。


仲間がいなければどうしようもなかった事実もあり、すぐに喜びは消えたが、ヒーロー本部への転向も充分に考えられる功績だと感じていた。


そうして、脳内で行われる一人反省会が加速する。ベッドに寝そべりながらブツブツと呟く様子は非常に怪しく、入院の日数が伸ばされること間違いなしだった。


 倒したとは言え、レスキューレッドの力がなければ確実に負けていた。


未だに埋まらぬヒーローと己の差、そして違いにどうすればもっと近づけるかを思案する。


 程なくして、病室がノックされた。集中しきっていた飛彩はそれに全く気づかない。何度か繰り返された後、引き戸がゆっくりと開かれた。


「なんだよ忘れ物か? とっとと出てけよな!」


「えぇと……取り込み中でしたか?」


聞きなれない声に顔を上げる飛彩。それと同時に思い切り上半身を起こし驚いた。


「ホリィ!? さん!?」


 思い切り怒鳴られたこともあってか、ホリィはかなり困惑していた。


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