表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】変身時間のディフェンスフォース 〜ヒーローの変身途中が『隙だらけ』なので死ぬ気で護るしかないし、実は最強の俺が何故か裏方に!?〜  作者: 半袖高太郎
第1部 4章 〜プロミス・タッグバトル〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/419

激昂

「うふ、本当に勝てると思ってたの〜?」


「黙れぇ!」


「何度でも言うわ〜。アンタみたいな雑魚のせいで人類の希望様は死にかけてんのよっ!」


いたぶるような拳の雨に為す術もなく吹き飛ばされた飛彩。強化スーツは、もはや限界に近づいており、これ以上攻撃をもらえば簡単に骨まで砕け散るだろう。


「黙れよ……」


「そして、助けた命も簡単に散っちゃうの。本当に、あのヒーローは無駄死にねっ」


身体よりも先にヒビが入ったのは心だった。今にも砕け散りそうなほどに飛彩の心は軋んでいる。


それに気づかないように、振り払うように飛彩はさらに声を振り絞った。


「黙れえぇぇぇぇぇぇぇぇえぇえ!!!!」


そこにいたのは、己の認めたくない現実を突き付けられただけの、ただの子供だった。


「お遊戯会かしら? やる気あるの?」


 事実、飛彩には余力はない。悪あがきに近い戦いは、どんどんハイドアウターをイラつかせた。


物理攻撃しかない飛彩に、勝ち筋は全く見えていない。


強固な鎧に、実体が無いも同然の靄状態。水と油の方が仲良しに見えるほど相性は最悪だ。


 それでも意地という子供じみた理由で、飛彩は敗北の未来を受け入れず、足掻き続けた。


「俺が勝たなきゃ……意味ねぇんだ! 俺が継がなきゃならねぇんだ!」


恐れが蔓延していた瞳に決意が満ちていく。勝たなければ、熱太も蘭華も死体へと変わる。


「テメェみてぇな三下に構ってる時間はねえんだよ!」


小太刀を投げつけ、ホルスターから効果の高いインジェクターを取り出す。


「——っ!」


 長年連れ添ってきた蘭華には全て分かった。手のひらを射抜いてでも止めなければ、と狙撃銃を構え直す。


しかし、割れたバイザーから覗く眼光に気圧され、引き金にかかる指が止まる。


その一瞬の差で飛彩の首元へ吸い込まれていったインジェクターが飛彩の影を輝かせた。


激・注入ハイパーインジェクション!』


 それと同時に縦横無尽の動きで襲い来る爪撃は全て空を裂いた。それにのしかかるように着地した飛彩はバイザーを外し、浮かんでいる兜に飛びかかった。


「えぇっ!?」


「ぶっ殺す!」


兜を殴る鈍い音が響く中、飛彩の背後にハイドアウターの四肢が音も無く浮かび上がった。


「私の世界展開忘れちゃった?」


靄隠しの能力は、単純に透明になるよりも厄介だと飛彩はつくづく思っていた。


戦闘時において意識の外に行ってしまう。本来なら死角から飛んでいく足や腕に気付けるはずがない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ