シンデレラは灰被り
「それで・・・?あなたはこれからどうするの?どうしたい?」
真木さんは、振り返り至極真面目な顔でそう言った。
「分かっているとは思うけど、状況は最悪よ、あなた、皇帝会に目をつけられているみたいだし」
そう言って、真木さんは何も話さない。
「それは・・・・」
皇帝会に目を付けられた、その事がどんな意味を持つのか。
ーーーーー分からないわけじゃない。それが大変な事だという事は、分かっている。
けれど。
でも、だって。私にはもう行くところがない。
彩子さんはお母さんだけど、お母さんではないんだから。
それに、借金もある。
帰るとかーーーー逃げるとか、そういう選択肢は無い。
もう決めた。ここでやっていくと。
「でも、卒業します、どんなことがあっても」
真木さんの目を見つめて、そう言って。
真木さんは笑った。とてもとても、いい笑顔で。
ドンッ!!
大きなブラックボックスを取り出しーーー殴られるかと思った・・・。
消毒液の代わりに、化粧刷毛を頬に当てた。
「ここでやっていく為に、化けるわよ」
え?
「うひゃひゃひゃ、うひひっふへっ!?」
「化けるって、どうゆう事ですか!?」と言うつもりだったのに、頬をつままれたせいで言葉にできたのは、それだけだった。
「何言って、言葉通りの事よ、さっ、練習練習!練習あるのみよ!」
はひっ!?
何の事ですかっ!?




